乱歩さんと仲直りして数日。
今日は乱歩さんから 珍しい提案を持ちかけられた。
江戸川乱歩
ねえ、今日の仕事着いて来てくれない?
葵波翠璃
え、私ですか?
江戸川乱歩
君以外に誰がいるのさ
「僕、電車の乗り方 分からないから」。
そう云って席に座っていた 私の右手を掴むと、
立ち上がらせて 扉まで引っ張る乱歩さん。
確かに何時も外での仕事の時は 誰かが着いて行くけど、
私が指名されたのは 初めてだった。
葵波翠璃
( 珍しい事もあるんだなぁ )
呑気にそう思いながら、
乱歩さんに連れられるがまま 会社を後にした。
🍬🍬🍬
江戸川乱歩
はあ、終わった
江戸川乱歩
今回もつまらない簡単な事件だったね
葵波翠璃
お疲れ様です
葵波翠璃
流石ですね
事件を解決して事情聴取やら 犯人に自白させるやらで
時間を食ってしまい、 すっかり夕暮れ時。
乱歩さんの3歩ほど後ろで 社に戻る道を歩く。
江戸川乱歩
そうだ、少し甘味処に寄って行かない?
葵波翠璃
良いですよ
葵波翠璃
お腹空いちゃいました?
江戸川乱歩
そんなとこ
「さ、行こ」 と私の手を引く。
今日の乱歩さんは 動きが妙に忙しない。
乱歩さんと2人で食事なんて もちろん初めてなわけで。
葵波翠璃
( 少し緊張… )
若干の不安を抱きつつも 乱歩さんに着いて歩いた。







