白立田寛平
うわ。大きな熊だね。俺と同じくらい背がありそう
彼らの前には約体長一メートル八十センチの熊が居た
熊は牙を剥き威嚇していた
光崎史雪人
(暇なら修行に付き合えと飯沢さんに言われたけど...まさか熊をやっつけるのが修行?)
飯沢乱丸
良い獲物だぜ!早速闘うぞ
光崎史雪人
(凄くどうでもいい修行...)
白立田寛平
熊なんて刀でやっつけれるじゃない?
飯沢乱丸
アホ!刀じゃなくて素手に決まってんだろ!
飯沢は二刀を地面へ捨てるように置き、腕まくりをした
白立田寛平
うーん...君がいけても俺らは無理かな
飯沢乱丸
気合いだ!!
白立田寛平
気合いで死んだら元も子もないよ
飯沢乱丸
んだよ....ビビリのお前らに見せてやんよ!こうやってな!
飯沢は助走をつけて走り、熊の腹部に向かって勢いよく蹴り飛ばそうとしたが...
熊は彼の足を悠々に掴み、森の方へ投げ飛ばした
光崎史雪人
あ...
白立田寛平
結末を二度見た気分だ。大丈夫かな
興奮した熊は残った二人に向かって二足歩行で走る
二人は刀を構えようとした時に
飯沢乱丸
うりゃあああああーー!!
森から出てきた飯沢は飛び、熊の頭部を蹴った
その衝撃で熊は横倒れる
飯沢乱丸
見たかァ?!俺の力を!!
白立田寛平
凄いねと言いたいところだが、吐血に全身血塗れじゃないか...
光崎史雪人
(飯沢さんは目付き怖いから...血のせいでより狂気的になっている...)
飯沢乱丸
おい!俺の飯が逃げたぞ!!
白立田寛平
やめときなよ。君、結構傷だらけだよ
飯沢乱丸
大丈夫だっつの!追いかけるぞ!
白立田寛平
これは命令だよ
穏やかだった白立田が、少し低い声を発した
それに飯沢と光崎史は緊張の趣を見せる
白立田寛平
強い人間は客観的なんだよ。傷だらけで闘うのは愚かな人間がする事
飯沢乱丸
...しゃーねーな。リーダーの指示には従う
光崎史雪人
(白立田さんが怒ってるのは珍しい)
白立田寛平
素直でよろしい。二人はほんと良い子だね。強叉だといつもごちゃつくから大変でさ
白立田は白い布を飯沢に渡すと、飯沢は布で顔と体の血を拭く
飯沢乱丸
ごちゃつく?
白立田寛平
毎回殺されそうになるんだよね。ヒートアップするから、つい俺も本気になってね〜。よく死人が出るんだよ。不慮の事故扱いにしてるからそんなには問題にならないけどね
光崎史雪人
(巻き添え食らった剣士が少し可哀想だな...いや弱いせいだからか)
白立田寛平
どうしたら仲良く会話が出来るのかね
飯沢乱丸
同族嫌悪があるからじゃね?
白立田寛平
あるんだろうねー。育ちは違えど、親殺しの仲ってあるとは思うんだけどね
飯沢乱丸
(どんな仲だよ...)
光崎史雪人
(権堂さんはサイコだけど白立田さんは無意識なサイコぽい...。それが素敵だ)
白立田寛平
とりあえず乱丸の処置をしないとね。次の仕事に粗が出ちゃうよ
飯沢乱丸
良いってこれぐらい。唾つけとけば治る
白立田寛平
命令違反するの?拷問罪だよー
飯沢乱丸
...さり気なくこえー奴だな...