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第13話 使用人殺人事件

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第13話 使用人殺人事件

1 - 第13話 使用人殺人事件

2018年11月28日

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山田の運転で2人は宿泊している宿の前にいた。

轟は加藤に肩を貸りて車を降りた。

山田 隆夫

轟さん、大丈夫ですか・・・?

轟 健二

さっきから執拗いぞ。見た目だけだ。

轟はそう言うが、すぐ隣で肩を貸している加藤は、今も必死に痛みを我慢している事を知っている。

山田 隆夫

はぁ。幾ら心配しても無駄ですね。

山田 隆夫

加藤さん。轟の看病頼みましたよ。

山田は加藤の目を見て言った。

加藤 恭子

えぇ、判ってますよ。山田さん。

轟 健二

俺は病人か。

山田は轟の抗議の声を聞き流した。

山田 隆夫

それじゃあ、また明日。昼頃に。

轟 健二

あぁ、判った。

山田はそのまま、車を発進させ、警察署に戻った。

加藤 恭子

それじゃあ、部屋に戻りますか。

轟 健二

・・・あぁ、頼む。

〇〇宿 203号室

轟は部屋に着くなり、ベットへと力尽きる様に倒れ込んだ。

加藤 恭子

轟さん!?

加藤はそんな轟の様子を見ると、轟は言葉を発する余裕も無くなっていた。

轟 健二

はぁはぁはぁ

轟の額からは汗が噴き出し、目は虚ろだった。

轟 健二

うっ!!!

ベットのシーツを握り、虚ろな意識の中、痛みに耐えていた。

轟 健二

ッ!きょ・・・恭子・・・ぐぅっ!!

轟は激痛に襲われながら、加藤の名前を言った。

加藤 恭子

轟さん!なんですか!

轟 健二

こ・・・こっちに・・・がぁっ!・・・きてくれ・・・ッ!

加藤は轟の言う通り、轟に近づいた。

すると轟は加藤を引っ張り、ギュッと抱き締めたのだ!

加藤 恭子

ふぇっ!轟さん!?

加藤は突如の轟の行動に混乱した。

轟 健二

ッ!

轟 健二

すまない・・・くっ!・・・しばらく・・・ッ!・・・こうさせてくれ・・・ぐっ!

加藤 恭子

轟さん・・・

加藤は轟の言葉を聞き、痛みを和らげる為だと覚った。

轟 健二

はぁはぁはぁ

荒い息は変わらないが、僅かながら、激痛に顰める顔は穏やかになっている気がした。

轟 健二

ッ!

加藤を抱き締める力が強くなった。

だが、さらに激痛の波が轟を襲う。

轟 健二

ッ!!!!!!

加藤 恭子

轟さん・・・

加藤 恭子

ん・・・んん・・・んろ・・・ん・・・んんん・・・

加藤は轟の痛みを少しでも和らげる為に、接吻をした。

しかも口内に舌を入れている。

加藤 恭子

んろ・・・ん・・・んんっ!

すると、轟も加藤の口内に舌を入れてきた。

轟 健二

んろ・・・んろ・・・んん・・・ん・・・んろ・・・

加藤 恭子

んろ・・・んろ・・・んん・・・ん・・・んろ・・・

轟は薄れゆく意識の中、加藤との密な行為を少し楽しんでいた。

それはほんの僅かだが、轟にそれだけの余裕が出来た事に他ならない。

だが、その時間は永くない。

轟 健二

ッ!

さらに押し寄せる激痛の波に轟は意識を深い波へと沈めた。

抱き締めていた腕は崩れ落ちた。

加藤 恭子

っ!轟さん!?

加藤は轟の顔を覗いた。

そこには、ひと時、背中の痛みに解放され、少し笑みを浮かべている轟が目に写った。

加藤 恭子

轟さん・・・

今度は加藤が轟をギュッと抱き締めた。

こんなになるまで、我慢しなくて良いんですよ。

私も山田さんも警視総監さんも、みんな轟を心配してるんですよ。

轟は夢を見ていた

懐かしい光景

思い出したくない過去

轟はとある病院の病室のベットにいた

病室には轟とスーツ姿の女性の2人

女性は轟に何かを言いながら頭を下げていた

それを見る轟の目は穏やかだ

女性が頭を上げると決意を決めた顔をしていた

そして一言何かを言う

その瞬間、轟の目は虚ろのものとなった

目の前の景色は捩じ曲がり、天地が逆さまに見える

鼓動は速くなり、息は苦しくなる

胸を抑える

落ち着かせる為に深呼吸をしようとするが出来ない

全身からは汗が噴き出す

体温は徐々に冷たくなる

手が震える

やがて景色は黒一色になってゆく

轟 健二

!!!

轟は夢から醒め起き上がる

轟 健二

はぁ!はぁ!はぁ!

胸を抑え呼吸は荒い。

全身からは夢同様に汗が噴き出す。

轟 健二

クッソ!

轟 健二

なんて夢だよ・・・

大きな悪態をつく。

少し呼吸が落ち着くがまだ荒い。

大きく肩で息をする。

はぁはぁはぁ

最悪な夢だな。

まるで悪夢だ・・・

轟は身体の力を抜きベットに倒れ込む。

手で眼を覆う。

手の隙間からツーと水滴が落ちる。

”1人だけ”の部屋には轟の嗚咽が響く。

轟 健二

うっ・・・うぅ・・・

手の隙間から流れる水滴は増える。

雨粒から滝へと変わる。

それと比例して嗚咽は大きくなる。

背中の痛みも忘れ、しゃっくりの様な嗚咽が部屋に反響する。

宿の温泉に居た。

脱衣場で浴衣に着替え、轟の看病の為に部屋に戻る。

加藤 恭子

轟さん。起きてるかな?

加藤 恭子

痛み引いてると良いけど・・・

部屋がある二階に続く階段の上り、少し離れた轟のいる部屋に歩く。

203号室のドアを開けようとドアノブに手を掛ける。

すると、中から何かが聴こえる。

あ、轟さん起きたのかな?

でも様子が・・・

加藤はゆっくりと音を立てない様にドアを開けた。

ドアの隙間から部屋を覗くと、そこには1人涙を流す轟がいた。

加藤 恭子

ッ!轟さん!

加藤は涙を流す轟に驚きドアを乱暴に開ける。

轟 健二

か、加藤!

轟は慌てて腕で眼を擦る。

加藤 恭子

轟さん!駄目です!

だが、すぐに加藤に止められる。

加藤の目の前には、涙を流して眼の赤い轟がいた。

轟 健二

か、加藤。どうしたんだ?

咄嗟に誤魔化そうと無理矢理、笑みを作ろうとする。

しかし表情は余計、哀しそうな顔になるだけだった。

加藤 恭子

轟さん・・・

加藤はそんな轟を起き上がらせ、優しく抱き寄せた。

轟 健二

か、加藤!

加藤 恭子

何があったかは訊きません。

加藤 恭子

でも我慢しないでください。

加藤 恭子

泣いてください。泣いて良いです・・・

加藤は優しく、とても優しく、轟の頭を撫でた。

轟 健二

・・・うっ・・・うぅうぅ

それを聞いた瞬間、涙は眼から決壊した。

轟 健二

うぅぅっ・・・

泣いても良いです。好きなだけ。

轟は暫くの間、加藤の肩で涙を流した・・・

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