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私の可愛いオバケくん

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私の可愛いオバケくん

4 - 私の可愛いオバケくん 第4話

♥

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2019年09月19日

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小嶽涼

それって…

小嶽涼

僕のこと?

春風花純

他に誰がいるの?

小嶽涼

ありがとう…

春風花純

(あっ…嬉しそうに笑った…)

春風花純

(こっちが照れちゃいそう…)

春風花純

やめてよ

春風花純

お礼言われることじゃないから

小嶽涼

でも、気持ちはちゃんと伝えておきたいから

春風花純

(今度は真剣な顔して…)

春風花純

(男っぽいところもあるんだ…)

春風花純

ねえ、LIMEのID教えて

小嶽涼

え…

春風花純

いいでしょ?友達なんだから

小嶽涼

あ…うん、いいよ

春風花純

何か連絡する時もあるかもだから

春風花純

小嶽も、遠慮なく連絡してね

小嶽涼

…………!?

春風花純

もう、くん付けしなくていいよね

春風花純

友達なんだから

春風花純

私のことも春風って、呼び捨てでいいよ

小嶽涼

うん…

小嶽涼

でも…僕はまだ春風さんでいいかな…

小嶽涼

そのうち…そう呼べるようになったらでいい?

春風花純

いいけど

春風花純

そんな気にしないで、呼んじゃっていいからね

小嶽涼

うん、わかった…

小嶽涼

そうさせてもらう…

春風花純

(あれ?顔が赤くなってる…)

春風花純

(なんか…可愛い…)

春風花純

(この顔を知ってるの、私だけなんだよな…)

翌日・体育館

若月絢音

花純ちゃん!危ないっ!

春風花純

あっ!

相手のアタックしたボールが肩に当たって、 私はバランスを崩して転倒してしまった。

春風花純

くっ…うっ…痛っ…

若月絢音

大丈夫?

春風花純

うん…

春風花純

ちょっと手首をひねったかも

春風花純

でも、平気だよ

若月絢音

ダメだよ

若月絢音

念のため、保健室へ行こう

春風花純

そんな、大げさだって

若月絢音

そんなことないよ!

若月絢音

ほら、早く

クラスメイト男子1

おい、見てみろよ

クラスメイト男子1

春風、体育のバレーボールで怪我したんだって

小嶽涼

…………!!

クラスメイト女子

そうそう!

クラスメイト女子

ボールが体に当たって転んだんだよ

クラスメイト男子1

それで手首ひねって怪我したらしい

クラスメイト男子1

やっぱり、小嶽の呪い…じゃね?

春風花純

…………

クラスメイト女子

きゃー!

クラスメイト女子

やめてよ、怖いから

若月絢音

花純ちゃん?大丈夫?

春風花純

うん、全然

春風花純

あんな奴らのことなんて気にしてないから

若月絢音

そんなことないと思うけど…

春風花純

ん?

若月絢音

ほんとに、気をつけてね

春風花純

当たり前でしょ!

春風花純

たまたまボールが当たってバランス崩しちゃっただけだから

春風花純

絢音だって見てたでしょ?

若月絢音

そうだけど…

小嶽涼

…………

春風花純

(あっ…小嶽、こっち見てる!)

春風花純

(気にしてるんだろうな…)

春風花純

ごめん、絢音…

若月絢音

え?

春風花純

ちょっと行ってくるね

若月絢音

ああ…うん

春風花純

ねえ

小嶽涼

…………

春風花純

(俯いちゃった…)

春風花純

気にすることないからね

春風花純

たまたまなんだから

春風花純

面白がって騒いでる連中なんて放っておけばいいんだから

春風花純

気にしちゃダメだよ

小嶽涼

…………

春風花純

ねえ?聞いてる?

小嶽涼

もう…僕に構わないで

髪の毛の向こうから、真剣な目をして彼が言う。

春風花純

え?

小嶽涼

これ以上…

小嶽涼

僕に関わらないほうがいい

春風花純

小嶽…

春風花純

どうしたの?

それから、私が何を言っても、

彼は答えなかった。

その日の夜

春風花純

ねえ

春風花純

どうしてあんなこと言ったの?

春風花純

また自分でも呪いがあるんじゃないかって思ってるの?

春風花純

ちょっと!返事しなよ!

春風花純

そうやってまた一人になるつもり?

翌日

春風花純

ねえ!

春風花純

昨日は返事もよこさないし…

春風花純

ほんとに、どういうつもり?

小嶽涼

…………

春風花純

そうやって、ずっと無視するの?

春風花純

ちょっと!こっち見なよ!

小嶽涼

本当に…

春風花純

なに?

小嶽涼

もう僕に構わないで

小嶽涼

そのほうが、春風さんのためだから…

春風花純

私のためって…

春風花純

そんなの勝手に決めないでくれる

クラスメイト男子1

おー!なんだ、仲間割れか!

クラスメイト女子

えー!なになに?

クラスメイト女子

喧嘩してんの?

小嶽涼

…………

クラスメイト男子2

オバケも喧嘩すんのか!

春風花純

うるさい!!

若月絢音

…………!!

私が怒鳴ると、教室の中がシーンと静まり返った。

クラスメイト男子1

おー、怖っ!

クラスメイト女子

なに、あの態度…

みんなが私のことを見ているのがわかった。

春風花純

(──なんなの…?)

若月絢音

もうオバケと関わらないほうがいいよ

若月絢音

このままだと、花純ちゃんも誰からも話しかけられなくなっちゃうよ

春風花純

絢音も?

若月絢音

え?

春風花純

絢音も私と口をきかなくなるってこと?

私は小学生の時のことを思い出して、 きっと絢音もそうなるんだろうと思った。

若月絢音

花純ちゃん…

春風花純

いいよ、無理して私と話すことないよ

若月絢音

どうして…そんなこと…

若月絢音

私は…ただ…

悲しそうな顔をして私に背を向けて行ってしまった絢音を見て、胸が痛んだ。

春風花純

(なんで、あんなことを言っちゃったんだろ…)

春風花純

(絢音はいつもそばにいてくれたのに…)

春風花純

(本当に小嶽と付き合わないほうがいいのかな…)
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