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不思議な薬

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不思議な薬

1 - 不思議な薬

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2020年11月01日

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絶対にここで打ってみせる…

健(けん)は中体連新人戦の準決勝で2アウトランナー2、3塁の場面で打席に立っていた 点数は2対0で負けており、6回の裏だ。

健は気合いの声を出し、バットを構える

っしゃこいやぁー!

ブォン!

ブン!

(なんで当たらないんだ)

(く、くそ…)

ノーボール2ストライクなのにも関わらず、健は焦ってしまいボール球に手を出し三振してしまった

なんでだよ…なんでこんな結果に…

健は豆だらけの手を見て目頭が熱くなった

蒼太

おい、何泣いてんだよ、まだ分かんねーだろ?

健の友達の蒼太(そうた)はグローブをもって健を慰めた

な、泣いてねーよ、まだ諦めてねーし

蒼太

あぁ、とりあえずここ、3人でおさえようぜ!

蒼太はサードで、健はショートだ。2人はキャッチボールをして心を落ち着かせる

相手は下位打線で、ピッチャーの涼が三者凡退におさえてくれた

ナイスピッチャーっ!

おう、サンキュ

こちらの攻撃はクリーンナップから始まり、3人で1点を得点した。

蒼太がネクストバッターサークルから離れ、打席にたつ。

蒼太

よっしゃ、俺の番か、思いっきりうってやるぜ

蒼太は初級からフルスイングし、見事にレフトの頭を超えていった。

1塁にいたキャプテン祐五郎(ゆうごろう)が、ホームベースに帰ってきて、続いて2塁にいた4番剛(つよし)が帰ってきてサヨナラ勝ちをした

チームメイトの母親が大声をあげる。

はぁ、結局俺は何も出来なかった…くそ…

おいおい泣くなよ。お前だってショートゴロ上手く裁いてただろ?

あんなのできて当たり前なんだよ!俺は何も出来なかったんだ!

あ、明日があるさ、明日決勝だし、結局今日だって結果オーライだろ?明日活躍できるように頑張ればいいさ!

…あぁ、がんばるよ…

その日の夜

はぁ、どうしようかな…

ん?なんだこれ?

健の目線の先には机の下にある1つの小さい箱があった

こんなのあったっけ?

あれ、なんか書いてるぞ?

この箱に入っているものはとても危ない薬ですが、成功すると自分の思う通りに体が動く。効果は2日続くだって?

バカバカしい…こんなの捨ててしまえ

ゴミ箱に捨てようとした健の手が、とまった

成功すると、体が思うように動く…

失敗すると、なにがあるんだ?

そんなの考えてられない!これを飲んで、明日絶対に勝つんだ!

健はそう誓うと、1錠の薬を飲み込んだ

薬を飲んでたった数十秒後、体に異変を感じた

うおぉ、なんだこれ、体が熱い、熱いぞ

ううう、溶けてしまいそうだ

健はそんな中、強い睡魔に襲われ、傍にあったベッドに横になってしまった

翌日(6:30)

んん、はぁ〜あ

健はあくびをして、昨日の出来事を思い出した。

あ、そういえば昨日、変な薬を飲んだはず、でも体に異常は無いし、昨日みたいに熱くないし、今日は行くしかないな。

そう呟いて健は急いで朝飯を終え、家を飛び出した

やばいやばい、遅れちまう、走れ走れ!

すると健の歩幅が3m以上になり、健のスピードは異常な程にはやくなった

おおお、なんだこれ、上手く体の動きをコントロールできねぇ

健は転んだ

いてて

てかおい、なんだ今の!もうこんなに進んだのか?夢でも見てるのか俺!

いや、これは夢じゃない、それだけはわかる

健は昨日の出来事を思い出した

これは、昨日の薬の効果なのか?

だとしたら…
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