「蝋燭の火ってさ」
「ゆらゆら揺れたりさ」
「真っ直ぐに伸びたりさ」
「淡い色してて素敵よね」
「でも、すぐ消えちゃうよね」
ゆり
おはよう
たいき
おはよ
ゆり
今日お出かけしよう
たいき
ごめん、今日用事があるんだ
ゆり
そっかー
ゆり
じゃあ、また今度行こうね
たいき
うん、ごめんよ
ゆり
大丈夫だよ!
ゆり
気をつけて行ってきてね
たいき
ゆりもな?
ゆり
うん!
ゆり
はぁ
ゆり
たいきくん、どんな用事があるんだろう
ゆり
私もお出かけしたかったのになぁ
ゆり
あ!飛行機雲だー
ゆり
素敵だなぁ
キキィー
ドカッ
ゴロゴロ
ピーポー
ピーポー
ピーポー
たいき
ハァハァ
ガラガラ
たいき
ゆり!!
ゆり
あ、たいきくんだー
たいき
大丈夫かよ、お前
ゆり
大丈夫だよー
たいき
なんで、どうしたらこんな姿になるんだよ
ゆり
お出かけしてたら、飛行機雲見つけてさ
ゆり
見てたら道路でちゃって
たいき
ばかだな
たいき
気をつけろって言ったのに
ゆり
ごめんね
たいき
無事ならいいんだ
ゆり
蝋燭ある?
たいき
何言ってるんだよ
ゆり
いいから、蝋燭持ってきて
たいき
いいのか?
ゆり
うん
ゆり
お願い
たいき
わかった
ゆり
火付けて
たいき
わかった
ゆり
たいきくんそばに来て
たいき
うん
ゆり
私はこの蝋燭が消えたら死にます
たいき
何言ってるんだよ
ゆり
もう、疲れちゃったから
ゆり
たいきくんにこの良さを伝えたくて
たいき
え、?
たいき
蝋燭の?
ゆり
そう、
ゆり
ゆらゆら揺れたり、真っ直ぐ大きくなったり
ゆり
まるでさ
ゆり
心の動きみたいじゃない?
たいき
まぁ、確かに
火が消えかけた頃
ゆりが急変した
最後の一言は
「たいきくん蝋燭買っておいてね」






