みんな、私がクラスに行くと関わってくれる。それはうれしいんだけど…
彩乃
(声が大きいよ…。)
クラスメイト
ねー彩乃ちゃん!!
彩乃
!?…何?
クラスメイト
転校生の話聞いた?
彩乃
転校生?
クラスメイト
柊木さん、うちのクラスに転校生が今日来るんだ。そっちに伝わらなかった?
彩乃
き、聞いてない聞いてない!また知らない人増えるの?
クラスメイト
そうなるね…彩乃ちゃん特別支援学級にいるし
クラスメイト
大丈夫だよ。きっと優しい人だからさ。
彩乃
う、うん…。
先生
おはよう、みんな。今日は転校生を紹介するよ。
暁斗
お、おはようございます…。
クラスメイト
やば、イケメンじゃない?彩乃ちゃん!
彩乃
うーん、そういうのはわかんない。
クラスメイト
え、好きなアイドルみたいな感じだよ?
彩乃
いないからさー
先生
静かに!
暁斗
中守 暁斗です。よろしくおねがいします。
彼は、誠実な人に見えた。
その時は、何も思わなかった。
クラスメイト
彩乃ちゃん、帰ろう!
彩乃
私はいいよ。
クラスメイト
うん、分かった。
彩乃
…はあ。
私は、自閉症の特徴として聴覚過敏がある。だから、人の声が大きく聞こえるため、人と帰れなかった。
暁斗
あ、柊木さんもこっちなの?
彩乃
!?う、うん…。
暁斗
柊木さん、特別支援学級の方にいるんだよね?
彩乃
もうそこまで聞いてるんだ。
暁斗
うん。そういうのは説明してくれた。人と話したり、勉強が苦手な人が行くところでしょ?
彩乃
そうだよ。今は私一人だけどね。他の人は、特別支援学校に移っていったんだー
暁斗
寂しいな。たまに遊びに行ってもいい?
彩乃
い、いいよ!私も、寂しかったから…その…うれしいから。
暁斗
ありがとう!
彩乃
そ、その…大きい声、あまり出さないでくれるとうれしい。私、耳が敏感だから…。
暁斗
あ、ごめん。分かった。