君が居たから、私は。

えと先輩、過去になんかあった？

……バレた？嘘……

待って、集中できない……

私……ちゃんと偽れてなかった？ でも……Aちゃんには何も…

『過去に、何かあった？』

謝っても、指示通りにしても、 私は暴力を振られ傷が増えるばかり。

中学からだった。 私が気に食わないって。 少し人と離れたところから、いじめを受けていた。

それをお母さんは、心配してくれた。

でも駄目だ。お母さんは、今一番忙しい時期。私なんかに構ってちゃ、駄目なんだ。

ここから。ここから私は、 いじめを受けないように。 お母さんに心配させないように。

みんなに意見を合わせ、『偽物』を創った。

……なんで？ なんで今……ゆあんくんに？

なんで……後輩に……仲間に……

　俺は、えと先輩のことが好きだ。

みんなに優しく、存在が太陽のような人。

でも俺は、あの人の裏の顔を知っている。

1人になった後ろ姿が、とても痛そうで。普段からの生活も、何か溜め込んでそうで。

俺が、あの人の支えになってあげたいと思った。

せめて俺だけでも、あの人が楽で居られる存在になりたかった。

でも、最近は________

廊下で会ってもすぐ走り出しちゃうし、

毎日帰りに誘っても、断られることが多い。

どうしよ。やらかしたかな……

今は3年のうりと、じゃぱぱに恋愛相談をしている所……と言うか、させられているところ。

俺そんなアピールわかりやすかった？

壁に背中をもたれて、上を見る。

そればかり、考えていた。

ゆあんくん、ごめんだけど

俺も本気で奪いに行く