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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

体育祭の練習が始まった

それぞれの団の団長あいさつが終わって

学年別で競技の練習をすることになった

風奏

紗結〜!100m走の試走があるんだって

紗結

軽く走るだけだよね?

風奏

んー多分!あたし達も並ぼ

風奏

ねーねー先輩がさ、団服着てたじゃん?

紗結

あ、うん

紗結

ハチマキもしてたね

風奏

ね!かっこよかったぁ…

風奏ちゃんはずっと先輩を見ている

よっぽど近くで見たいのかうずうずしていた

紗結

…ねぇ風奏ちゃん

風奏

ん?

私が声をかけても返事をするだけで先輩を見てる

だから私は無意識に言ってしまった

紗結

風奏ちゃんは先輩が好き、なの?

別に今言わなくても良かった

ただ心の中でずっと思っていたこと

でも…確かめたかった

私がそう言うと、風奏ちゃんは思いっきり私の方を見た

そして照れたように顔を下に向けて…

風奏

……うん

風奏

好きだよ…

風奏ちゃんは顔を赤くして、微笑んだ

あぁ…もう、やっぱり

心のどこかでずっと否定してた

風奏ちゃんはきっと助けてくれた先輩を憧れとして好きになったんだって

でも違った

風奏ちゃんは1度自分から捨てた先輩を本当に好きになったんだ

自分から捨てたくせに…?

紗結

そっか…

風奏

うっそー!バレてた?

紗結

うん、見てたら分かるよ

そう言った瞬間、ゾムの言っていた言葉の意味が よく分かった

ゾム

「…分かるよ」

あの時のゾムの顔が忘れられない

寂しそうに、苦く笑っていたゾムの表情

今、私は同じ顔をしているだろう

紗結

…応援するよ

紗結

2人のこと、応援してる

心にも無いことを言ってしまった

風奏

えっ…ありがと紗結!

風奏

あのね、あたし今なら分かるんだ

風奏

これが恋なんだぁって

やめて

そんな幸せそうに笑わないで

自分から捨てたくせに…

風奏

でもまだ今は見てるだけでいい

風奏

きっと…告白なんてしたら先輩を傷つけるから

自分から捨てたんだから

傷つけるのは目に見えてるのに

紗結

頑張って…?

風奏

うん!!ほんと紗結って優しいよ

風奏

ありがとね、応援しててね

紗結

うん

ねぇ私いま、どんな顔してる?

笑えてる…?

体育の先生

100m走の試走するぞー

体育の先生

適当に並んでじゃんじゃん走れよ

どんなに走ってもずっと心臓あたりが痛くて

手で押えても治らないんだ

紗結

はっ…は…はぁ!

風奏

ちょ…ま、まってさ、紗結!

風奏

はや…てか何本目…!?

走っていればこの痛みも治るかな

おい…七瀬?

紗結

お前走りすぎやない?

こんな暑いのに、水分取ったか?

紗結

…ぁ…ぇっと…

紗結

今、のみま…す

無理すんなよ!

てか100m早かったなぁ〜!俺らの団も負けてらんないわ

紗結

七瀬…?

やば、頭くらくらして…

あれ…私今…歩いてるんだっけ

おい七瀬!

風奏

紗結!!危ない!

倒れる…!!

ゾム

………っと!

ゾム

あっぶねー…

…え 倒れて、ない

ゾム

せんせー七瀬さんが具合悪いんやって!

体育の先生

大丈夫か?保健委員に保健室連れていくよう伝えるぞ

ゾム

いや、俺が連れてくよ

体育の先生

でもお前保健委員じゃ…

ゾム

俺が連れてくって

体育の先生

そ、そうか…じゃあ頼んだ

紗結

ん…

柔らかい…

ベッド?

あ、そうだ…私倒れそうになって…それで

ゾム

目ぇ覚めたか?

顔がドアップに映った

紗結

ぎゃあ!!

ゾム

ん、元気そーだな

紗結

え、私倒れたよね?

ゾム

俺が運んだんよ!へへっ感謝しろよなー

紗結

え…あ…

紗結

ありがと…う

ゾム

ゾム

えっ!もっと言って!

ゾム

紗結がありがとうって言ってくれて嬉しいわ!

紗結

ちょ、調子に乗らないで!

ゾム

まぁいっときは休んどけや

ゾム

熱中症の1歩手前だったらしいで

紗結

…そうだったんだ

ゾム

俺もサーボろっと

ゾム

はぁー保健室は涼しいなぁ〜

紗結

ゾム

おっ扇風機ある!紗結も涼もうぜ

紗結

……

ゾム

…先輩に運ばれたかったか?

紗結

…え?

ゾム

ずっと浮かない顔してるし、笑ってくれへんし

ゾム

でもどんな顔してても紗結は可愛ええわ

紗結

……

紗結

なんで…そんなに、私に執着するの…?

ゾム

好きだから

ゾム

そんな理由じゃダメか?

紗結

紗結

でも好きって言われても、応えられないよ

ゾム

だから紗結が俺を選んでくれるまで頑張るで

紗結

選ばなかったら…?

ゾム

もっと頑張る!

ゾム

好きなやつ振り向かせるには頑張るしかないやろ!

あぁ…私も、私ももっと頑張れたら

ゾムみたいに好きって言ってたら

少しはこんな気持ちにならなくて済んだのかなぁ

ぎゅ…

ゾム

ぴっ

ゾム

え、え…あのー紗結ちゃん…

ゾム

こ、こここの手は…

紗結

もう少し…このまま

紗結

ほんの少しだけでいいから…握ってて欲しい

ゾム

……断らんやつはおらんよ

ゾム

ほんま好きやで紗結

紗結

……うん

こんなに言ってくれてるのに

私はまだ忘れられない

先輩への恋心を、忘れることはできない

今の私は最低なやつだ

ゾムを良いように使ってる、酷いやつ

ごめんね…ごめんね

紗結

ごめん、ごめんね…

ゾム

……

紗結

ただいま

家に帰って、返事がないということは

今日はパパは帰ってこない日だ

仕事が忙しいパパは、時々会社に寝泊まりしている

でも今日は…いてほしかった

紗結

なんでこんな時にいないの…?

紗結

パパがおかえりって言ってくれたら、全部よくなるのに…

ほんとうに?

分からない

私はどうなりたいのか 分からない

紗結

わかんないよ…

スクールバッグをソファの上に置いて

その横に座った

あぁ、ご飯も作らなきゃ

おばあちゃんのお見舞いも、しなきゃ

足が、動かない

熱中症の後遺症か何かは分からないけど

体もだるい

紗結

……

もう眠ってしまおう

今日はとても疲れたから…

目を覚ますと、ベッドにいた

すっかり朝になっていて、パパが帰ってきたのだとすぐに気づいた

コンコン…

紗結

はーい

コネシマ

おはよう紗結

コネシマ

体育祭の練習で疲れとったんやな

コネシマ

いびき鳴っとったで

紗結

えっ嘘!

コネシマ

嘘だよ

紗結

っもう!!

紗結

って…今何時?!

コネシマ

6時半

紗結

やっばー!!

紗結

パパも早く支度しなきゃ…!あーっと朝ごはんも今すぐ準備するね!

コネシマ

しなくていいよ

紗結

えっ…?でも…

コネシマ

紗結、今日はパパと出かけようや

❨wrwrd❩5歳違いのパパ【完結済み】

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コメント

1

ユーザー

神作品すぎ! ほんとこのストーリー好きです! ゾムさんまじイケメン

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