葵波翠璃
有給消化をして出勤した今日。
先日の事をナオミちゃんに 相談した手前、
乱歩さんと顔を合わせるのを 勝手に気まずく感じながらも、
事務所の扉を開いた。
すると、1番奥の何時もの 席から立ち上がった乱歩さんが、
小走りで駆け寄ってきた。
其の予想外の行動に 少し身構える。
葵波翠璃
江戸川乱歩
斜め下を向きながら ポツリと云う乱歩さん。
江戸川乱歩
そう手を差し出され 私も手を出すと、
渡されたのはポップな柄の 包装紙に包まれたキャンディ。
葵波翠璃
これは…私に くれるという事だろうか。
葵波翠璃
恐る恐る聞く。
江戸川乱歩
口を尖らせながら そっぽを向く乱歩さん。
彼の耳は何故か ほんのり赤かった。
葵波翠璃
乱歩さんの素直な一面を見て、
思わず笑みがこぼれる。
葵波翠璃
私は微笑んで そうお礼を口にした。
少し、 ほんの少しだけだけど、
乱歩さんとの心の距離が 近付いた気がした。
コメント
10件
尊い、✨ てまりさんは、本当に 凄すぎます!✨