好きになったら、たぶん後悔する。
広告代理店で働く冴姫 幸兎は、静かで几帳面なデザイナー。
ある日、部署に配属された後輩・小鳥遊 優里は、明るくて人懐っこい性格。 男女問わず好かれる彼に、幸兎は次第に惹かれていく。
けれど、優里はバイセクシュアル。 冗談まじりに「先輩ってタイプかも」と言う彼の言葉に、幸兎の心は揺れる。 仕事の合間、夜の残業、ふたりきりの出張——距離が縮まるたび、 幸兎は「好き」と言えない自分に葛藤する。
そしてある雨の日、優里がぽつりとつぶやいた。 「俺、先輩のこと…もっと知りたいです」
その優しさが、幸兎には怖かった。 ——ゲイの俺に、優しさは向けちゃダメですか? 恋と仕事が交差するオフィス。 ふたりの恋が、静かに動き出す。