自発的に跨がり、それに流れるように腰を下ろし挿入する。
簡単に入るようになってしまった事実に驚くこともなくなった。
それほど私はいつまでもあの現実を受け入れる作業を続けているのだろうか。
腰を動かすとベッドが静かに軋む。
それが何処とない不気味さを醸し出している。
イギリス
不快感を誤魔化すように媚びた声を吐き出す。
この行為から解放されればどれだけ楽になれるのだろう。
それでもこんな吐き気がすることをしないと不安に駆られてしまう。
本当に気持ち悪くて仕方ない。
だが自ら望んでしていることだからもう何も怖くない。
イギリス
屈辱的な言葉を、再演のように自ら進んで口にする。
眼前の男は父親ではないと、否定するように気管が絞まる感覚が襲った。
イギリス
それでも傷口を掻くように何度も呟く。
どうせすべて壊されるのなら、受け入れて自分から壊れた方が楽なのだろう。
自分からしているのだから、もう怖くないし辛くない。
嫌悪感と空虚感の中の僅かな安心感に耽る。
もう私はあの塗炭のような苦しみを味わうことはない。
私はこの行為をコントロールできているのだ。
そうでなくてもそう思わなければ私は生きていけない。
イギリス
体温が上がり仄かに汗が滲んでいる。
もう血も流れないし、止めどなく涙が溢れることもない。
それだけのことでも、それが私にとっては重要だった。
ふと貴方の様子を伺う。
見ると興奮気味に細めた目が此方を捕らえていた。
瞬間的に、逃げられないのだと感じ背筋が凍る。
確かに感じた恐怖を誤魔化すように目を逸らすと、急に抱き寄せられた。
あくまでも主導権は此方にあるというように、貴方は微笑している。
イギリス
血の気が引く感覚と異様に激しい心臓の拍動が、分離しているようで気分が悪い。
私はただ苦痛を忘れたいだけなのに。
もう大丈夫だと思いたいだけなのに。
それすら許してもらえない。
貴方は苦しむ私を見て楽しんでいるのだろう。
歯向かうことなどできない。
何をされるかわからない。
視線を逸らすことすらできずに、貴方の上で硬直する。
此方を見つめる瞳には、見るに堪えないほど惨めな自分の姿が映っていた。
終
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マジで、イングランド、許さないから...( º言º)