テラーノベル
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____まだ、らんが『先生』と呼ばれる前の話。
幼いらんは、白い部屋の中にいた。
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目の前には何もない。
白い壁。
白い天井。
白いベッド。
窓すらない。
ただ、機械の小さな音だけが響いている。
研究員
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研究員
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研究員
らんは小さく頷いた。
何度も聞いた言葉だった。
「すぐ終わる」
「治療だから。」
「大丈夫だから」
いつも同じ。
何が大丈夫なのかなんて、幼いらんにはわからなかった。
扉が開く。
そこから、まだ幼いすちが入ってきた。
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らんは少しだけ笑った。
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その日から、時々すちはらんのいる部屋へ足を運ぶようになった。
検査の記録をとる。
数値を書く。
薬の名前を覚える。
研究員たちの指示を聞く。
すちにとっては、それが「勉強」だった。
けれど、らんにとってそれが、毎日の生活だった。
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すちは答えられなかった。
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小さな約束。
けれど、その約束が叶うまでには、何年もかかった。
そして現在。
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中庭のベンチに一人で座っていた。
目の前には、勿忘草。
らんはその花を見つめる。
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風が吹く。
小さな花が揺れる。
その時、背後から声がした。
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すちが隣に座る。
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二人の間に静かな時間が流れる。
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すちは答えなかった。
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その言葉が、静かな中庭に落ちる。
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らんは勿忘草へ目を戻す。
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らんは拳を握った。
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その声には、幼い頃にはなかった強さがあった。
けれど_____
病院の奥では、別の計画が進んでいた。
研究員
研究員
研究員
その言葉に、別の研究員が資料を閉じる。
研究員
研究員
研究員
机の上には一枚の資料。
『被験者:#400220』
その横には、赤い文字で書かれていた。
『研究区域への移動準備』
そしてその日の夜。
らんの端末に、一通の通知が届く。
『明日、被験者# 400220を研究区域へ移動する』
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画面を見つめたまま、らんの顔から血の気が引いていく。
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その通知を送ったのは_______
すちだった。
コメント
2件

え、 翠くんが…….ᐣ.ᐣ 紫せんせ~はどうなっちゃうんだろう、 続き楽しみです.ᐟ
➰ ✿ nrkr
32
りおん
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みかんのかんずめ
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