コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『かっこいいお兄様!一緒に修行して楽しかった。可愛がってもらった!』 ーーー恋柱、甘露寺蜜璃の場合。
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
礼に始まり礼に終わる。 どんな過酷な稽古をしようとも、それは必ず行われていた。 政府非公式組織である鬼殺隊。その隊の柱に次ぐ階級の甲の隊士である煉獄杏寿郎さん。 私が鬼殺隊士になるために鍛えてくれている素敵な殿方だ。
甘露寺蜜璃
礼をした時に、少しだけ師範の動きに違和感を感じた。 稽古中、ずっとずっと目で追っている彼の姿だ。 背中だろうか?足だろうか?どこか痛むのか、動きがぎこちない。
煉獄杏寿郎
いつものように、流れるような美しい所作。 力強くて勇ましいのに、どこか品のある立ち振る舞い。 確かにいつもと同じだ、同じなのだが···
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
少し早いが休憩にしよう、そう言って木刀を置くと、家の奥へ声を掛けながら上がっていった。
煉獄杏寿郎
煉獄千寿郎
同じ姿をした、弟の千寿郎くんと一緒にお盆に山盛りと甘味を持って戻ってきて、縁側に座り三人で並んで休憩をした。
甘露寺蜜璃
煉獄千寿郎
好きなものを好きなだけ食べることが出来て、それを咎められることもなく。 常に、いつも、自分らしく。 そうでいいと、それでいいと、認めてくれた。 自分より強い殿方に出会いたいくて、添い遂げる殿方を見るけるために、鬼殺隊士になりたい。 こちらの志願理由に、一切の否定をせず、ただただ笑顔で受け入れてくれた。 尊敬するだけでは足りない、私の大切な誇り高い人。
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
こちらからの問いかけに、観念したというようなと溜息と共に口を開いた。
煉獄杏寿郎
いつもは真正面からこちらを見詰めてくる彼は、組んだ己の手を静かに見ていた。
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
ばっと立ち上がって笑顔を向け、彼の大きな手を両手で掴んだ。
甘露寺蜜璃
驚いたように見開かれた瞳。
甘露寺蜜璃
何かを言おうと口を開きかけたが、一度、一文字に閉じられて。 次に浮かんだ笑顔は、どこか悲しげで、儚いものだった。
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
師として厳しく、兄のように優しく。 そんな貴方に、私はどこまで報い、恩返しができるのだろうか。
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
ああ、何て貴方らしい言葉なのだろうと。 まるで火が灯るように、沁み渡るように、優しく包み込む。
煉獄杏寿郎
そこまで言われるとちょっと大袈裟に感じてしまうけど、師範から言われるとそれこそ本当に思えてしまう。
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
飾らず真っ直ぐな、熱い言葉、熱い想い。
煉獄杏寿郎
何度目かの打ち合いで間合いを取って、更なる大きな一撃を受けようというところで。
ぐうううう···!
大きな大きな、お腹の音が鳴った。 さすがに信じられないような気持で思わず顔を見合わせて、二人で耐え切れないように高らかに声を上げ笑った。
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
煉獄杏寿郎
まだ鬼殺隊士にもなってませんよ、と笑うと、君なら大丈夫だと頭を撫でて微笑む。
煉獄杏寿郎
甘露寺蜜璃
信じてくれた彼に、受け入れてくれた彼に、精一杯、応えたい。 私らしく、自由に。
煉獄杏寿郎
この命の限り。
・
・
・
鎹鴉
どうして貴方は、私を置いて逝ってしまったのだろう。 この世界中のどこを捜しても、貴方が居ないだなんて。 でも、頭のどこかでは分かっていたんだ。 この隊服は言わば、我々、鬼殺隊士の死装束。 背中に『滅』の字を背負うということは、鬼殺隊の信念と共に、そこへ墓標を立てることなのだ。 今度また生きて会える保証など、どこにもない。
甘露寺蜜璃
煉獄千寿郎
もう、これ以上涙が出ないのではないかと思うくらい泣いた。 でもきっと、思い出してはまた泣いてしまうだろう。
甘露寺蜜璃
呼べば笑顔が返ってくる。 元気な声で名を呼んでくれる。 どこにいても聞こえるくらい、大きな大きな声で挨拶をしてくれる。 未熟にも当たり前だと思っていた、貴方はずっと居てくれるのだと思い込んでいた。 私と私たちと···皆と、一緒に。
甘露寺蜜璃
鼓動が、蘇る。 あの日の彼の言葉が、上がる心音と共に、蘇る。
『心を燃やせ』
私はあの日、真っ直ぐな、ただただ真っ直ぐな想いと共に心に灯された。 熱い炎を、どうして忘れていたのだろうか。
『胸を張って生きろ』
下を向いてはいけない。 彼は私という存在を認めてくれた、唯一無二の存在なのだと言ってくれた。
甘露寺蜜璃
私が好きになれなかった私を、周囲に否定された私を。 あんなにもたくさん自慢だと、誇りだと言ってくれて。 ああ、どうしたら忘れられようというのだろうか。
甘露寺蜜璃
貴方が遺してくれた約束を、人を、想いの全てを、守り抜くために。
甘露寺蜜璃
だからね、師範。 いつか私もそちらに行って、また貴方に会うことが出来たら。 たくさんたくさん、褒めてくださいね。
※
※
※
【作者の呟き】 円盤鑑賞後に居ても立っても居られなく、だーっと書いた、煉獄さんと柱たちシリーズ第1弾、蜜璃ちゃん編。 炎師弟は大好きで、ご飯たくさん食べるところも、(きっと)距離感がバグってるところも可愛い··· 蜜璃ちゃんが、自分のところを「甘露寺蜜璃」と呼ぶのが好きです。