AM.6:32
式神家のリビング
式神秋斗
グツグツと音を響かせ お湯が沸騰する…
式神秋斗
あらかじめ昆布と煮干しで 出汁をとっているお湯に 赤味噌と白味噌を程よくお湯に溶かしキュウリのぶつ切りを投入する
式神秋斗
式神秋斗は出来立ての白米を2人分の 茶碗に盛りテーブルに置く
式神秋斗
キュウリの味噌汁は 煮込み過ぎない事がポイントである そうする事で程よい食感と 味噌汁の味を楽しめるのである
キィ…
式神瀧の部屋の扉が開く
式神瀧
式神秋斗
匂いにつられて兄貴が 部屋から出てきた
式神瀧
式神秋斗
式神瀧
兄貴は心底嬉しそうに 席へと座る
式神瀧
式神秋斗
食事の支度を済ませたオレは テーブルに料理を並べ そのまま席に着く
式神瀧
式神秋斗
オレと兄貴はゆったりと 朝ご飯にありつく
式神瀧
美味しそうに次から次へと 料理をパクパクと口に運ぶ
式神秋斗
式神瀧
式神秋斗
式神瀧
兄貴は自炊が下手なのである 洗濯の洗剤の分量を間違えたり 料理を失敗して鍋を駄目にしたり…
唯一好物の生ラーメンだけは まともに作れる… だけどそれが限界のようだ
以前 蕎麦やうどんを作って貰ったが 麺が伸びまくりで腰のない これはまた独特な料理になっていた
式神秋斗
式神瀧
式神秋斗
式神瀧
会話が弾みながら食べる食事 食卓ってのはこうあるべきだと 式神秋斗は思う
そして 食事が終わる頃には 7時30分が過ぎていた
学園へ向かうバスまでは 大体10分… バスに乗って学園までが 15分くらい そろそろ行かなければ 間に合わないかもしれない
式神秋斗は支度を済ませて 弁当箱を2つ用意する
式神秋斗
式神瀧
式神瀧
お弁当を渡したオレは もう一つの弁当箱をカバンに仕舞い 玄関へと向かう
式神秋斗
式神瀧
式神瀧
式神秋斗
一時の別れを済ませ 少し足速に家を出る
小走りでバス停へと向かう秋斗 人が列を作りバス停に並ぶ姿が見えた
…よかった バスはまだ来ていないようだ 転校したばかりでいきなり 遅刻とか格好がつかないからな
コロンコロン…
小走りで走るオレの足元に 丸い何かが転がって来た
式神秋斗
オレはとっさにソレを避ける
式神秋斗
秋斗は丸い何かを拾い上げた
式神秋斗
ソレは丸くて艶やかな 紅く熟した とても美味しそうな林檎であった リンゴ…?? 何でこんなところに林檎が?
おーい!
式神秋斗
若い男の声が必死にそうに 式神秋斗を呼び止める
疾風字颯
膨らむカバンを両手で抱えて 走って来る男 カバンの隙間からは林檎らしき 物体が顔を覗かせる…
式神秋斗
気のせいではない… やはり林檎だ え?なんでカバンに 溢れる程の林檎が?
とりあえず拾った林檎を 少年に渡そう
式神秋斗
疾風字颯
少年は嬉しそう 式神秋斗の手から林檎を 受け取った
疾風字颯
式神秋斗
制服を見る限り同じ 学生のようだけど… うん この子からおバカの香りがするな
疾風字颯
君の名前は?と言う前に 学園行きのバスが到着した
疾風字颯
式神秋斗
言葉を待たずにバスへと 駆け出すハヤテ 式神秋斗は騒がしい彼を見送る…
式神秋斗
急ぎバスへと駆け寄り なんとか乗り込む事が出来た…
人が多い…
ニュースやドラマ等でよく観る 満員バスとかいうやつを 実際に体感している
こ…コレはヒドイ… 何がヒドイかというと 頭部がバーコードのオッサンの 頭が丁度オレの鼻をかすめるのだ
少ない毛根がフサフサとバスの振動で 靡く様を見せつけられる 薄らとオッサンの頭部に 式神秋斗の引きつった顔が映っている
式神秋斗
将来の不安を考えさせられながら デュナミス学園へと バスは到着するのだった
バスを降りたオレはピィンを起動させ 時間を確認する
8:23
バスに乗っても時間ギリギリだな… 予鈴まであと数分… 余裕は持てそうにない
そう心配する式神秋斗を横切る 学園の生徒達 すると後ろから声をかけられる
近藤十四
近藤十四
式神秋斗
オレはとりあえず 急いで教室へと向かう
急いで靴を履き替える最中… 隣の席の美人さんと顔が合う
式神秋斗
名前はなんだったかな…
椎名凛
自分の名前をボソっと呟く椎名凛 挨拶した方がいいよな
式神秋斗
椎名凛
え?それだけ!? と思う式神秋斗 椎名凛は興味なさげに秋斗を尻目に 教室へと向かって行った
式神秋斗
しょぼんとした気分になる だけど時間は待ってはくれない… 式神秋斗は椎名凛に続き 急ぎ教室へと向かう
予鈴が鳴る前になんとか 教室へと到着できた
教室に入るなり 赤毛の女子生徒に声をかけられる
柊凪朱華
式神秋斗
姫咲鈴
式神秋斗
教室入り挨拶をしつつ 自分の席へと座る
すると聴き覚えのある声が 式神秋斗に語りかける
疾風字颯
式神秋斗
疾風字颯
ハヤテは林檎?を 式神秋斗の掌の上に乗せた おや? なんか違和感が…
林檎をよく見ると… あるべきソレが無かった
式神秋斗
疾風字颯
式神秋斗
近藤十四
式神秋斗
近藤十四
式神秋斗
近藤十四
トモミ先生の話では 男子生徒に何か問題があるって 聞いていたけど… とてもじゃないがそうは見えないな
疾風字颯
近藤十四
疾風字颯
近藤十四
疾風字颯
集会?なんのことだろう? 2人の話に割って入るべきか…?
柊凪朱華
近藤十四
疾風字颯
柊凪朱華
近藤十四
疾風字颯
柊凪朱華
おいおい… なんだか穏やかじゃないな… 集会ってのも気になるけど アスカさん… 泣きそうじゃないか
3人の会話に割って入ろうとする前に 姫咲鈴が声をあげる
姫咲鈴
疾風字颯
近藤十四
柊凪朱華
姫咲鈴
柊凪朱華
ガラン
そうこうしている間に 瀬戸川智美先生が教室へと現れる
瀬戸川智美
朝の朝礼が始まろうとしている最中 数名の男子生徒が教室を出ようとする
瀬戸川智美
近藤十四
疾風字颯
柊凪朱華
疾風字颯
瀬戸川智美
疾風字颯
柊凪朱華
近藤十四と疾風字颯は 教室から出て行く姿を 眺めていた式神秋斗
式神秋斗
授業が始まる前に ハヤテとトシと数名の男子は トモミ先生の静止も虚しく 教室を出て行った
周りの生徒も あんまり気にしていない様子だ どうやら今ではコレが普通化して いるのだろうか?
柊凪朱華
式神秋斗
1限目の先生がトモミ先生と 入れ替わるように教室へと入って来る
去り際の瀬戸川智美先生の顔が 悲しげだったのを式神秋斗は 見逃せなかった…
式神秋斗
そう自分に言い聞かせるように 小言で呟いた
椎名凛
授業を一通り済ませ 昼休みの時間に飲み物を買いに 購買へと向かう秋斗
その道中 疾風字颯と近藤十四の姿が見える
どうやら2人は 何かを話しているようだが…?
とりあえず怪しまれないように 歩く速度をやや落とし 聞き耳を立てて通り過ぎよう
疾風字颯
近藤十四
近藤十四
疾風字颯
疾風字颯
近藤十四
近藤十四
気づかれたか? 仕方ない… 声をかけてみるか
式神秋斗
疾風字颯
式神秋斗
近藤十四
ヒイナギ…? ああ… アスカさんの事か この反応… アスカさんを避けているのか?
近藤十四
式神秋斗
近藤十四
式神秋斗
近藤十四
近藤十四
疾風字颯
式神秋斗
式神秋斗
近藤十四
疾風字颯
式神秋斗
「じゃあな」と別れを告げ2人は 階段を上がって行った
式神秋斗
式神秋斗はとりあえず購買部へと 向かうことにした
………
……
そこには ほぼ全てが売り切れになっている 購買の姿があった…
式神秋斗
既に休み時間も終わろうとしている 外にまで買い物する時間はない…
式神秋斗は大人しく 教室へと戻り弁当を食べる事にした
式神秋斗
…………
……
バスを降りて帰宅する秋斗
式神秋斗
式神秋斗
放置すべき そう呟くと同時に 脳裏に浮かぶ柊凪朱華と瀬戸川智美の 哀しげな顔…
悩んでるオレに 聞き覚えのある声が 式神秋斗に向けられ語りかけられる
式神瀧
式神秋斗
式神瀧
式神瀧
式神秋斗
オレと兄貴は帰宅路にあるスーパーに赴く事にした
式神瀧
式神秋斗
兄貴は何かを悟ったのか その顔は真剣さがあった…
式神瀧
式神瀧
式神瀧
式神瀧
式神秋斗
兄貴はこれでも パンドラカンパニーの 私服警備員だ そしてクロコ姉さんは パンドラカンパニーの研究社員…
さらに言うと デュナミス学園は パンドラカンパニーの傘下にあり それなりの融通が効くのである
式神秋斗
ところで何食べたい? と聞かれたのでカレーと答えた
つづけ!
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