れん
今日は憧れの高校の入学式
れん
ちょっと迷いながらもなんとか学校に到着
れん
「うっわぁすごい綺麗な先輩がいる...!」
れん
俺は先輩に一目惚れした
野々宮 桜
......
れん
俺は先輩のことをずっと考えて新しい担任の話を聞き流す
れん
「それにしても先輩可愛かったなぁ...」
れん
先輩の名前はなんだろう...と考えている内に、あっという間に帰宅する時間になっていた
れん
学校から家への帰路の途中で先輩を見かけた
れん
「せん...ぱい」
野々宮 桜
「? どうしたの?」
野々宮 桜
「...ネクタイの色からして1年生かしら」
れん
「はい 1年の一ノ瀬れんです」
野々宮 桜
「れんくんね よろしく」
野々宮 桜
「で、私に何か用?」
れん
「あっえっと...名前をおしえてもらってもいいですか...」
野々宮 桜
「なんだ、そんなこと?」
野々宮 桜
「私の名前は野々宮桜。何故名前を聞きたかったのか教えてほしいけど私これから用事があるから帰るわね」
れん
「ありがとうございました!」
れん
と、頭を下げ、桜先輩は帰って行った
れん
「野々宮桜先輩...か...」
れん
小さく呟き、僕も帰路をたどった
次の日
れん
昼休み、僕は図書室で部活決めをしていた
れん
「うう...なににしよっかな...」
野々宮 桜
「あ、れんくん。」
れん
こんにちは、と挨拶をし、桜先輩が僕の目の前の席に座る
野々宮 桜
「何をしてるの?」
れん
「あ、ちょっと部活決めを...」
野々宮 桜
「あぁ...なるほどね...」
野々宮 桜
「なにか希望はあるの?」
れん
「いや、とくにないんですけど...」
野々宮 桜
「そうなの?」
れん
「はい、桜先輩は何部に入っているんですか?」
野々宮 桜
「私は美術に入っているわ」
れん
そうなんですか...と呟いて、会話は終了した が
野々宮 桜
「まぁ帰宅部でもいいと思うけどね、やっぱ自分のことだし、じっくり考えた方がいいわ」
れん
「はい」
野々宮 桜
「それじゃあね」
れん
「はい、さようなら」
れん
むしろ先輩のいる、美術部に乗り込もうとしたが、勇気がなかったからやめた
れん
「はぁ...先輩可愛かったな...」
れん
こんなことを時々話していくうちに、僕と先輩の距離はだんだん近づいていった
れん
そして、1番近しい人となったのだ
3週間後
れん
今日も先輩と帰っていたとき、突然先輩が
野々宮 桜
「今度の日曜日、どこかにでかけない?」
れん
「えっ...どこに...?」
野々宮 桜
「そうね...遊園地とかどうかしら」
れん
「行きたいです!!」
れん
即答した
れん
先輩から誘われるのが何より嬉しかった
野々宮 桜
「じゃあ決まりね」
日曜日
れん
遊園地に来た僕らはジェットコースターやら観覧車やらいろいろな乗り物に乗った
れん
遊園地の帰り道
野々宮 桜
「楽しかったわね」
れん
「はい!」
れん
「...ジェットコースターの時の悲鳴がすごかったですね...w」
野々宮 桜
「忘れてちょうだい」
れん
「一生頭にへばりついてるかもしれないです」
れん
そういって2人でくすくすと笑った
野々宮 桜
「じゃあ...帰りましょうか」
れん
「はい」
れん
その時、桜先輩はすごく悲しそうな顔をした
れん
僕は口が勝手に動き、言葉をつむいでいた
れん
「好きです先輩」
れん
「入学式の日から、あなたを見た瞬間、すごく好きになりました」
れん
道のど真ん中で、通行者に見られても気にしなかった
れん
なにか胸騒ぎがした先輩をこのまま帰していいのか...と
れん
「だから、先輩。付き合ってください」
野々宮 桜
「...」
れん
先輩は何故か泣き始めたのだ
野々宮 桜
「ありがとう、すっごく嬉しい」
野々宮 桜
「でもね、ダメなんだ私と付き合ったとしても二人とも悲しむから」
野々宮 桜
「だから、さようなら」
れん
そういって、桜先輩は、走り出した
れん
でも僕は追わなかった
れん
振られた悲しみからか、なぜ悲しむのかをのしえてくれなかったからか...どちらかは分からない
れん
先輩に振られてからは、時があっという間に過ぎていった
れん
親戚が死んだらしい
れん
その親戚とは時々話していたが、涙は出なかった
れん
周りは泣いていたが、僕だけ泣いていないのは場違いだったため、その場を離れた
れん
「...お墓か...」
れん
振られてからというもの、先輩は学校にも来ていなかった
れん
もしかしたら...と思い、お墓を見に行く
れん
見ていくと、見覚えのある名前が
野々宮 桜
れん
「うそ...だろ...?」
れん
そのとき、僕の携帯がなった
れん
「...メール...?」
れん
メールは桜先輩から来ていた
れん
「...な...んでっ」
れん
ボイスメッセージだった
れん
音量をあげて聞いてみる 懐かしくて、久しぶりに聞いた声だった
野々宮 桜
あ、あ、こんにちは?
野々宮 桜
こんばんは、はないか
野々宮 桜
れんくん、お墓、見ちゃったんだね
野々宮 桜
お母さんに頼んだの。この人がお墓を見てしまったら送ってって
野々宮 桜
とまぁこの話は置いておいて、
野々宮 桜
遊園地...誘ったでしょ?
野々宮 桜
その前日に余命1ヶ月って言われちゃったの!もうそりゃビックリでねー
野々宮 桜
もともと体が弱かった私は病弱だったの
野々宮 桜
で、この病気になっちゃったんだ
野々宮 桜
それでね、帰りに告られるなんて思ってもいなかったの!
野々宮 桜
そう...だからビックリしちゃってさ
野々宮 桜
でも私は1ヶ月して生きれない
野々宮 桜
私が死んでもれんくんは悲しむでしょ?
野々宮 桜
そして何より私も辛い
野々宮 桜
でもすっごく嬉しかったの!
野々宮 桜
ありがとうね
野々宮 桜
じゃあ告白された時の本当の気持ちを話すね
野々宮 桜
れんくん、ありがとう
野々宮 桜
ほんとは私も大好きだった
野々宮 桜
れんくんと同じだった
野々宮 桜
私も入学式の時にれんくんを見つけてね?
野々宮 桜
一目惚れだった
野々宮 桜
見た瞬間大好きになった
野々宮 桜
だから告白されてすっごく嬉しかった
野々宮 桜
本当は付き合いたかったけどね
野々宮 桜
でも!私はもう大丈夫だから!
野々宮 桜
友達も作って、
野々宮 桜
恋愛...もして れんくんをとられるのはちょっといい気分じゃないけど...ね
野々宮 桜
だから、私の分まで生きて
野々宮 桜
私はれんくんのことを見てるから
野々宮 桜
胸を張って生きなさい
野々宮 桜
じゃあ、そろそろ終わるね
野々宮 桜
最後になっちゃうけど大好きだからね
野々宮 桜
これは...なんて言ったらいいんだろう....「最初で最後の愛の言葉」
野々宮 桜
だね
れん
といってメッセージは終わった
れん
「先輩...僕も大好きです...」
れん
ぽたぽたと墓に涙がこぼれ落ちる
れん
もう我慢ができなかった
れん
「さようなら、先輩...」