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雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
あれから一年たった。
正直もう少年は生きてないと思う。
だってあいつらはきっと人殺しを許しはしないだろうから。 自分たちだってしてるくせに、、、!
でも、もう大丈夫だよ、、、。ゾム。あいつらを俺がこの手で殺してやるから。
、、、そういや何で俺はこんなに命を懸けられる程むきになってんだろ。 …あぁ、そうか。俺と似た境遇だったからなんだろうな。きっと親近感がわいたんだ。
そんなことを考えながら、俺は年に一度の入隊試験に向かった。
軍の前には入隊希望の人間であふれていた。
なぜこんな軍に入りたいのか理解が出来ない。いっそのことここにいる全員を殺してやりたいと思った。
でも今暴動を起こせば入隊できないだろうから、今は感情を抑えておく。
暫くするとやっと2人の人間が前に立って話し始めた。
コネシマ
何やこいつうるさいなと思っていると、
ショッピ
と、まともそうなやつが一人、そいつに殺意を向けた。まぁじゃれあいやろうけど。
コネシマ
コネシマ
コネシマ
コネシマ
がっはっは!と笑うそいつ。本当にだるい。なんで俺がこんな奴らと一緒に、、、とは思うものの、これも全部ゾムのため。と俺は我慢することにした。そう考えているとそいつが
コネシマ
と言った。もちろん俺は手を上げた。その瞬間周りの目がこちらに向く。すると
コネシマ
と、そいつが言った。そして俺は
ロボロ
そう聞いた。その瞬間、あたりがざわついて、幹部も驚いた表情をしていた。そしてこう答えた。
コネシマ
そう言うとそいつは耳に手をあてて、誰かと会話をしているようだった。 そしてしばらくすると、
コネシマ
と言った。なるほど、そうくるか。ならこちらも手を抜かせていただこう。ここで手を抜かなくてもいいと言えば、あんな奴らの事だ、反逆罪になるかもしれない。
ロボロ
正直手なんて抜かれなくてもよかった。でもそっちが1/10で来るのなら、俺は1/1000で挑もうじゃないか。
そして壇上の上にいたそいつは壇上から降りてきて、少し俺と距離をとると、もう一人の幹部にスタートの合図を頼んだ。
ショッピ
スタート
その言葉を聞くと同時に、そいつは俺の前から姿を消した。
かなりの強者なのだろうが、そんなの俺に通用するわけないだろう。
そう考えながら地を蹴り宙へ舞う、その瞬間俺のいた場所の地面にひびが入る。
コネシマ
話す暇があれば攻撃すればええのに、そう思い俺は、そいつの首に手を当てて
ロボロ
そういい、手をスッとおろした。周りはざわついていて、幹部自体も目を見開いていた。しばらくすると
コネシマ
ショッピ
と、言われた。こんな奴らから祝福されたって、何一つ嬉しくないが
ロボロ
とだけ言っておく。するとまた耳に手を当て、話し始め、話が終わると
コネシマ
それだけ言い、一つ星のやつらであろう返事を聞いてから
コネシマ
と言って、どこかへ向かっていった。
ついた部屋にはいろんな奴がいた。
多分13人。何人かは興味の目をこちらに向けていて何人かは俺を見定める目をしている。そして一人、ゾムに似た格好の奴がいた。そいつは下を向いていた。
その瞬間俺の頭に一つの言葉が思い浮かんだ。
ふざけるな
なんだその恰好は、ゾムそっくりじゃないか。ゾムはもう死んだ。だからこそうざったい、そんなはずないのに、まるでこの軍の奴らが俺に見せつけてきているみたいで、イライラする。
でもなんとか抑える。もう少しの我慢なんだ。
そんなことを考えているうちに話が進んでいたらしく、俺の自己紹介をするらしい。だが俺は自己紹介はしなかった代わりにあの時ゾムを連れ攫ったやつの一人にナイフをあてがった。
周りの総統!という声を聞く限り当たりくじのようだった。
だが俺からすればなぜこんな奴のために俺に殺意をむき出しにしているのかわからなかった。だからついに俺は怒りをあらわにしてその場で叫んだ。
ロボロ
ロボロ
トントン
と、そいつが気付いたかの様子でそう言った。もう、今更遅いけどな、、、w 謝ったって許しはしない!
まさかあの時あの少年と一緒にいた奴だとは思わなかった。確かに今見れば特徴的な瞳の色もあの時と同じだ。
トントン
そう聞くと、そいつは
ロボロ
怒りも悲しみもすべて含まれた声でそう言った。そして俺が真実を伝えようとした瞬間、
???
今まで、入隊してから総統命令でさえも声も発さず顔だって見せなかったそいつが、自らの意思で声を発し、顔をあげて叫んだ。
初めは見ていなくて気付かなかった。声を聞いたときはもしかして、と思ったが期待するのが怖くて知らぬふりをした。
次に俺の名前が出たとき、もしかしてと思って顔を上げると紛れもなくそこにいるのはあいつだった。でもその目は虚ろでハイライトのない目だった。
そしてどうやら俺が死んだと勘違いして、あんなに怒っているらしい。ここで俺は生きていると明かせば止まるのだろうか、それとも生きているのに知らせもせずこんなことになってしまった事を怒るだろうか。
それとも、俺を殺しに来るのだろうか。
分からない。でももし、あいつがここで総統を殺すのをやめたら?もしかしたらあいつは処刑されるのかもしれない。それくらいなら、いっそ総統を殺した方があいつは生きられるかもしれない。俺はいつだってあいつの味方だから。
俺は思考を巡らせた。でも考えれば考えるほど、これ以上あいつの悲しんでいる顔を見たくなくて、気付けば、体が、口が、勝手に動いていた。
やめろ!確かにそう叫んだそいつは、俺の探し求めた存在だった。自分の目に光が戻っていくのが分かった。
そしてそいつは俺に飛んで抱きついてきた。本当なら耐えられる力だったが俺も嬉しくて気が抜けていたのだろう。そのまま後ろに倒れ込んでしまう。
ロボロ
頬が自然と緩んで、嬉しさがこみあげてきて目から雫が零れ落ちる。ゾムも同じようで暫く俺たちは、そのままの格好だった。
でもしばらくすると、満足したのかゾムが離れていった。少し長かった気がする。という予想は的中。床に長時間転がっていた体はすごく痛かった。でもゾムのためならこんなの造作もない。
そして俺は表情を変えてこう言った
ロボロ
ゾムは嫌そうな顔をして何かを言おうとしたがその前に総統がゾムを手招きし、何かささやいていた。
残酷だな、ゾムから刑を言い渡させる気か。まぁいいか。なんでも受けると言ったのはほかでもないこの俺なんだから。
そしてしばらくすると、ゾムはぱぁっとした顔で帰って来て、総統がこういった
グルッペン
そう、総統が言うと、ゾムが
ゾム
そういった。一瞬俺の思考が固まる。
ロボロ
ゾム
とゾムが言ってきた。あぁ、そうか。そう言う事か。この軍は思ったよりいい軍なんかもな。でも、恨んでへんわけちゃう。だから許しはしないけど今度は心の奥底から
グルッペン
その言葉に
ロボロ
そう、感謝した。
グルッペン
そういう風に自己紹介が続いていき、ついに俺の番だ。
ロボロ
そう言うと、ゾムはまた嬉しそうににぱぁとした。
トントン
それを聞き、俺は少しうれしくて頬が緩む。
トントン
ロボロ
と言って。幹部の方をキッと睨む。因みにゾムは俺の膝の上にちょこんとのっている。そしてキッと睨まれたことで理解したのか
グルッペン
といった。その言葉を聞いて俺は話し出した。
俺は、とある貧しい家に生まれた。その家ではこんな奇怪な目を持つ俺は忌み子としてぞんざいな扱いを受けた。
暴力、悪口、親のストレス発散元として生活するのは普通だった。そのうちご飯も床に落とされたものを食えだの、水は雨が降ったら飲めば?だの、俺は生きることも難しかった。
そんなとある日、限界を迎えたんやろうな。俺は目の前にあった肉を食べてしもたんや。満腹でそのまま寝てしもて、朝起きた瞬間、昨日何の肉かもわからへん奴を食べたことに気付いて、焦ったんよ。
でもすぐに俺は目の前の尋常じゃないほどの血を見て理解したよ。それから俺は最後の生きる手段だった家族もいなくなって、途方に彷徨って、いきついたのがスラム街やった。
そこでは人を殺せば殺すほど、自分が有利になる世界で、俺はどんどん殺して、強くなっていった。もちろん金品も盗んだし、その金でどんどんなりあがっていって、やっと普通の生活を手に入れた。
そう思っとったのに、結局俺はこの目のせいでうまくいかへんかった。その時知ったよ。この目が堕天使の力を持つ奴にしか現れへん目の色なんやって。どうやら俺の目は「ルシファー」の目らしい。
金だけまき取られて、またスラム戻り。また俺は無残にも殺戮を繰り返したけど、もう何にも感じへんかった。そんな俺をあいつらはやっぱり「スラムのルシファー」と呼んだ。
もうどうでも良かったけど金だけ集めて、次は騙されないようにこっちの世界で生き続けた。そこでたまたま俺は、ゾムを見つけたんや。正直初めは昔の自分に重ねて情けをかけていたと思う。
でも、関わればかかわるほど、ゾムはゾムで、俺の大事な家族のような存在で。そんなところに赤い目をした軍の奴らが来て、ゾムだけ連れ去っていったんや。
そんでゾムは人を殺して生活してたから、処刑されたのかと思って赤い目の男二人に憎悪を抱いて殺そうとした。
ロボロ
幹部であるそいつらは、約束通りただただ黙っていた。
ただ一人、ゾムだけが
ゾム
そう泣いていた。
ロボロ
俺がそう言うと素直にゾムは「うん」と言って。涙をぬぐった。
ロボロ
グルッペン
ロボロ
そう、俺が呟くと
グルッペン
ロボロ
トントン
ロボロ
ゾム
と、華麗にスルーされる。あれから1年。俺達はだんだんこの軍に慣れて来た。でもゾムの定位置は俺の膝の上みたいですごく足が痛い。 、、、地味に食べづらいし。
ロボロ
ゾム
その瞬間俺は静かにキレる。
ロボロ
ゾム
落ち込んだ後、ゾムは隣の席に座った。
それはゾムと俺が素敵な仲間に出会うまでのお話。
3歳児とか5歳児とか多いけど、それでもきっと世界で一番仲のいい軍である。
あ、そうそう。俺達の初期人狼組の名前の由来ねんけど、俺は堕天使「ルシファー」でゾムは第一階級の「バルベリト」の瞳を持っているらしい。
俺らは二人とも人のようで実は牙をむく狼(まぁちゃうけど) だからこそ、二人で人狼なんだ。そう、おれ達がこの軍で初めての人狼 だから、俺たちは初期人狼なんだ。