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無人島

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「無人島」のメインビジュアル

無人島

第1話 - 無人島

2023年01月14日

#ホラー

ソネミ

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ソネミ

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小角

桐谷！！

小角

返信しろ！

小角

桐谷！

小角

不在着信

不在着信

小角

不在着信

不在着信

桐谷

あ～悪いな小角……

小角

桐谷！！

小角

おいお前大丈夫か！？

桐谷

一応な…

小角

つか電話出ろよ！

小角

不在着信

不在着信

桐谷

いや待てって

小角

なんだよ！

桐谷

何か電話出来ないんだ

桐谷

メールだけしか無理っぽい

小角

は？

小角

てかお前今どこにいんだよ

小角

無事なのか？

桐谷

分からない

桐谷

ボートが波にさらわれた後

桐谷

俺ずっと南の方に流されてたらしい

桐谷

お前こそ大丈夫なん？

小角

俺は元いた場所に戻ったよ

小角

そっちはどこにいるんだ？

桐谷

ん～、

桐谷

無人島っぽい所？

小角

警察に連絡しようか？

桐谷

いや……

小角

なんだよ自分で戻ってこれるのか？

桐谷

そういう訳ではないんだけど

桐谷

何かこの島……

桐谷

すごいゆったり出来るっていうか、

小角

は？

小角

お前今自分が置かれてる状況分かってんのか！？

桐谷

分かってるよ…

桐谷

でもまだここを出たくないんだ

桐谷

キリがついたら連絡するから

桐谷

そしたら警察に電話してくれ

小角

お前正気か？

小角

仮にもお前は行方不明になってるんだぞ？

桐谷

分かってるよ

桐谷

でもまだ出たくないんだ

桐谷

頼む

小角

勝手にしろよ

小角

どうなっても知らねぇからな

桐谷

ありがとう

次の日

桐谷

歩いても歩いても人がいないなぁ

桐谷

本当に無人島なのかも…

女の子

桐谷

え？

女の子

桐谷

人！？

タッタッタッ

女の子が海辺に走って行く

桐谷

あっ待って！

女の子

女の子

え？

桐谷

やっぱり、

桐谷

本物の人間だ…

桐谷

あ、あの

桐谷

君はどこから来たの？

女の子

女の子

私、ここに住んでるの

桐谷

え？

桐谷

ここに！？

女の子

そうだよ

桐谷

でも、どうやって？

桐谷

食料とか何も無いじゃないか

女の子

あるよ

桐谷

え？どこに？

女の子

あっち

桐谷

あっち？

女の子

来て

桐谷

あっ、わわ！

女の子は俺の手を掴んで森の奥へと走って行った

女の子

ここだよ

桐谷

え？

桐谷

な、何も無いように感じるけど…

女の子

上を見て

桐谷

上？

桐谷

ん…あ！

桐谷

ぉおお！！

女の子

ヤシの実だよ

桐谷

すごいね…でも

桐谷

あんな高いところにあるのを…

桐谷

どうやって…

女の子

簡単だよ

女の子

見てて

桐谷

え？あぁ、うん

女の子

ふんっ

桐谷

え！？

桐谷

ぉおお！！

桐谷

あわわ！

桐谷

ちょっと！

桐谷

そんな高い所に登ったら危ないよ！

女の子

平気だよ

女の子

私いつもこうやって実を取ってるから

桐谷

そ、そうなんだ…

女の子

よいしょ

女の子

ふんっ

女の子

ほらっどうぞ

桐谷

あ！わ、わ

女の子

採れたてのヤシの実だよ

桐谷

でも、

桐谷

どうやって食べれば、？

女の子

そこの線に爪を入れて

桐谷

こ、こう？

女の子

そのまま親指を強く押し込んで

桐谷

ふんっ！

桐谷

ん！

桐谷

あ！！

桐谷

わ、割れた！

女の子

中の汁が美味しいんだよ

桐谷

あ、ありがとう…

桐谷

君すごいね、

女の子

そう？

女の子

普通だけどね

女の子

ていうかあなたは誰なの？

桐谷

え？

女の子

どこから来たの？

桐谷

あ、俺は桐谷…

桐谷

その、ボートで釣りをしてたら

桐谷

嵐にあっちゃって

桐谷

この島に流れ着いたっぽい…

女の子

ふ～ん

桐谷

あのさ

桐谷

君、お母さんとかはいるの？

桐谷

見た感じまだ子供っぽいけど

女の子

いるよ

桐谷

いるの！？

女の子

そんなに驚く？

女の子

私子供なんだから

女の子

普通いるよ

桐谷

あ、そーだよね、

桐谷

でもさ

桐谷

何でこんな所で生活してるの？

桐谷

ここ、何も無いのに

女の子

うん

女の子

何も無いよ

女の子

だから来たんだよ

桐谷

え？

女の子

私のお母さん

女の子

私を独り占めしたかったみたい

桐谷

独り占め？

女の子

私だってこんな何も無いところ、

女の子

最初は嫌だったよ

女の子

まぁ今も嫌だけど

桐谷

え？

女の子

私お母さんに無理やり連れて来られたから

桐谷

無理やり？

女の子

うん

女の子

無理やり…

女の子

私のお母さんね

女の子

とてもいい人だったのに

女の子

ある日急におかしくなった

女の子

仕事のストレスってお医者さんは言ってた

女の子

それからお母さんはおかしくなってったの

桐谷

え？…

女の子

お母さん、その頃から

女の子

私が誰かに取られるって思い込んだの

女の子

誰も私を奪わないのに

女の子

でもお母さんはおかしかったから

女の子

無理やり私をボートに乗せて

女の子

ここまで連れてきたの

桐谷

そ、そんな……

女の子

ここなら誰もいないでしょ

女の子

だから誰も私を奪わない

桐谷

き、君のお母さんは今どこにいるの？

女の子

ここだよ

桐谷

……え？

桐谷

そこ、何も無くない？

桐谷

ただの地面じゃん

女の子

ううん

女の子

ここにいるよ

女の子

埋まってるの

桐谷

え！？

女の子

私が埋めた

女の子

ムカついたから

女の子

でも結局馬鹿なことしちゃった

女の子

私ボート漕げないのに

女の子

お母さん殺しちゃったら

女の子

帰れないでしょ

桐谷

き、きみっ、……

女の子

最近ヤシの実ばかりで

女の子

お腹すいてるんだよね

桐谷

え？

女の子

君健康的な体してるじゃん

女の子

美味しそう

桐谷

は？

桐谷

何言ってんの？

女の子

ごめんね

女の子

全部お母さんのせいだから

桐谷

まっ、待って！！

桐谷

その木の棒は何！？

女の子

ふんっ

桐谷

ぎゃっ

桐谷

や、やめて！！

桐谷

振り回したら危ないよ！！

女の子

ふっ！

桐谷

あぎゃああああ！！！

桐谷

頭が！血、血がで出てる！

女の子

避けれないでしょ？

女の子

何年もここにいたら

女の子

動きも良くなってさ

桐谷

く、ぐふっ

桐谷

あぁぁあああ

女の子

ごめんね

女の子

ごめんなさい

女の子

私…

女の子

お腹が空いてるのよ