春風が彼の頬を優しく撫で、それに答えるように白い髪が揺れる
その光景に俺は目を細め、花の入った花瓶を棚に置いた。
もうすぐ、お前が眠ってから2度目の春が来る
そらる
白い病室に1人。ベットの上で横になる彼は、2年前に突然意識を失った
医者によると、命に別状はないらしいが今の彼は食事もとらず、排泄や声を発することもせずただこんこんと眠り続けている
原因は不明だが、おそらく過労だ。
そらる
そらる
まふまふは、もともと努力家で誰よりも一生懸命に活動してきた。
ライブや動画投稿はもちろん
ずっと考え続けて、改良に改良を重ねて作った曲を「天才」という言葉で片付けられても、文句一つ言わずに....
でも
そらる
そらる
1度吐き出した本音は、滝のように溢れて病室を満たし、さっきまで白かった部屋がだんだんと灰色に染まる
そらる
そらる
そらる
そらる
こんなことにはならなかったのに
そう言い切る前に、俺はその場に崩れ落ちていつの間にか流れていた涙もそのままに息を整えた。
だが、吸っても吸っても息は巡らず浅い呼吸は収まるところを知らない
今、誰かにこんなところを見られたら。
だめだ、俺は、俺だけはこんな風になっちゃいけない
みんなに心配かけちゃダメなんだ
もっとしっかりしないと、 もっともっともっともっともっともっともっともっともっと───。
「みんなに頼れていないのは、そらるさんも同じでしょう?」
不意に、声がした
最初は幻聴だと思ったんだ 前に聞いていた声とは違う、ひどく穏やかな声音だったから。
でも、ここには俺とベットの上で眠っているまふまふしか居ないはずで
まふまふ
顔を上げたその先には、目を開け薄く微笑んだまふまふがいた
そらる
2年前、ずっと隣にいてこれからも一緒にいると信じて疑わなった俺の唯一の相棒の姿がそこにある
柔らかく笑うその表情は、2年前と全然変わっていなかった
彼の発したたった一言で、薄暗い世界が色を取り戻し、止まっていた時間が動き出す
嗚呼、この日をどれだけ待ちわびたことだろう
言ってやりたいことも、言わなきゃいけなかったことも、たくさんあって......
目が覚めたら最初に言ってやろうと思ってたことだって、あったはずなのに
今は出てこない
だから、今思うこの場に1番ふさわしい言葉を君に贈ろう
そらる
こんばんは、雨色です
今回はいつもの作品ではなく、短編で書いてみました。いかがだったでしょうか
実はこういった作品の方が書きやすい.....
これからもちょくちょく短編を書いていくので、見てくれると嬉しいです。
そして新しくフォローして下さった かなさん ありがとうございます
そういえば、昨日投稿した作品で間違えたところがありました
たんぽぽさん、顔文字間違えてごめんなさい
反省してます...
今いいよって聞こえた。うん聞こえた。
最後に、雨色は前回寝不足だと書いてましたが、皆様からの暖かいコメントを頂き、気が楽になりました
そのおかげで今日はお昼まで寝ました←おい
実は寝ることが大好き
こんな自由で緩い雨色ですが、これからもよろしくお願いします
コメント
2件
よしハート100まで((꜆꜄ ˙꒳˙)꜆꜄꜆ポチポチポチポチポチポチポチポチ 寝る事私も大好きww寝てると気が楽になる。授業中寝てて内申点下げられた一学期でしたw←おい
え、こういう短編集も雨色音さんにかかればめっちゃ面白くできるのかぁ…(´-ω-`)ナルホド 私も寝ることが大好きで、授業中も寝て居残りにされちゃいました!(ノ≧ڡ≦)←おい