テラーノベル
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その日の夜。
俺はベッドから抜け出して、音を立てないよう静かに玄関の扉を開けた。
涼架
涼架
涼架
涼架
あの2人とはもう二度と触れられないような気がして、胸の奥がぎゅうっと締めつけられた。
涼架
そう言い聞かせて家の外に飛び出した。
いつもランニングの途中で通る道が冷たくて寂しい。
しばらく歩いてベンチに腰を掛けてスマホを取り出し、2人に一言だけメッセージを送る。
涼架
本当はすぐにでも「助けて」って言いたい。 「怖い」って泣きつきたい。でもそんなことをしたらきっと2人はすぐに駆けつけてしまう。
涼架
どこに行けばいい? どこなら……2人を巻き込まずに済む?
家を出てからずっと歩きながら考えていた。 夜風が肌に触れるたびに背中の汗が冷えていく。
涼架
ポケットの中のスマホが震える。元貴と滉斗からメッセージが届いたのかな。でも、それを見る勇気がない。
涼架
色んなことを考えながら歩いているうちに、駅前の方まで来ていた。
涼架
駅前なら何かいい場所があるかもしれない。
見渡すと、「インターネットカフェ」の看板が目に飛び込んできた。
鍵付き個室あり、24hとでかでかと書いてある。
涼架
涼架
不安と恐怖でいっぱいだった心に微かな光が差し込んだ。
涼架
もちろん、完璧な逃げ場なんかじゃない。 だけど無防備に町をさまようよりはまだマシだ。
涼架
そう決めて、ネットカフェの扉に手をかけた。
ネットカフェの鍵付き個室に入り、やっと少しだけ息を整えられた。 でも安心はできない。 あの人の気配がすぐそばにあるような気がする。
涼架
自分が捕まることで2人が安全になるなら…。 もちろん捕まるのは怖い。でも、他に選べる道がもうなかった。
個室の狭い空間にうずくまって、小さく震える膝を抱きしめた。
涼架
願いのような祈りのような想いを胸にそっと目を閉じた。
コメント
4件
めっっっちゃ好き。2人にはバレてそうだけどw続き、無理しない程度に頑張ってください!
続きが楽しみ!