僕がそっと屋上の様子を伺うと血だらけの桃くんと
バットを持ったヤンキーがいた。
青
…は?
青
… スッ (扉を開け桃のところへ行こうとする
橙
っ、!(青の腕を掴む
青
…なんで、なんで止めるの?
橙
相手はバットやで!?あの桃ちゃんがやられてるんやッ…!
橙
怖くないんか…!?
橙
今出たら、桃ちゃんも青も両方…ッ。
青
…僕だって、怖い。
青
でも桃くんが死んじゃう方がもっと怖い
青
それに夏祭りの約束もしてるからね
橙
…ッ、はぁほんまバカップルやな。(腕を離す
橙
でも…何があっても死んだらあかんで
青
あったりまえ!
橙
じゃあ先生と、桃くん助けるために人呼んでくる!
青
まかせた
青
…、ふー
ガチャ
ヤンチー
…あ?
桃
…ッッッッッ!?
桃
あ、おなんでここに…ッ!!
ヤンチー
“青” ? あー、なるほどな
ヤンチー
やっと見つけた。
青
…見つけた?
ヤンチー
あゝ、そうさ元凶をやっとな
青
元凶…?
ヤンチー
そうだ、桃がこうなったのも今からお前が死ぬのも全部お前のせいだ!
青
は…?何言って、
ヤンチー
こっちのセリフだ!!!
青
ビクッ
ヤンチー
桃は俺の光だった!誰よりも輝いて!かっこよくて!強くてッ!
ヤンチー
それじゃあ今はこんなざまだ!お前のせいで!
お前のせいでッ!!
ヤンチー
ガッ(青を殴ろうとする
バコンッ ゴッ
桃
あ“ い“ってぇ…
ヤンチー
…なんでッッ、庇うんだよ。
桃
…お前、青を殴ろうとしたな、?
桃
ガッ (ヤンチ〜に殴りかかる
青
桃くん!
青
だめ…殴っちゃだめだよ
桃
…っで、
桃
なんで止めるのッ!!
桃
青は殴られそうになって!
桃
こいつ青のこと殺そうとしたのに!
桃
なんで殴っちゃいけないんだよ!!
桃
なんで青はそんなに自分を大事にしないの!?
桃
ふざけんな!!
青
…
俺が言い放った酷い言葉を聞いた彼は
驚いたような、切ないような、そんな表情を見せた
桃
…っあ、ごめ…
桃
俺八つ当たりして、ごめ…
怖い、
怖い
怖い
あおに、大好きな子に嫌われたかもしれない。
そう思うと痛いとか寒いとか怒りとかそういう感情が全部「怖い」に書き換えられた。
桃
ごめん、
桃
ごめん、ごめんなさい
ぎゅッ
桃
…え
青
ごめんね殴っちゃいけないって言って
青
桃くん僕のこと大好きだもんね
青
そりゃ怒るよね、(はは
理解できなかった。あんなに酷いことを言ったのに、
自分が抱きしめられているなんて
俺を抱きしめる手が暖かくて、それが懐かしくって、涙がたまる感じがした。
青
殴っちゃいけないっていうのはね
青
あいつが可哀想とか暴力反対とかじゃなくって、
青
桃くんが心配だからなんだ。
桃
俺が殴るのに…?
青
うん
青
だって
青
優しい桃くんにとっては、体は痛くなくたって心が痛いでしょ?
青
拳も割と痛いしね、?
青
それに!そんな血だらけじゃ戦うに戦えないよ(ふふ
青
だから、ね?あとは任せて寝てな…?
桃
…(目輝
桃
そうだね、おやすみ…青
青
うんおやすみ
そう言った後の君の顔や声、雰囲気はもう一生忘れられないくらい
珍しく圧があって、瞳に色がなくて、眩しくて
かっこよかった。