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藤澤涼架side.
夜が過ぎ、朝がやってきた
昨日の夜、元貴をそのままにして帰るわけにはいかないので
僕はそのまま元貴の家に泊まることになった
元貴はあのあと吐き疲れたのか
僕の上で寝てしまった
そして今は朝の六時半
元貴は僕が待っているリビングに足を運んで
膝の上に乗ってきた
ryok.
mtk.
寝起きでぽやぽやしている目
寝癖がついた髪の毛
いつも通りぷるぷるの唇
真っ白で薄い体躯
オーバードーズをやり始めてから、
元貴はまた一段と痩せた
ryok.
mtk.
ryok.
mtk.
ryok.
mtk.
元貴は僕の胸を叩くと大声を張り上げた
でもそれに怯んでいては駄目だ
ここ三日で元貴はまたやせ細り、
スタッフさんからも若井からも心配されている
そりゃそうか
ここのところ薬しか飲まずにまともなご飯を食べていないのだから
せめて。栄養だけでも摂ってくれれば
このままじゃ、元貴が死んじゃう
ryok.
元貴はいきなり立ち上がった
元貴は僕が腕を掴む前に身を捩って
僕から遠ざかった
すると元貴は薬の棚の方に移動した
何をしているのか、と僕が立ち上がる
すると元貴は 「くるな!」 と大きな声で叫んだ
ryok.
mtk.
元貴は手に錠剤を沢山取り出した
元貴の小さい手に入りきれなかった錠剤が元貴の手から落ちていく
mtk.
元貴は振り返って少しだけ笑った
唇が歪んで歪な笑顔が出来上がる
元貴の手に収まって瓶はビタミン剤の瓶
また飲んでしまったら。 また沢山飲んでしまったら。
元貴はどうなってしまうのだろう
ryok.
僕は考えるより先に体を動かして元貴に近づく
元貴の手の錠剤をはたき落として瓶を奪う
mtk.
ryok.
mtk.
元貴は幼子のように泣きながら僕に叫んだ
でも僕はこの瓶を返さない
薬だって絶対に拾わせない
今の元貴の必要なのは、薬じゃない
ryok.
mtk.
ryok.
元貴はその言葉を聞くと俯いた
今日はこれからスケジュールがパンパンに詰まっている
どれも大事で大切な収録や打ち合わせだ
当然、それはミセスのフロントマンが必要不可欠で
元貴が何も食べなかったら倒れる可能性もある
それに
もし倒れてしまったとして
一番自分を責めるのは、元貴だから
それでまた薬にせがむ
薬に縋って、薬でなんとかしようとする
ねえ、いつになったらやめてくれる?
いつになったら前みたいに笑ってくれる?
ねえ、
僕は、いつまで
元貴を支えなきゃ?
毎日薬を買って帰ってさ
薬を飲んだ元貴の吐く手伝いをして
僕は、なんなんだ
ryok.
mtk.
なんでここまで食事を拒むのだろう
なんでここまで薬に頼るんだろう
ねえ、
mtk.
そう、元貴はぽつ、と呟いた
ryok.
ryok.
僕がそういうと、元貴は顔色を変えた
mtk.
mtk.
ねえ、
いつから、
こうなったんだろう
こんにちは 前回♡1800ありがとうございます
そしてアンケート、ありがとうございます。 投票の結果、感想に対するいいねの数で、 これに決まりましたが。 明日はちゃんと『喋れない〜』投稿しますから。 楽しみにしてください
この作品も♡&💬よろしくお願いします
それではまた
コメント
5件
う、やばいね……やっぱこの作品好みすぎる……どの作品も大好きだけどね。大森さんの薬をやめたくてもやめられない中毒感が大好きだし、涼ちゃんのいつまで経っても直らない苦しみみたいなのがすごくいい、……チャットの書き方うますぎないか…??教えてほしーい、……
この希望の光が全く無い雰囲気、最高…!涼ちゃんも何かしらのきっかけで、後戻りできないことをしそうで怖い😱でも、楽しみに待ってる自分もいる((