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そして千風が柱になり数ヶ月後
ついに「無限城編」へ
鬼の本拠、終わりと始まりが交差する死地
そこに待っていたのは、 実の弟の蓮だった
花びらが舞う中、幼い記憶の中に現れる一人の少年
鷹羽 千風
鷹羽 蓮
その声に、千風の心がわずかに揺れる
だが、それが“血鬼術”による幻だと悟り、刀に力を込める
鷹羽 千風
空間が歪み、幻が溶けた時
正面に、実体としての蓮が立っていた
着流しに、花魁の帯。 だが、その目はまぎれもなく――“あの弟”だった
蓮
鷹羽 千風
時間が止まる
鷹羽 千風
かつて病に伏していた蓮は、 姉が剣士として旅立ってから、 人間として生き延びられなかった
ある日、「彼」に拾われた
蓮
蓮
鷹羽 千風
蓮
蓮
蓮
鷹羽 千風
鷹羽 千風
白き羽の刃が抜かれ、 舞う花びらが風で散らされた。
鷹羽 千風
鷹羽 千風
蓮
蓮
蓮
鷹羽 千風
千風の視界が歪む
周囲の景色が花街へと変わり、幻が現れる
「あの日、手を離したのはお前だ」
「本当は救えたんじゃないか?」
千風は深呼吸し、地を蹴った
鷹羽 千風
鷹羽 千風
羽ばたくように斬撃が走る――
蓮は血を流しながら、それでも立っていた
蓮
蓮
鷹羽 千風
鷹羽 千風
空中に浮かぶ巨大な鏡―― それは千風の「願い」と「喪失」を映し続けていた。
映るのは、まだ鬼になる前の蓮と、姉・千風が肩を並べて笑う姿
鷹羽 蓮
鷹羽 千風
鷹羽 蓮
鷹羽 千風
その穏やかな記憶に、千風の目が揺らいだ。
鷹羽 千風
鷹羽 千風
蓮が一歩、鏡の前に進み出る
表情に、かすかな哀しみと諦めが滲む
蓮
蓮
蓮
鷹羽 千風
蓮
蓮
千風は目を閉じ、静かに息を吸った
その胸には、風の音――誰よりも優しく、自由だった“弟”の声が響いていた
鷹羽 千風
鷹羽 千風
鷹羽 千風
千風は空を斬るように刀を振るった
鷹羽 千風
鷹羽 千風
鷹羽 千風
千風は高く飛び上がる
鷹羽 千風
鷹羽 千風
眩い光が蓮の首に差し掛かった
刃が描いたのは巨大な羽ばたき。 その軌跡が、鏡を――蓮の幻想を――粉々に砕いた
割れる鏡の破片に、蓮の涙が映る
倒れ込んだ蓮の中から、かすかな人間の声が漏れた
鷹羽 蓮
千風はそっと蓮の手を取り、目を閉じた
鷹羽 千風
鷹羽 千風
風が吹き抜ける、無限城の一角
そこにはもう、蓮の姿も、幻の空もない。 ただ白い羽が一枚、静かに舞っていた
風切
小さな羽根が、空へ還っていった