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コメント
5件

もうめっちゃおもしろかったです! ほんとに最高でした!
おぉぉぉ久々だぁぁぁぁぁ!!! そしてちょーボリューミーじゃないの!!!幸せ!!! てか語彙力上がってるよね!?
偽装彼氏 -偽装彼氏
桃赤 学生年齢
赤
桃
そう頼まれたのは
もう12月に入りかけ。
とある地方では 雪が降り始める程の季節のこと。
いきなりカフェに 呼び出されたと思ったら
唐突なお願いに拍子抜けして
思わず思考が停止する。
止まった頭を無理矢理動かし、
何とか言葉を絞り出して
会話を続ける。
桃
赤
赤の話によると
クリスマスの申し込みが多くて 断りたいらしい。
日付を見ると
丁度クリスマスの1ヶ月前。
贅沢な悩みだこと、
ぼんやりと赤の手元を眺め乍
先程運ばれてきたアイスコーヒーの ストローを持ち
意味も無く混ぜる。
からん、とこの季節には嬉しくもない
涼し気な氷の音が
沈黙の中鳴り響く。
赤
桃
正直、悪い話では無い。
密かに赤への恋心を 拗らせている俺からすれば
偽装だろうと
一緒にクリスマスを過ごせるチャンス。
ただ
一方的に恋心のある偽装彼氏、なんて
余りにも虚しくないか?
そんな理想と願望の間で思考が揺れる。
数分考えて
結局、
願望に負けてしまった。
桃
赤
頼んだ癖に大袈裟に驚かれて
少し恥ずかしくなる。
それもそうだ。
普通の人ならこんな契約、 乗る筈が無いのだから。
桃
赤
安心からか溜息混じりにそう言い
ココアを口に運ぶ様子を見て、
俺も混ぜるだけで口を付けていなかった 珈琲を口に入れる。
赤
桃
思わず咳き込み乍
大きい声を出してしまう。
とんだ爆弾発言だ。
桃
赤
赤
上目遣いでそう言われると
思わず黙ってしまう。
此奴、俺の気持ち気付いてたり..なんて
嫌に勘繰って目を逸らす。
桃
赤
赤
桃
正論すぎて反論の余地も無く、
絆されている感覚だけが残る。
これじゃあどっちが彼氏か分からない。
早くも1ヶ月に不安を覚え乍
呼び鈴を押して、店員を呼ぶ。
桃
赤
赤
そう言ってココアを一気飲みする 赤を尻目に
コートと領収書を持って立ち上がる。
桃
タイミングを逃して言えなかった 言葉を言い残して
レジで支払いを済ませた。
校門の横の壁に寄りかかり、
スマホ片手に
白い息を吐く。
結局人間、好きな人には 甘くなってしまうものだ。
制服が違うからか
少しの視線を感じ乍
スマホを触る横目で赤を探す。
....あれか?
黄色い声が上がる中に
少し赤髪が見える。
背が小さいからよく見えないな
なんて思っていたら
思いっきり目が合った。
大正解、
にしても、本当にモテる奴...
此処迄いくと羨ましいとか嫉妬を超えて
関心してしまう。
ごちゃごちゃと考え乍
特に動く事も無く
赤を眺める。
一方の赤はというと
一瞬固まったかと思ったら
隣に集まった女子を振り解いて
此方に走ってくる。
赤
桃
いきなり抱き着かれて
普段より激しいスキンシップに
首元と耳が熱くなる。
多分お誘い対策に 見せつけておきたいんだろう。
桃
それならと俺も
一応、軽く頭に手を乗せて
彼氏っぽく演じてみる。
女子からの視線が痛い。
桃
赤
逃げる様にその場を離れて
近くの人通りが少ない道に入る。
桃
赤
桃
そこで会話が途切れて
沈黙が続く。
無言の中
足音が聞こえた回数が増えるに連れて
気まずさを感じ
目的も無く
スマホでアプリを
開閉してみる。
それを何分も続けた頃、
痺れを切らしたのか
赤の方から声が掛かる。
赤
桃
思いもしなかったお誘いに
鼓動が早くなる。
家で二人きり、
なんて
気があるのか
それとも全く意識されていないのか。
..多分後者だろうな
勝手に一人で落ち込み乍も
会話を続ける。
赤
赤
桃
赤
桃
黄の存在を忘れてた。
二人きりでは無い事に
何故か安心してる自分と
がっかりしてる自分が居る。
中々複雑な気分になり乍
何年かぶりに通る住宅街を歩く。
最も、悪い気分では無い。
何分か歩いて 懐かしい感覚のする家の前に着く。
インターフォンを押す 赤の横を通り
先に玄関の前に立つと
タイミング良くドアが開いて 少しびびる。
黄
隙間から上半身だけ出ている形で
気怠げに話し掛けられて
まるでゾンビの様、
なんて本人に言ったら 怒られるから絶対に言えないけど。
久しぶりだからか
なんとなく物珍しくて ぼんやりと黄の顔を眺めていると
急に黄の顔色が代わり、
目を見開いた後
口元が緩んだのが目に付いた。
黄
桃
小走りで外に出てきた黄は
横を通り過ぎる時に 早口で素っ気なくそう言い残して
序の様に
抑えていたドアを雑に受け渡される。
多少躊躇い詰も、
とっくに俺の事なんて眼中に無い 黄を傍に どうする事もできず
言われるが儘
玄関に入る。
上がってとは言われたものの
勝手に家に入るのもどうかと思って
迷った末に
靴を脱ぐフリをして
会話に聞き耳を立てる事にした。
後ろを見ると
赤の着けたマフラーに手を置いて
愛おし気に赤を見る赤が目に入る。
昔からの事とはいえ
俺の時と余りにも対応が違いすぎて
笑えてすらきてしまう。
黄
赤
赤
黄
黄
黄
チラッと此方を見てくるので
目が合った。
勿論直ぐに逸らされたけど。
昔から薄ら思ってはいたけど
俺嫌われてんのか、?
悶々と考えて
なんとなく
黄の様子を伺い乍
会話を終えた2人に
勧められる儘
家に入る。
黄
桃
赤
黄
黄とキッチンで別れて
赤と2人 リビングで鞄を下ろし、
ソファと机の間に座る。
一息吐いた所で
何時の間にかコート姿になった
黄が紅茶を置きにきた。
黄
黄
余りにも直球な言葉を向けられ、
出されたばかりの紅茶を 吹きそうになる。
噎せそうになるのを堪えて
出掛かった息を 口に含んだ紅茶と共に どうにか飲み込む。
俺に言うのは良いとして
赤の目の前で言われるのは
流石に看過できない。
というか変に意識するから 勘弁して欲しい。
軽く上がった息を整え乍
濡れた口元を手の甲で拭って
無言で抗議の眼差しを送る。
数秒目が合った後 逸らされる。
無言が続いて 正直かなり気まづい。
少なからずそれは赤も同じだったのか
静寂を割る様に わざとらしい位冗談めいた声が上がる。
赤
赤
赤
黄
腑に落ちない様な声で答えた会話の最後
赤と視線を離して
2人の話を眺めていた俺を見てくる。
会話と反応からして
黄にはバレてるんだろうな、
流石腐っても幼なじみというか。
多少の感心を覚え乍
出掛ける背中を見送って
何故か緊張していた空気から 解放される。
思わず深い溜息を吐いて
その後
マイペースに寛ぐ赤に声を掛けた。
桃
赤
赤
桃
桃
赤
桃
良い感じってなんだ..?とは思い詰、
スマホのカメラを起動して
机の上でピースし始めた赤の人差し指に
軽く指を絡め
自分もピースをしてみる。
赤
見せられた写真は
付き合いたてのカップルの様で
中々それらしい。
その後も何枚か撮って
一息つく。
流石に恋人繋ぎをするとは思わなくて
変に精神を使った気がする。
もうすっかり冷めた紅茶を飲み乍
机の下で繋いだ感覚の残る手を
握ったり開いたりしてみる。
一方の赤は写真を見返していて
スマホに夢中。
赤がドライなのか
俺が初心なのか、
どちらにせよ
本当にどっちが彼氏か分からなくなる。
桃
赤
赤
写真のフォルダをスライドし
先程撮った写真を見て唸る赤。
変な所で拘るのは昔からの事、
といっても
この儘リードされたのでは癪に障る為
桃
桃
なんて
冗談交じりに言ってみる。
赤
桃
余りにもあっさりと決まって
拍子抜けしてしまう。
赤
桃
動揺が収まらない乍も スマホを取り出し、検索を掛け始める。
結局その後は デートの予定を立てるので 終わってしまった。
デートの約束をした日曜日。
時計を確認すると
予定の時間の15分前。
思ったより早く着いてしまった。
楽しみにしていた事がバレそうで
躊躇し乍
一度深呼吸をして
インターフォンを押す。
黄
桃
黄
あ、やべ..
デートに夢中で 思わず口が滑ってしまった。
変な汗をかき詰、
気まずい空気をとうにかしようと 話題を変えてみる。
桃
黄
桃
黄
黄
桃
過保護にも程がある
とは思い詰、声色が本気なので
絶対に言えない。
通常運転といえばそうなんだけども、
黄
桃
桃
黄
赤の事となるとやっぱり甘くなる。
次から詰められたら赤の名前出そ、
数分して
何時もより洒落込んだ赤が 慌ただしく靴を履きだす姿が目に入る。
露出の高めな服を着ている姿は
同じく黄にも見えている筈だが
もう何か言う気力すら無いのか
不満を押し殺す様な表情で
すっかり黙り込んだ黄を横目に
殺意とも取れる程の視線に耐えかねて
赤の手を引き 逃げる様に家を離れる。
赤
桃
暫くして不貞腐れた赤の声で やっと我に返り
掴んでいた手を慌てて離す。
頻りに踵を気にする赤の表情は どこか数分前に既視感があった。
申し訳なさは感じる中で
赤に文句を言うつもりは更々無いが
仮にも俺はお願いを聞いている身。
黄に関しては
少しは苦情すら言いたくなってしまう。
桃
赤
桃
桃
赤
赤にも思う所があるのか
頬を搔く仕草と共に
軽く苦笑される。
赤
やっぱり
実際付き合うとしたら
何よりも黄が面倒かもしれない。
なんて
妄想から少し胃が痛くなる。
急に黙りこくった俺を
不思議そうに覗き込む赤に ドギマギし乍も
照れを隠す様に声を挙げる。
桃
着いたのは多くの店が入る 大型のショッピングセンター。
俺も赤も事細かに予定を決める タイプでは無いので
入口の付近で
何処から行こうか、なんて話していると
早速目の前の店に
気になる物があったのか
徐に歩き出す後ろに付いて歩く。
立ち止まった店で 赤を後ろから覗き込むと
手に取っていたのは
小さい宝石の付いた シルバーのブレスレット。
横から赤の持っていた物を
手に取って見せる。
桃
赤
照れくさそうに笑ってくるのが可愛くて
桃
赤
そんな会話をし乍
近くにあった説明書きの紙を手に取る。
あれ、これ...
試しに
赤の様子を伺ってみるが
どうやら気が付いて無いらしい。
というか欲しがるのなら 気が付いて無いで欲しい。
買おうとか言い出したらどうしようか
変な冷や汗をかいていると
赤
案の定言われてしまった。
まぁ気が付かなきゃ 普通のブレスレットだしな..
迷った末に声を絞り出す。
桃
赤
赤
桃
さっき見た記憶の限り かなりの値段だった筈、
バイト代2週間分吹っ飛ぶ位には。
けどいつか役立つかもだし..
結局
色々と欲に負けてしまった。
桃
赤
赤
珍しく焦った声を出す赤を尻目に
近くに居た店員に声を掛ける。
桃
桃
赤
桃
そう言って
圧にも近いウインクをしてみせる。
これでもカッコつけたい年頃なのだ。
赤
自分で言い出した手前、 何も言えない赤を無視して
テキパキと宝石の色の指定等を始める。
ブレスレットが作り終わる迄約5時間。
夕方頃には出来上がるらしい。
一通りの注文を終えて
流石に奢らせろと言う赤の元、
少し高めのカフェに入って
時間を潰す。
特に会話もせず 互いにスマホを弄っているだけだが
何故か落ち着くのは
相性が良い、
という事だろうか。
1時間程時間を潰して
店を出た。
ここからはぶらぶらと
気が向く儘に店に入っていく。
赤が騒ぐので
全部赤の奢りで。
一通りの店を見終えると
窓の外は
もう日が暮れ掛かっていた。
流石に暇を持て余していたので
ブレスレットを受け取って
その儘帰路に着く。
俺も赤も普段運動なんかしない為
割と疲労感が体を重くさせている。
赤
桃
そんな脳を介さない会話を続けて
なんとか赤の家の前に辿り着く。
その後
黄にバレる前に
紙袋から箱を手に取り
赤を手渡す。
桃
桃
そう言って額を指で突ついてみせると
擽ったそうに少し笑い掛けられる。
赤
赤
桃
今黄に会うのは流石に怖いんでね
家に入る赤の背中を見送って
1人になった帰り道。
家に寄るのを断った後味の悪さと 変な幸福感で 感情がごちゃごちゃになり乍
なんとか家に帰り
玄関に倒れ込む。
体を起こすのが面倒で
その儘
紙袋から箱を取り出し
ブレスレットを手に取る。
桃
思わず声が出てしまった。
銀色にキラリと光る細いアーチの
内側に一瞬見えたイニシャルはR。
一応ちゃんと起き上がり、 確認してみるけど 勿論何か変わる筈も無く。
小さく色違いで付けた宝石も よく見れば綺麗な真紅色に光っている。
どうやら間違えて渡したらしい。
どうしようか、
手に取ったブレスレットを眺め乍
首を傾げる。
多分赤は気付いて無いだろうし 25日迄の後1週間は仮にも俺の彼女。
それ迄は言いたくない自分が居る。
...見なかった事にしよう。
暫く頭を悩ませた後
無言で箱にブレスレットを仕舞う。
取り敢えずあと7日は
俺の物だ。
偽装彼氏 ー偽装彼氏
力尽きました
一応続きは頭の中で完成してます それはまた気が向いた時に...