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母上
生和(いおり)、さぁこっちよ
生和
広いですね…母上…
母上
当たり前じゃない
母上
ここには色々なプリンセスやプリンスが集まる場所よ？
生和
見慣れないな、…
母上
見慣れないなんて言わないの
母上
貴方もそろそろ交際相手というものが必要なんだから
母上
ここでちゃんと交際相手見つけるのよ？
生和
はい…
生和の目が動いた場所には
栞鳳
母上、大丈夫ですよ
笑顔で美しい1人のプリンス。
栞鳳
ご心配なさらないで下さい
母上
そうよね、安心してるわ
母上
なるべく離れないで頂戴ね？
栞鳳
わかりましたよ
栞鳳
何かありましたら駆けつけます
母上
ありがとうね、貴方は王子なのに執事みたいなことさせちゃって…
栞鳳
全然気にしてないです
栞鳳
心配するところが母上の良い所です
母上
そう…
栞鳳
それでは…
母上
ええ…くれぐれも気をつけてね…
そんなプリンスに、 惹かれてしまった。
生和
お美しい…
母上
生和？
母上
美しいって、誰が？
生和
あ、いや…何でもございません
母上
何よ、期待したじゃない
生和
申し訳ございません…
オーナー
皆様、お食事ができあがりました
オーナー
お姫様方はこちらの席へ、
王子様方はこちらへどうぞ
王子様方はこちらへどうぞ
母上
なぁに.これは？
母上
もしかして私達は子供と一緒に居てはならないの？
オーナー
はい…大変恐縮ですが…
母上
わかりましたわ
オーナー
ありがとうございます…
オーナー
お母様、お父様はこちらへ…
オーナーが案内してくれた場所へとそれぞれ足を運ぶ
生和
………
栞鳳
ん？こんばんは
栞鳳
君が席のお隣さんだね？
生和
あっ、、はい！
栞鳳
元気よくて何よりだ
栞鳳
よろしくね？
生和
よろしくお願いします！
栞鳳
君の名前は？
生和
生和です！
栞鳳
生和…なるほど
栞鳳
俺の名前は栞鳳(しおん)
生和
栞鳳さん、！わかりました！
栞鳳
さん付けなんて堅苦しいなぁ？
栞鳳
同じプリンスなんだ、
自由に呼んでくれよ
自由に呼んでくれよ
生和
は、はい…
栞鳳
試しに呼んでみろ
生和
栞鳳…君…
栞鳳
うん、そっちの方がよっぽどいい
栞鳳
生和君は交際相手探しの為にここに？
生和
とても言いにくいことなんですが…
生和
そうです……
栞鳳
そっか
栞鳳
実は俺もでな
生和
そうなんですか！！？
栞鳳
何もそんな驚くことか？
生和
すみません…
栞鳳
気にしてない、謝んな
栞鳳
交際相手というものはなかなか見つからないものだよな
生和
はい…
栞鳳
言っちゃ悪いんだけど
栞鳳
結婚する相手も決まってない訳だよな…？
生和
はい、…
栞鳳
一目惚れっていうのかな、
生和
え…？
栞鳳
生和が好きになったみたいでな
生和
えっ…、？
栞鳳
男子と男子ではあるが、
栞鳳
付き合ってくれないか？
生和
…僕も…
生和
僕も一目惚れで栞鳳君のことを、
生和
好きになりました､､､！
生和
付き合いたい程嬉しいですが…
生和
親がなんて言うか…
栞鳳
親にお見合いする時は俺がプリンセスになるよ
栞鳳
だから俺の親の見合いの時は生和がプリンセスになってくれ
生和
つまり…
栞鳳
女装だ
生和
えぇっ！
栞鳳
付き合いたければそうしろ
栞鳳
本来同性との結婚は許されてないんだから
生和
はい…！
栞鳳
明日生和の家に行く、その時にお見合いだ
栞鳳
精一杯のプリンセスに着替えてくるよ
生和
待ってます…！
お見合い当日
生和
栞鳳君…
生和
とっても可愛いね…
2人だけ、ボソボソと喋る
栞鳳
ありがとう
栞鳳
名前もこの時だけ変えるんだ
栞鳳
栞鳳ちゃんと呼べ
生和
わかった、
母上
いい方ねぇ！
母上
とても可愛いし見る限り優しそうだわ！
母上
生和が連れてきた人なのだから、きっといい方なのね！
母上
お名前は？
栞鳳
栞鳳です
母上
趣味は？
栞鳳
お菓子作りです
母上
そう
母上
ん〜……
生和
だめ…かな…母上…？
母上
くれぐれも気をつけることね
母上
はい、いいわよ
生和
いいの！？
母上
何かあれば言ってくれたらいいから
母上
母さんはいつでも待ってる
母上
やらない後悔よりやった後悔でしょ？
生和
…うん！
生和
ありがとう、！
栞鳳家
生和
なんか…恥ずかしいな…
栞鳳
大丈夫
栞鳳
落ち着け
母上
こんにちは〜！
生和
こ、こんにちは…
母上
素敵なお嬢様ね！
母上
栞鳳が貰われていくなんて悲しい現実だけど
母上
しょうがないのよね〜…
栞鳳
まだいいとは決まってないさ
栞鳳
母上がお決めになるまで期間はある
母上
そりゃもちろんのことOKよ！？
母上
せっかく栞鳳が見つけてくれた交際相手なんだもの
母上
見捨てる訳にはいかないじゃない！
栞鳳
ってことは…
母上
付き合うのも結婚もOKよ！
母上
何でもおーけー！
栞鳳
名前も何も聞いてないのにOKなのか？
母上
ええ！大丈夫でしょう！
母上
でもたまには会いに来てよ〜？
栞鳳
それはもちろん
母上
さぁ、貴方達の家へ帰りなさい
栞鳳
ありがとう…
栞鳳
行こう
生和
そうだねっ、…
2人は無事に結婚式を終え、 優雅に暮らした。
異性じゃなくても"結婚"できる、 同性でも恋というものが"宿る"ことを 我々は深々く感じた。
この世には男性でも趣味や他のことで 女性に成り代わることをする。 そのことなどはとても悪いことではないと 思い知らせてくれた。 例えどのような恋でも、 それを恋と呼ぶ。
プリンセス王子~𝑚𝑦 𝑝𝑟𝑖𝑛𝑐𝑒~ 〜Fin〜
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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