その頃、海軍のある男はウミの手配書を見ながらその島を彷徨っていた。
???
いや、初めてか?この顔、どっかで
するとどこからか体を動かした時に踏ん張るような声が聞こえ、『なんだ?』と声の方へ歩き出す。
そうするとウミを見つける。
???
(思い出した。1年前マリンフォードで…麦わらの、妹か!)
その男は自分の能力でウミに近づく。
その能力とは煙のようにモクモクとしていた。
そう、その男とはまさに、マリンフォードで海兵に殺されそうになっていたウミを助けた海軍中将、スモーカーだ。
ウミ
見聞色が働いたのか、ウミは咄嗟に避ける。
スモーカー
ウミ
スモーカーが、まじか。というような顔をする。
スモーカー
するとどこからか、たしぎが走ってくる。
たしぎ
どれだけ探したと思ってッ
ん?貴方は…賞金首の!!
スモーカー
たしぎ
スモーカーの号令でたしぎ率いる海兵達がウミを捕まえようとする。
ウミは戦おうとしたが逃げることを考えた。
怖いから、などではなく今ここで暴れてはいけない。
そう、本能的に感じたのだ。
それからスモーカーも能力でウミを追いかける。
ウミはその能力をみて『ケムリン』と名ずける。
レッド・フォース号へ逃げ回りながら、1年前のスモーカーの事を思い出した。
そして、ウミはレッド・フォースへと乗り込む。
ホンゴウ
スモーカー
スモーカー達は力の差を自覚しているのか赤髪海賊団に手を出そうとはしなかった。
そして、悔いていた。
ウミはスモーカー目掛けて大声を出す。
ウミ
自分の意見なんか言った事無くてさ!
今でもあんま変わんねぇけど!
でもあの日、ケムリンが助けてくれた事でさ!
自分の中で何かが吹っ切れた気がしたんだ!
それにあの時、ケムリンが助けてくれなかったら!
私は死んでた!エースに会う前に!本当にありがとな!
ウミはニカッと笑う。
するとスモーカーの正面から風が吹く。
そして、スモーカーはその言葉に目を見開く。
スモーカー
ウミ
私がお前に礼を言いたいって思ったんだから礼を言うんだ!だって嬉しかったんだから!
お前に何と言われようが私はあの日の事に礼を言う!
ウミは言い切る。
偽りなどない、疑う事を知らない、純粋な瞳で。
そんなウミにスモーカーの心臓が高鳴ってしまう。
海軍が海賊に持ってはならないと、こんな気持ちになってはいけないと思いながらも、ウミに対する想いを鎮めることが出来なかった。
頂上戦争から2年が経ち、ルフィ達、麦わらの一味は復活し、しばらく経った頃。
麦わらの一味はある島に来ていた。
そして、サンジが何かを見つけたのかそれに向かって猛ダッシュしていく。
サンジ
ナミ
サンジはある女の手配書にへばりつく様に見つめている。
ロビン
あまり見ない海賊ね。
チョッパー
懸賞金が1億超えてるぞ?
ブルック
フランキー
ゾロ
あ、そういやチョッパーお前も確か17だったよな。
チョッパー
ルフィ
ウソップ
麦わらの一味の全員が手配書に集まる。
そして、ルフィが手配書を見て口を開く。
ルフィ
そう、その手配書は1億Bに上り詰めたウミの手配書だった。
サンジ
ルフィ
ニカッと笑い説明する。
『はぁ!?』
ナミ
ウソップ
フランキー
ゾロ
ルフィ
ウミとは父ちゃんも母ちゃんも一緒だ!
ロビン
チョッパー
ルフィ
ブルック
ルフィ
ルフィはマリンフォードで最後に会ったウミを思い出しながら空を見上げた。







