数年後
カンカンカンカン
カン カンカンカン
カンッ
河炉
ッ?!
河炉
ハァハァハァハァ。
蘭葵
遅い。
蘭葵
そんなに鈍かったっけ。
河炉
お前が強いだけだろ。
蘭葵
でも、前はもっとついてこれてた。
河炉
なら俺が弱くなったのかもな。
蘭葵
そうとは言ってない。
河炉
そうだろ。
河炉
貶したかったら好きにしろよ。
蘭葵
貶すなんてことしない。
河炉
してるだろ。
蘭葵
してない。
河炉
してるんだよ "!
蘭葵
ッ...?!
河炉
ほんと変わったよな。
河炉
前はもっと努力家だったのに。
河炉
今のお前は違う。
蘭葵
変わったのはそっちじゃない、、?
河炉
は?
蘭葵
俺が伏って知ってから、俺に冷たいよね。
河炉
どうだろうな。
蘭葵
まさか。
蘭葵
怖気付いたんじゃないよね
河炉
は?
蘭葵
俺が伏せだから。
蘭葵
生珠を喰われるって、怖がってるの?
河炉
んなわけねぇだろ。
蘭葵
なら何で。
蘭葵
そうやって避けるの?
蘭葵
俺に勝てないって思ってるから?
河炉
嗚呼もうそうだよ "!!
河炉
お前の言う通りだ。
河炉
俺はお前に勝てない "!
河炉
敵うわけない "!!!
河炉
もうわかっただろ、俺がどれだけ臆病か。
蘭葵
それは間違ってる。
河炉
は?
蘭葵
俺が生珠を喰う時笑うの
知ってるんでしょ。
知ってるんでしょ。
河炉
ッ?!
蘭葵
あれは、怖いから笑う。
蘭葵
自分が臆病だって、信じたくないから笑う。
蘭葵
感情が壊れそうだから笑う
蘭葵
壊れたら嫌だから笑う。
蘭葵
わかってたんでしょ。
蘭葵
俺がなんで笑うか。
蘭葵
あれは決して幸せな笑み
じゃない "!!!
じゃない "!!!
蘭葵
自分で自分を保つ為に笑ってんだよ "!!
河炉
蘭葵ッ...
蘭葵
お前にはわかんねぇだろ。
蘭葵
俺がどれだけ苦労してるか
蘭葵
わかんねぇだろ "!!!
蘭葵
それなのに自分の方が傷ついてるような顔すんなよ。
蘭葵
腹立つんだよ "!!!
河炉
俺が傷ついてんのは事実
だろ。
だろ。
蘭葵
ッ?!
河炉が去る
雅玖
親友を失ったな。
蘭葵
ッ...。
雅玖
あれはお前が悪い。
雅玖
あいつの気持ちを考えて
やれなかったお前が。
やれなかったお前が。
蘭葵
わかってる。
雅玖
わかってないから怒鳴ったんだろ。
蘭葵
一人にしてくれ。
雅玖
世話のやける奴だな。
蘭葵
俺が悪い...。
???
あ、あの!
蘭葵
...?
蘭葵
はい、?
???
あの、私の事。
???
覚えてませんか?
蘭葵
...??
???
あ、これ。
蘭葵
ッ?!
蘭葵
麻里...。
麻里
お久しぶりです。
麻里
蘭葵さん。
ザァ-
風が吹く
麻里
あの頃と、全く顔つきが
変わってなかったので。
変わってなかったので。
蘭葵
ッ...。
麻里
隠さなくても大丈夫ですよ
麻里
伏ですよね。
蘭葵
お前は、いくつになった。
麻里
17です。
蘭葵
まだ子供じゃないか。
蘭葵
さっさとお家に帰んな。
麻里
もふもふの手。
麻里
また見たいです。
蘭葵
ついてこい。
麻里
もう目を開けていいですか?
蘭葵
まだ。
バッ
蘭葵
いいよ。
麻里
ッ...。
麻里
怖い顔をするんですね。
蘭葵の頬を触ろうとする
蘭葵
お前と馴れ合う気は無い。
麻里
え...。
麻里
でも、まだ助けるって約束が。
蘭葵
お前に助けてもらうほど、
俺は弱くない。
俺は弱くない。
バッ
蘭葵
俺には、信用してないけど大切な人がいるんだ。
蘭葵
次、俺の前に現れたら。
蘭葵
お前の生珠を喰ってやる。
麻里
ッ?!
麻里
蘭葵さん!