FaithN

スタート！

またまた注意事項だよ〜

言わなくてもいい？流石にもう分かるでしょ

てな訳でさっさと始めたいからスタート！

いいか、と聞いている割には顔に拒否権はない、と書いてあるけど…

けれど駄目と言ったところでだ、話が長くなるだけだろうし、ここは頷く方がいいよね

その2人は僕を虐めて嘲笑っていた奴らだった

mobは僕の方をチラチラ見て話しづらそうにしている

…わざとらしい。なのに先生はあっちの意見ばかり聞いている

僕に拒否権なんて物はある筈もなく、僕はそのまま部屋を出た

ここは職員室の前だし、今は授業中

生徒はいないから話す相手もいない…てか話す相手ってラファエルだけか

待っている間暇だったので、今日帰ったら何をするか考えていた

そんな呑気に考えていたからだろうか

不意に僕の前を誰かがよぎった。リファールだった

つい気が抜けていて、いつも通りに接してしまった

昨日あれだけ拒否しておいて関係あるなんて…相変わらず自分勝手だと思った

顔に出したら駄目だ…せめて今は堪えないと…

そしてリファールが完全に通り過ぎていき、一息ついた

その時中から先生が出てきて僕を呼びにきた

そして先生達との話合いが始まった

俺は一限が体育でバスケだった為やってたんだが…

察しの通り、見事に怪我しちまって、今保健室に行っていた

が、アイツが行ってる途中にいた

そこから何やかんやあって話題が俺がどうして居るのかになった

俺としてはあんな奴にいう必要無かったし、関係ない奴に話す事じゃ無かったから、関係ないだろって言った

アイツはあっそとか皮肉とかぐちぐち言ってくるって思ってた…けど違った

関係あるって、それも真剣に俺に言ってきた

とても演技とは思えなかった。でも昨日のアイツを思い出すと嘘としか思えなかった

その後俺は吐き捨てるように色々言ったが、アイツは何も言わずにただ無言で俯いてた

そう言って俺は腕を出して水ですすいだ

水と一緒に流れる血はいつもより黒く見えた

水と一緒に流れる血は、まるで俺の心を映したように黒く見えた

あの後話をしたが、殆んどが僕が悪いって事になっていた

そして話が進行すると、僕の退学の話も出てきた

けれど、あの2人がそれを止めて、僕の事をよく見ておくと言い出した

僕は遠回しに断った…直接言っても僕の意見なんて通らないだろうしね。でも全部駄目

結局退学はなし、休み時間はあの2人に監視される羽目になった

…はぁ、僕何の為にこんな頑張ってるんだろう

それが皆んな出来る僕の唯一の事なんだから

そんなこんなでもうお昼休みになっちゃった。そしてもうすぐ…

やっぱり来た。来なくて良いって言ってるのに、来てくれる

ラファエルは優しいなぁ

ラファエル君、可哀想…

ホントにね

あんな奴なんかに構わなくても…

周囲からは相変わらず痛い視線とヒソヒソと聞こえる話が、僕に降りかかった

そして…

するとmobが僕に近づいてまた話しかけてきた

アンタらの絆ってそんなもんなんだね〜

堪えないと…立場的には僕が弱いんだから

そして僕たちは食堂に向かった

食事中

トイレに行ったアリンを追おうとするmobを制止していたラファエルだった

その後何とか吐き気が治まって、ラファエル達が居る食堂に向かい、途中で合流した

正直体調は悪いし、なんならすぐにでも帰りたかった

でも流石に授業はサボれないし、ちゃんと出る事にした

だけどラファエルが帰ってというので、保健室に行くという事で妥協してもらえた

ガラガラ

ある。なんなら倦怠感が凄いし、昨日蹴られた場所はまだ痛む

それにさっきまで治まっていた吐き気がまたきている…

すると先生は僕の方をじっと見てため息をついた

ガラガラ

そして今この場に居るのは僕だけになった

すると目の前に見覚えのある人影が出てきた

僕はビクッとして後ろを振り返る

いたのはリファールだった

動悸が治らない

それどころかどんどん早まる一方で…

…ン！

その時誰かが何か言っている声が聞こえた

ア…ン！お……下…！

それ、僕がレインに言った…

そして2人は煙のように姿を消した

アリ…！起き…下さ…！

アリン！

その瞬間一気に目が覚めた

目の前には見覚えのある天井、そしてラファエルがいた

ラファエルの隣には保健室の先生もいる

そう言ってラファエルは手を差し出してくれる

僕は立っているラファエルを押し退けて屋上へ向かった

バンッ

レイン