主
さつき(ママ☆)
主
さつき(ママ☆)
主
さつき(ママ☆)
主
主
さつき(ママ☆)
主
さつき(ママ☆)
主
今日も、これといった変化はなく、 結局また下校時間。今回は一言も喋らなかった。
こさめに謝らなければーとは思いつつ話しかけられず そんな自分が嫌いになっていく。
しかし、何故かこさめは今日一日暗い顔をしていた。 なのに、俺は何もしなかった。
友人が暗い顔をして居る時に何も出来ない。 俺は所詮その程度の人間なのだろう。
そんな事実が冷たく背中に突き刺さって、 うまく息ができなかった。
桜我らん
心の中でどれだけ自分に鞭を入れようと 身体は一向に動いてくれない。
何かを諦めたように席を立ち、 静かにそこを後にした。
桜我らん
始めて来た時と同じ言葉を紡ぐ。
最初と変わらない美しさを誇る桜が、 俺を煽るように散っていく。
肌を撫でていた柔らかい風も、 今は俺を責めるように荒ぶっている。
桜我らん
心を落ち着かせる為に来たはずなのに、 逆にこれでもかと言う程激しく心は揺れている。
桜我らん
泣きそうになり唇を噛む。
今自分を責めるという行為がどれだけ惨めか、 どれだけ馬鹿な行動なのか自覚しているからこそ。
自分の弱さが、醜さが、酷く憎い。
桜我らん
此処にいたら、本当に泣いてしまいそうで、 自分の弱さをこれ以上見ていたくなくて。
目を背けるように、その場から離れた。
そんなこんなで下校中、俺はとことん運が悪い。 最悪な事が起きている。
雨乃こさめ
王雅みこと
雨乃こさめ
王雅みこと
もう分かった方は分かっただろう。
目の前をこさめ達が歩いているのである。 二人は気づいていない様だけれどこちらからすれば もんの凄く気まずい。超気まずい。
話を盗み聞きしているみたいで気分が悪いし、 その上罪悪感まで上乗せされている。
凄く嫌な予感もする。
この場所、夢の場所と良く似ているのだ。 いや多分、そんな事はないのだろうけど。
感覚的に、物凄く似ている。
桜我らん
高鳴る心臓がうるさい。 身体が警告している気がする。
「ここはまずい。」
雨乃こさめ
王雅みこと
青になった信号を走るように渡りだすこさめ。
桜我らん
止まらない車が目に入り、全力で走る。 分かってしまった。これから何が起きるのか。
この嫌な予感の正体が。
桜我らん
響くクラクションと同時に叫ぶ。
王雅みこと
王雅みこと
雨乃こさめ
こさめに手を伸ばす。「届け」と願いを込めて。
こさめの背中に触れた感覚。 それと同時に響く割れるような頭への衝撃。
世界が遅くなるような感覚と、 今にも消えてしまいそうなこさめの小さな声。
雨乃こさめ
気づいた時には、紅く染まったコンクリートと、 視線の先には、同じ様に倒れているこさめ。
あぁ。助けられなかったのか。
もう身体は動かないし、俺の周りは血だらけである。 これ以上、こさめの様子は分からない。
目を開かないこさめにゆっくり手を伸ばす。 触れた体温はまだ暖かくて、 助かるかもという希望が少しだけ見えた気がした。
それに安心した俺は、一気に眠気が押し寄せて、 睡魔に逆らわずに意識を手放した。
目を開いた場所は公園。 走馬灯ですらこの夢なのか。
少しだけいらっとした。
少年
桜我らん
え?
耳を疑う。「俺」は今、なんと言った?
桜我らん
俺の意識なんて関係ないと言わんばかりに 目の前の光景は進んでいく。
少年
桜我らん
彼はそう言うと、花びらとなって消えてしまった。 「彼の亡骸」は、風に乗って空を泳ぐ。
桜我らん
見ると、「俺」は公園で花びらを拾いながら、 拙い足取りで、静かに雫を溢していた。
この子は、本当に「こさめ」なのか。
衝撃の事実だった筈なのに、すんなり受け入れられている事がその理由を物語っていた。
「それ」が抜け落ちた記憶である事は確かなはず。 そして、こさめが「生きていた」事も確かだ。
ただ、それはもう考えることでは無いし、 俺が現世に戻る事もきっと無い。
「らー、くん。起きー。おねーい!!」
そんな声が聴こえた気がした。
主
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さつき(ママ☆)
さつき(ママ☆)
主
主
主
さつき(ママ☆)
主
さつき(ママ☆)
主
コメント
3件
遅くなったーーごめん!! おお!夢の少年が分かったんだね!僕はこさめちゃんを事故に合わせればいんだね!了解!((