事実はBL漫画より奇なり

ー放課後

○○県 ○○市駅前

駅を出て すぐに大きく伸びをした

椛音の話を無視して、歩き出す こいつは、説教し出すとめんどくせぇから

「いらっしゃいませー！」

入店したと同時に、そんな声が俺たちを出迎えた

椛音から逃げる様に 文具のエリヤまで移動する道中

スラリの背のでかいが、不健康そうなマスクをした学生が俺の横を足早に通り過ぎた

慌てた様子で 追いかけてきた椛音

馬鹿にしてきた椛音に 回し蹴りをした

椛音に腕をかけて ぐいっと寄せた

漫画のある方で しゃがみ じっと漫画を見ているさっきの奴を指さし、椛音に聞いてみた

椛音の指摘した通り そいつは俺らと 同じ制服を着ていた

ヴー、ヴー、

椛音のスマートフォンが振動し出した

椛音は顔の前で 右手を立て会釈すると、外へ出ていった

変なチャレンジ精神が湧くが そんなこと思う暇もなく

なんとあっちから 話し掛けてきたのだった

黒いマスクをつけ、前髪も長く 顔がほとんど見えないが、矢張り不健康そうだということはわかった

咄嗟に返事し、そのまま会話を続ける

ドサッ…

衝撃の一言に 持っていたノート、シャー芯、参考書を一気に落とした

表情をひとつも崩さずに 淡々と返事をする 目の前の奴に 気のせいか頭が痛くなってきた