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第三十一話 たった一人で戦い続ける者達14
記憶に酔い―― Nakamuはぼうっとしながら
瞬きを繰り返して周囲を確認した
目の前にはBroooockがいて その奥にシャークんが立っている
Nakamuの体をきんときが後ろから 倒れないように支えてくれていた
Nakamu
Nakamu
シャークん
シャークん
Nakamu
NakamuはBroooockを視界に入れる
まだ重なっていた手を Nakamuは握り返した
Nakamu
Broooock
Broooock
Broooock
最初にBroooockに 声を掛けてくれたのも
Broooockのために記憶を差し出すと 言ってくれたのもNakamuだ
Broooockはまた強く Nakamuの手を握って
自分の額に当てた
Broooock
彼のおかげで Broooockはここにいる
そしてここにいるみんなのおかげで Broooockはここにいる
ようやく みんなに記憶を返すことができた
Broooock
Nakamu
Broooock
Nakamuに笑顔が灯ると同時に はっと思い出す
Nakamu
スマイル
シャークんの後ろから ぬっと現れたスマイルに
Nakamuは顔を上げた
先ほどまで三人しか 感じていなかった気配が
急に四人に増えた
Nakamuは顔をしかめた
Nakamu
スマイル
スマイル
スマイル
Nakamuはふらふらと立ち上がると
彼にこぶしを振り上げ その頬を殴った
ぱしんっ――!
まだスタングレネードの 効果が切れていないのか
スマイルにあまりダメージはなかった
Broooockはその様子を 黙って見ていて
シャークんはおろおろしていて
きんときはBroooockと同じく その様子を見守っていた
Nakamu
Nakamu
スマイル
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamuは両手で顔を覆った
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamu
スマイル
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamuの告白に Broooockは顔を歪めた
Broooock
誰も謝罪を望んでいないことは わかっていた
Broooockが同じ立場だったら そう望んでいただろうから
Broooockはただ 唇を噛みしめるだけだった
きんときは口を結んで ただNakamuを見つめていた
きんとき
きんとき
だけどその思いは言葉にならなかった
困った顔をしているシャークんは そこまで思い至っていないように見えた
それを発言してしまえば シャークんも責任を感じてしまうだろう
きんとき
きんとき
なりたくてなったのかどうかは わからないが
Nakamuが率先的に悪魔という 種族を選択したとは思えなかった
誰もがみんな―― Nakamuの告白に責任を感じていた
Nakamuはスマイルから 叱責の言葉を待ち望んでいた
ふざけるな
冗談じゃない
そう言って叱ってほしかった
例え感情のない魔族でも
これだけ人間と接して 教師までやっていたなら
できないことはないだろう
自分が正しいなんて 微塵も思っていない
ただNakamuは絶望した自分を スマイルを殴ることで救ってやった
お前のために俺が殴ってやったぞと それだけ言ってやりたかった
でなければ――
あの頃の自分が どう足掻いても報われない
あのNakamuを知っているのは Nakamuだけだ
救えるのもNakamuだけだった
だから、Nakamuのわがままは もう終わった
後は――
罰を待ち望むただの罪人だ
スマイル
スマイルの言葉に Nakamuは唇を嚙み締めた
理解してほしいだなんて 思っていないのに
彼の言葉は優しいものだった
そして、それと同時に思い出す
スマイルは本当に相手が傷付くような 責め方をする事はないのだ
スマイル
Nakamu
スマイル
スマイル
Nakamuがスマイルを殴った理由は 過去の自分を救うためだったが
スマイルは魔力を奪い尽くした事に 対しての罰として受け入れたらしい
スマイル
スマイル
スマイル
記憶を失った後――
Nakamuときんときは ベッドで眠っていた
起きた時、魔力は枯渇しているし 何がなんだかわからない状況だったが
家族と戦争が気がかりだった
学校は先生も満足に出勤しておらず
不安が続く中とうとう魔法使いと 人間による戦争が勃発してしまった
そしてようやくNakamuときんときは
唯一魔法学校にいた話したこともない スマイルに話を聞きに行ったのだ
スマイル
スマイル
スマイル
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamu
スマイル
スマイル
スマイル
Nakamu
スマイル
スマイル
スマイル
Broooockの身体が弱かったのだって
スマイルが後先を考えずに 魔力を奪いつくしたのだって
きんときがシャークんと 出会ってしまったのだって
Nakamuが一人で絶望して 逆恨みしたのだって
誰のせいでもない
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
少しだけむすっとしたスマイルが じろっとNakamuを見つめる
Nakamu
Nakamu
Nakamu
スマイル
スマイル
Nakamu
スマイル
Nakamu
スマイルはきょとんとした
誰も、魔族にそんな事を 言ったことはなかった
皆その手前で諦める
魔族に感情はないのだから――と
Nakamu
スマイル
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamu
スマイルは数多くの人間と関わってきて
罰を乞う人間など 数えきれないほど見たことがある
だが、ワイテルズのメンバー以外で こんなに親しくなった人間は他にいない
彼らに対する情があり それは他の人間とは違う
他の人間なら 常識の範囲内の罰を下せるが
Nakamuにはそうできなかった
Nakamuの事を理解して その上で彼を許している自分がいる
責めたい責めたくないではない
そもそもスマイルは怒ってすらいない
スマイルは素直に どうすればいいかわからなかった
スマイル
スマイル
スマイル
Nakamu
Nakamu
スマイル
約束はしないつもりだった
それを叶えられるかどうか
スマイルもわからないから――