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朝、目を覚ました瞬間。 隣に誰かいる感覚に、 僕は一瞬だけ息を止めた。 白い天井。 カーテンの隙間から入る曇った光。 狭いベッド。 そして、 すぐ横で眠っているかやま。 僕はぼんやり天井を見る。 昨日のことが夢みたいだった。 でも、 肩へ触れている体温だけがやけに現実的だった。 かやまは静かに眠っている。 近い。 近すぎる。 僕はそっと体を離そうとした。 その瞬間。 かやまの手が、 無意識みたいに僕の服を掴んだ。 かやまは起きない。 でも、 離さない。 子供みたいだった。 僕は意味もなく喉を押さえる。 昨日から、 ずっと息がしづらい。
学校へ行く途中。 かやまは当然みたいに隣を歩いている。 僕はまだ、 かやまが何なのか分からない。 なのに。 隣にいるのが自然になり始めている自分が怖かった。
はせがわ
かやま
はせがわ
かやま
言い返せなくて、 僕は小さく笑った。 かやまも少し笑う。 その瞬間だけ、 本当にただの友達みたいだった。
昼休み
僕が購買から戻ると、 クラスが妙に騒がしかった。
たかはし
友達のたかはしが手を振る。
たかはし
教室後ろ。 かやまが窓際にたっていた かやまは静かな顔でこっちを見る。
たかはし
かやまは教室へ入ってくる。 クラスの視線が集まる。 でもかやまは気にしない。 まっすぐ結の机まで来る。 距離が近い。 僕の机へ手を置いて、 少し屈む。
かやま
声が低い。 近い。 クラスがざわつく。
かやま
周りの視線が痛い。 かやまは全然気にしていない。 たかはしがニヤつく
たかはし
教室が笑う 僕は即座に否定した。
はせがわ
でも。 かやまは笑わなかった。 ほんの一瞬だけ。 表情が消えた。 僕だけがそれに気づいた。
屋上
かやま
はせがわ
かやま
はせがわ
かやまは少し黙る
かやま
その言い方が妙に刺さる。 僕は視線を逸らした。
はせがわ
かやま
でも、 別にじゃない空気だった。 かやまの髪が揺れる。 僕はその横顔を見る。 綺麗だと思った。 その瞬間。 自分で自分に引いた。
かやま
はせがわ
かやま
僕はどうしたらいいか分からなかったから つい苦笑いした
はせがわ
かやま
僕は返事に困った。 かやまは笑っていない。 冗談でもない。 なのに、 どこか諦めたみたいな声だった。
放課後
僕はゲームセンターにいた。 たかはしたちに誘われた。 古い音楽。 煙草の匂い。 うるさい機械音。 僕は笑った ちゃんと。 普通っぽく。 でも。 視線を感じた。 振り返る。 入口の外。 かやまが立っていた。 何もせず、 ただ見ている。 僕の背筋が冷える。
たかはし
僕は何も言えない
かやまは数秒後静かに背を向けて消えた
なぜか。 置いていかれたような感覚がした。
夜
僕は結局かやまに電話をしていた
自分から。
コール音。 一回。 二回。 すぐ繋がる。
かやま
かやまの声
はせがわ
少し沈黙。 それからかやまが答える。
かやま
心臓が変な跳ね方をする。 僕は苛立ったみたいに笑う。
はせがわ
かやま
はせがわ
かやま
はせがわ
窓を開ける。 夜風。 マンション下。 街灯の下に、 かやまが立っていた。 携帯を耳に当てたまま。 僕のことを見上げている。 僕の呼吸が止まる。 かやまが電話越しに言う。
かやま
僕はようやく気づき始めた. かやまは少しおかしい。 でも。 自分ももう、 戻れなくなり始めてる。