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僕には好きな人がいる
華奢で、誰にでも優しくて、笑顔が誰よりも素敵で、初めて僕の演奏を褒めてくれた、そんな彼女が好きだ
彼女が花冠を作ってくれた
恥ずかしそうに僕の頭に被せてくれたときの表情が忘れられない
お世辞にも上手いとはいえなかったが、僕にはそれで十分だった
僕は彼女のことを心から愛している
ある日、彼女から報告を受けた
『私、お弟子ちゃんを持つことになったの!』
ほんのりと頬が赤くなりながら、嬉しそうに行った
その表情が残酷なほど美しかった
そんな彼女の後ろから顔を出した黒子は火を灯せと言わんばかりにキャンドルを差し出してきた
頭からつま先まで初期の服装の彼女の弟子は、『よろしくお願いします!』と挨拶をしてきた
殺意が湧いた
こんな雀に彼女を奪われるのか?
僕の居場所はどうなる?
彼女が嬉しそうな顔で何か話していたが、何も覚えていない
黒い渦が頭の中を掻き乱し、飲み込んでいった
これが僕が雀狩りをするきっかけだ
その後、僕の想像どうり彼女と過ごす時間が大幅に減った
いつどんな時にワープしても、彼女の隣には必ずあの弟子がいる
いつも仮面越しでもわかるほど申し訳なさそうな表情をするが、僕の去り際に嘲笑うような表情をしたのを見逃さなかった
そこで初めてわざと僕の邪魔をしているのだと気づいた
目眩がするほどの怒りを覚えた僕は、遂に無関係の雀を殺してしまった
だけど、全く罪悪感を感じなかった
逆に心が晴れるような快楽を感じてしまった
それからというもの、僕は目に付いた雀は隅から隅まで手に掛けるようになってしまった
1度だけあいつを殺そうかと考えたが、それだと彼女が悲しんでしまうと思い、やめた
僕はもう、立派な雀狩りへと成り下がっていた
ある日、とある雀を殺し損ねた
金色の瞳をした雀だった
あと少しというところで師匠らしき星の子に助けられてしまった
その師匠のとてつもない殺意が籠った瞳を向けられ、初めて怯んだ
これが僕が雀狩りをやめる引き金だったんだろう
そしてまたある日、1人の雀を殺した
おかっぱ頭をした目に特徴があるやつだった
そいつは他の雀とは違い、抵抗しなかった
まるで、殺されるのを望んでいるかのように
そいつが死んだ後、僕は呪われた
正確に言えば、蓄積してきた呪いが一気に溢れでたのだろう
毎晩毎晩悪夢を見るようになり、うなされるようになった
その悪夢には必ずそいつがいた
虚ろな目をしてただ見つめてくる
それが不気味でしょうがなくて、僕は許しをこうように雀狩りをやめた
僕は一体何がしたかったのか
結局、自分で自分の首を絞めていただけだった
僕はただ、君が好きなだけだったのに
彼女を通じて僕に会いたいと言うやつがいるらしい
全く心当たりがないが、特に予定もなかったからそいつに会ってみることにした
彼女に言われた場所で待っていると、1人の星の子が現れた
思わず目を見張った
そいつの頭上には
ブロックマークがあった
頭が真っ白になって動けなくなっている僕に、そいつが話しかけた
???
声を聞いても誰かわからない
ブロックした相手なんて多すぎて絞れない
???
???
こうなったらもう逃げれない
震える手でブロックを解除した瞬間、雨林の髪をした女が現れた
カニボのケープにジャグズボン、花火杖を背負っている
余計に誰かわからずに固まっていると、金色の瞳が目に入った
???
カマル
???
???
呆れた顔をした女はため息をついて、言葉を続けた
???
その言葉を聞いた瞬間、疑惑が確信に変わった
あぁ、会うべきではなかった
???
カマル
正直覚えていない
どうせ死ぬやつの名前など覚える気はなかったからだ
???
???
カマル
鈴
鈴
カマル
鈴
鈴
鈴
この前まで雀だとは思えないほどの圧力の前では『はい』以外の言葉は出てこない
カマル
鈴
鈴
鈴
背中を向けて立ち去ろうとする鈴が突然止まった
鈴
鈴
カマル
鈴
カンナ、とは僕が思いを寄せている星の子の事だ
突然のことに固まっていると、鈴が吹き出した
鈴
カマル
鈴
鈴
怪しげな笑みを浮かべる鈴を見て人生の終わりを告げられたような気がした
今度こそ立ち去ろうとする鈴を、僕は呼び止めた
カマル
鈴
明らかに不機嫌そうな顔をしている鈴に怯えるも、二度とないだろう挽回のチャンスを逃す訳にはいけなかった
カマル
カマル
鈴
カマル
カマル
鈴は少し考えた後、少し困ったような顔をして、
鈴
鈴
カマル
鈴は悩んだ後、しぶしぶOKしてくれた
会う日は後日改めて伝えられる
その日、僕は生きて帰ってこれるだろうか…
遂に、鈴の師匠に会う日がやってきた
怯えながら待っていると、鈴と黒子が現れた
カマル
カマル
???
鈴の師匠は一言も喋らずにただカマルを見つめていた
逃げ出したい気持ちを抑えながら、口を開く
カマル
???
鈴
累
その反応を見て、弟子には甘いのだろう
少しだけ緊張が解けた
カマル
累
キャンドルを灯すと峡谷のツンの髪に、その他は鈴と同じ服装の星の子が現れた
"あの時"見た顔と同じだった
カマル
累
カマル
カマル
しばらくの沈黙があった後、鈴の師匠が口を開いた
累
カマル
累
今まで固かった表情を緩め、こう口にした
累
累
累
鈴
累
鈴
鈴
累
累
カマル
カマル
カマル
累がその言葉を待っていたと言わんばかりに微笑んだ
累
累
カマル
その言葉を聞いて心の重しが降りた気がした
累
累
鈴
カマル
鈴
累
カマル
累
累
カマル
鈴
鈴が手のひらで累を呼ぶと耳元で何かを囁いた
何だか嫌な予感がする
話し終わったふたりがこちらをみて不気味な笑みを浮かべた
累
累
嫌な予感は的中したようだ
累が近づいてきて僕の背中を叩くと
累
と言った
また僕の弱みを握る人が増えてしまった