朝。 カーテンから漏れる光の強さで、 いつもより遅く目覚めたことを知る。
18号
(……頭痛い)
18号
(それにちょっと熱っぽいかも……)
18号
(風邪なんて滅多にひかないのに…)
最悪の目覚めにうんざりしながら、 私は熱でぼーっとする頭に ある人物を思い描いていた。
18号
まちこ……
思わず口にしてしまったのは、 今1番会いたい人の名前。
東京に引っ越してきたから 会おうと思えばいつでも会えるのだが お互い忙しいのと 私が素直になれないせいでなかなか会う機会がない。
18号
はぁ……
18号
(まちこ、今何してるんだろう)
徐々に体温が上がってきていることを感じながら 私はスマホを手に取る。
熱のせいか…。 いつもなら「会いたい」と打っても消してしまう文字を そのまま送信してしまいそうになった。
18号
あぶな……
18号
でも……会いたいな。
弱った体に心も釣られたのだろうか。 「会いたい」という文字を消した私は、 その指で通話マークを押してしまった……。