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少女は目を瞑る

第1話 - #1 色彩の塔

121

2025年02月17日

#バトル

#ドラマ

#ファンタジー

#青春恋愛

榎本くもり(旧きなこ)

……

あれ

ここはどこだろう

身に覚えのない天井

馴染みのない服

……薄暗くて

寒い部屋

文貴カオル

……っ！

がばっ……

カオルは勢いよく起き上がった

文貴カオル

……

文貴カオル

……ここは

文貴カオル

どこ……？

カツン……

文貴カオル

（誰かが）

文貴カオル

（近づいてくる……っ）

？？？

……

？？？

ああ、怯えないで

バァン

文貴カオル

！！

牢屋の扉が壊された

15歳前後かな

壊したのは、同い年くらいの男の子だ

？？？

……

文貴カオル

……何？

文貴カオル

誰……

文貴カオル

ここはどこ……！？

？？？

君、名前は言える？

文貴カオル

……文貴カオル

？？？

あー、やっぱり合ってた！

？？？

良かった……

？？？

こんな所にいちゃダメだよ

？？？

早く、外に出よっか

文貴カオル

……あ、、

文貴カオル

あなたは誰なの？

文貴カオル

ここはなんなの……！？

？？？

……

？？？

僕は「カラス」

？？？

ここは

？？？

君の自由を奪う塔だよ

文貴カオル

……！

#1 色彩の塔

文貴カオル

……どこに行くの？

文貴カオル

……なんか

文貴カオル

めっちゃ歩いたんだけど……！

カラス

それでいいんだ

カラス

君はあの場所でちょっと良くないことをされたからね

カラス

体力を使ってもらわないと困るんだ

文貴カオル

え……何それやば

文貴カオル

あの塔本当になんなの！

カラス

……まあまあ

カラス

１回休もうか

カラス

君がなんなのか詳しく確かめたい

文貴カオル

……何それ

文貴カオル

まるで私を知ってるみたいな言い方……

カラス

……

カラスは町外れのカフェに足を向けてゆく

文貴カオル

……

文貴カオル

……「コーヒーカフェ」

文貴カオル

か

文貴カオル

コーヒー……って、なんだ……っけ……

文貴カオル

なんか全然思い出せないな……

カラス

じゃあ

カラス

今から確認をしてくから

カラス

間違ってるところがあったら言ってね

文貴カオル

……はい

カラス

名前は文貴カオル

文貴カオル

……

カラス

年齢は15歳

文貴カオル

……

カラス

身長は165センチ

文貴カオル

……

カラス

体重は58キロ

文貴カオル

し、しつれー……

カラス

お住まいは新潟県仙台市

文貴カオル

……

文貴カオル

……そ、そうだった気がする

カラス

……

カラス

……君には兄と妹がいる

文貴カオル

……

文貴カオル

……そうなんだね

カラス

……

カラス

記憶が曖昧になってる？

文貴カオル

……うん

文貴カオル

これまで何してたのかがよく分からない

文貴カオル

家族の顔はうろ覚えで……

文貴カオル

私がなんなのか……

文貴カオル

まだ掴みきれてないっていうか……

カラス

そっか

カラス

……じゃあ

？？？

最後の確認ね

文貴カオル

……最後の？

カラス

君は

異能力者

文貴カオル

……！！！！

文貴カオル

……

カラス

……ピンとくることが

カラス

ある？

文貴カオル

……

文貴カオル

……いや、……分からない

文貴カオル

……私が

文貴カオル

なんなのか……！

カラス

君は異能力者

カラス

だからあの塔に閉じ込められた

カラス

悪いヤツらが君の脳を弄ったんだ

カラス

異能力者の脳として、
研究したいことがあったからだよ

文貴カオル

……ひっ、ひい……！

カラス

あのまま死んだように寝ていたら

カラス

どんどん記憶が消えていくところだったんだ

文貴カオル

……

カラス

こうやって体を動かして

カラス

少しづつ思い出してもらいたくてね

文貴カオル

……

文貴カオル

……ああ

文貴カオル

それで、たくさん歩かせたんだ……

カラス

うん

カラス

名前を忘れる段階まできたら危なかったよ！

文貴カオル

とはいえ10キロはツラいけどね！？！？

カラス

まあまあ

カラス

そのまま冷静を保って歩いてくれたらいいんだよ

文貴カオル

冷静を保つ……って

文貴カオル

10キロ冷静に歩けないでしょ

カラス

いやそういうことじゃない

カラス

突然ショッキングなことが起こると、
異能力者は

カラス

状況が飲み込めず暴走する性質があってね

カラス

……そうなったら怖いなって

カラス

ぶっちゃけヒヤヒヤしてたんだよっ！

カラス

でもこのペースならそうならなそうだし大丈夫かな

文貴カオル

暴走するって……

文貴カオル

私は化け物じゃあるまいし

お待たせしましたー

こちらアイスコーヒーふたつですねー

文貴カオル

……！

カオルとカラスの机に店員さんがくる

文貴カオル

あ……

文貴カオル

えっと……ありがとうございます！

カラス

……

カラス

……ども

ずずずず……

カラスはストローを咥えて

1口ちょびっと啜った

文貴カオル

え……すくなっ……

カオルはそう言いながら

コーヒーをごくっと飲んだ

カラス

……

カラス

じゃあ行こうか

カラス

もっと歩かないとね！

文貴カオル

えっ……まだ全然飲んでないじゃん

カラス

でも金払ったからいいじゃん

カラス

ほら行こ？

文貴カオル

え……

文貴カオル

……

文貴カオル

……

文貴カオル

……うん

何なんだろう

この恐怖心

私はこうやって歩いてるけど

歩いて

思い出していって

カラスくんは最終的に

何がしたいの？

文貴カオル

……

文貴カオル

（でもなんか）

文貴カオル

（怖くて聞けないな……）

文貴カオル

……

さらに10キロ歩いた

文貴カオル

……

文貴カオル

も、もう……

文貴カオル

ヘトヘトなんだけど……

カラス

大丈夫！

カラス

もうすぐだからさ……

ピタッ……

文貴カオル

……

カオルは立ち止まる

カラス

……！

カラス

……カオル？

文貴カオル

……

文貴カオル

何処に行くの？

カラス

……！

カラス

…………大丈夫だよカオル

カラス

俺を信じて

カラスはカオルの手を掴む

文貴カオル

……！

文貴カオル

……いや、でもっ……！

ドクン

文貴カオル

！！！！！

カラスの肌の質感

カオルをみる眼差し

なびいた髪の毛

文貴カオル

……

文貴カオル

（私）

文貴カオル

……（この人）

知ってる

パァン

文貴カオル

……！

カラス

……っ！

刹那

カラスの心臓を

銃弾が一瞬にして貫いた

文貴カオル

……！

カラス

……

カラス

……っ、、、

カラス

ドサッ……

文貴カオル

えっ……

文貴カオル

な、、、カラスくん！？！？

蓮波アズキ

触らない方がいいよ

ビクッ……

文貴カオル

何、、……！？

文貴カオル

こ

文貴カオル

今度は誰なの？

カオルの背後にいた少女

手には拳銃を持っていた

文貴カオル

……そ、それ……！

蓮波アズキ

合法だよ

蓮波アズキ

この人は犯罪者

蓮波アズキ

死ぬべき人だったんだから

文貴カオル

……

文貴カオル

何それ

文貴カオル

突然過ぎて無理！

文貴カオル

どういうこと……？！

蓮波アズキ

そりゃ混乱するよね

蓮波アズキ

大丈夫、ちゃんと説明するから

蓮波アズキ

あの塔のことも

蓮波アズキ

……あなたの異能力のことも

文貴カオル

！！

蓮波アズキ

とりあえずこの人車に入れよう

蓮波アズキ

……

蓮波アズキ

手伝って

文貴カオル

……っ

文貴カオル

……

文貴カオル

……

文貴カオル

……

文貴カオル

わ、、分かった……

これは

私が

本当の私を思い出して

自由を掴むまでのお話

少女は目を瞑る

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うおおおお！！新しいリメイクだああああ！！！

榎本くもり(旧きなこ)

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