悠佑
ぶばっ、ごぼぼぼ…
足、つった、息がもたない。 慣れている海だからって油断した。 泳げそうにもない。終わった。
悠佑
……ぉばっ…
そんな風に思ってた時だった
りうら
……へぇ〜
下の方から声が聞こえてきて、 それから何かに掴まれた感覚がして…
悠佑
!?っがばっ…ぶっ…
りうら
ふふふ、おちついてよ
りうら
なにも殺そうとしてる
わけじゃないんだからさ
わけじゃないんだからさ
耳元で、誰かが笑っている。 酸欠で頭が回らないせいか、 考えることができない。
りうら
あっ、それより早く
地上に連れてって
あげなきゃ、だよね!
地上に連れてって
あげなきゃ、だよね!
苦しそうにしてることに 気づいたのか、否か、ソレは 俺をぐんぐんと押し上げていった
悠佑
ぶはぁっ、はぁっ、
ひゅ、はぁーっ、っはぁ
ひゅ、はぁーっ、っはぁ
俺はどうやら助かったらしい。
悠佑
ひゅぅ、はぁ、ぁ、
はぁ、っあ、はあ
はぁ、っあ、はあ
未だに荒れている呼吸をなんとかして おさめながら、俺を助けてくれたソレにお礼を言おうとした。
悠佑
ありがとう、ございま…
悠佑
す、?
りうら
いやぁ〜、
どういたしましてぇ〜
どういたしましてぇ〜
俺の目に映ったのは、人魚、だった
りうら
あれ?びっくりしてるね?
あっ、今気づいたのかぁ
あっ、今気づいたのかぁ
悠佑
…えっ、え??え??
驚きすぎて言葉も出ない。 幻覚でも見てるのかもしれない、と そんな風にも思う
りうら
…自己紹介でもしようか
僕はりうら。人魚のりうら!
君の名前は?
僕はりうら。人魚のりうら!
君の名前は?
悠佑
ゆ、悠佑……
慌てて、自分のことを人魚だという ソイツに、名を名乗った
りうら
ユウスケ!良いね!
気に入ったよ!
気に入ったよ!
悠佑
え、ええ?
その人魚は俺の手をとり、 至近距離でこう言った
りうら
僕、キミに決ーめた!
悠佑
は?
りうら
つまり〜僕の恋人に
なってよ!
なってよ!
悠佑
……は、
思考停止した後にでてきたのは この言葉だけだった
悠佑
なんでやねんッッッ!!
渾身のツッコミは海の波に 掻き消された。
to be continue……?