レイ
肌が出たところから冷気が伝わり意識が浮上する
レイ
レイ
レイ
そんな小言を吐きながら横たわっていた体を起こし辺りを見渡す
レイ
薄暗く何処まで続いてるのか分からない空間にポツンとスマホが落ちていた
レイ
スマホ
レイ
スマホ
不気味に感じながらも画面を覗き込むとそこにはお義母さんの名前があった
レイ
コチラの世界に来ても、居ないはずのお義母さんの影が拭いきれなかった
事あるごとにチラつくその影に怯えて
でも、私はいつまでも引きずっていてはダメなんだ
レイ
レイ
前々から考えていた悩んでいた事に決断をし、決意した
すると自然と肩の力が抜け、鳴り響くスマホに触れた
スマホ
レイ
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
止まらないと思った怒鳴り声
それが急に止まり甘ったるい声に変わる、その声に重なるように聞こえてきたのは扉が開く音に続けて
「、、、もしかして、今レイと電話しているのかい??」
私を大切にしてくれたお義父さんの声が聞こえた
レイ
「お義母さん」
「ちょっと貸してくれ!!」
お義父さんがそう言い放つとスマホの向こうから息を呑んだ声が聞こえた
「お義母さん」
レイ
嬉しくて顔が見たくて、ビデオカメラじゃないのに画面を見た
そこには求めていた物とは違い、「お義母さん」と書かれた通話画面が映し出されていた
レイ
「お義母さん」
レイ
お義父さんの声を聞いたら決意が揺らぎそうだった
けど、良いか悪いか「お義母さん」の文字で揺らぎが収まり口を開く
レイ
私はもうこの世界で生きていくって決めたから
「お義母さん」
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
「お義母さん」
「お義母さん」
私は二人の幸せの邪魔になる。絶対に、、、。
それに先程久しぶりに聞いたお義母さんの声は、今でも憎悪を含んでいた
それでは幸せに暮らす事は出来ない。何より私は、、、
レイ
レイ
「お義母さん」
レイ
ユウやグリム、NRCのみんなと一緒にいたいから
レイ
「お義母さん」
レイ
レイ
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
レイ
「お義母さん」
「お義母さん」
レイ
これがきっと最後の電話になる。だから後悔しないように伝えたい事を伝えよう
レイ
「お義母さん」
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
「お義母さん」
レイ
電話を切ろうとした瞬間、か細い声でごめんなさいと聞こえてきた
それに返答はしなかった
ただただ頷いてそして通話は終了した
スマホ
その一言で気分が晴れていく
お義母さんの言動にこんなに振り回されていたなんて
改めて思うと苦笑が漏れた
だがその苦笑に暗い感情は一切含まれておらず、胸の辺りがぽかぽかした
スマホ
別れに思いを馳せていると視界の端から光が点滅するのを感じて視線をずらす
そこには点滅しだしたスマホがあった
レイ
そうぼやきながら画面を再び覗くと文章が書かれていた
スマホ
メモに書かれた文章を読む
下にスワイプしてもそれ以上の文字は出てこなかった
レイ
そう呟くとディアのメモはパァッと消え、私は途端に深い眠気に誘われた
閉じゆく瞼の隙間からディアの影が見えたような気がした
コメント
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続きが楽しみです!
、、、、、、、、(இДஇ )