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結局、誰もサッカーしていなかった

やっぱり皆″今世″を生きてるんだ

何か、俺と二子とは違う、

そう思いながら自分たちの学校近くまで帰ってきた俺らは

先程までの蜂楽との楽しい時間を一旦奥に仕舞い

今世について考える

……

(なんだろう、記憶がないってだけじゃなくて)

(皆、″今の自分″に従ってる)

(……俺は自分を見失ってるのかもしれない)

二子

……

二子も考え込んでいる。

俺と同じことを思ってるのだろう

 

俯きながら歩いてると身長が190cmぐらいの男性が前から歩いてくる

俺は差程気にしなかった

というか気に止める心持ちじゃなかった

けれど相手は違ったらしい

???

…潔…

小さい声だったが俺の名前が聞こえて顔を上げる

そこには見覚えのある奴がいた

思わず目を丸める

…あれ、その反応、もしかして覚えてる?

凪……!!

俺が名前を呼ぶと凪は嬉しそうに目を輝かせた

まじ?ちょー嬉しい

どうやら、凪も記憶があるらしい

此方に記憶があると分かった途端、駆け寄ってきた

二子

凪 誠士郎 … !

あ、前髪くんも覚えてるんだ

てかどうしたの、考え込んでたみたいだけど

不思議そうに首を傾げる凪に、

俺らは今までの事を話した

 

俺の記憶がつい最近戻ったこと

千切が陸上選手になっていたこと

國神がバスケをしていたこと

玲王が家を継ぐ事を夢にしていること

蜂楽が芸術家になっていたこと

それぞれが″夢″に向かって努力していること

俺達はサッカーをするべきなのか迷っていること

それを聞いた凪は

…明日俺の学校にも来なよ

今世の俺、見てって

と言ってくれた。

翌日、俺と二子は凪が通っている学校に行った

その学校の垂れ幕には「サッカー部県大会優勝」と書かれていた。

あ、来た来た

正門で立ってる俺らを見つけた凪は駆け寄ってくる。

早く来い、練習試合始まるから

おわっ、

ちょっ、待てよっ

俺は凪に手を引かれ、サッカー場に向かう

それを二子は追うように着いてくる

今世の俺、前世よりも天才だから

しっかり見てて

そう言いながらサッカー場に向かう凪は

やる気に満ちていて

楽しそうで

前世の面倒くさがり屋の凪ではないように見えた。

どうやら凪はサッカー部のエースらしい

それと同時に部長でもあるようだ。

皆に指示を出し、部をまとめながら、前世と変わらない天才っぷりを見せる凪に

俺と二子は圧倒された。

相手も全国大会に行く強豪なのに、凪がどんどん点を取る。

ハットトリックを決めて此方にピースを向ける凪は

″前世で見た凪″ではなかった。

試合は3ー1で凪達の勝利に終わった。

凪!お前スゲェよ!!!

んぇ

練習試合が終わり、自主練をしている凪に駆け寄ってそう伝える。

二子は遠くで俺らを見詰めてくれている

凪は自慢げに笑って

俺頑張ってるでしょ

と自主練を止め、こっちに向き直る。

…うん、ほんと、凪も″今世″を生きてるんだな

知らない凪に少し悲しくなって俯く

すごい事なのに、

俺と違ってちゃんと生きてる凪に 劣等感を覚えた

うん、だから

潔も前世に囚われなくていい

そう言われて顔を上げる

前世に囚われてる…?

ど、どう言う…

今の潔、サッカーしなきゃって

また皆とサッカーしなきゃって

焦ってるように見える

そう言うと凪は俺の前にボールを置く

そして少し離れて行った

な…凪…?

軽くパスちょうだい

お、おう

ボールを蹴る、

やっぱり思い通りにボールが飛ばない

けれど俺のパスはふんわりと凪のところに行った

そのパスを凪はダイレクトで蹴って

ゴールに叩き込む

そういえば試合でもダイレクトでゴールを決めた点がある。

今のパス、″潔らしく″なかった

え、?

″今の″潔らしかった

…!

確かに、イメージ通りには出来なかった

″今の潔らしいパス″ってなんだよって、 俺は笑う

それを見た凪は安心したように近付いてきて

今の俺、トラップとダイレクトが武器なんだ

あ、だから試合でもダイレクト使ってたのか

そう、皆は俺がシュートフェイクトラップか

ダイレクトでシュートしてくるか悩む

俺は相手の反応を見てトラップかダイレクトか決める

ど?前世の潔並に強いでしょ

凪がドヤ顔する

だからお前はお前の好きな事すればいい

お前の昔からの夢は?

さっきのドヤ顔とは打って変わって

優しく見つめてくる

ッ…

その質問に言葉が詰まる

これを言ってしまったら

サッカーをしていた俺が嘘になる気がして

皆との縁も切れる気がして

お前の想いは俺がワールドカップまで持ってく

前世のお前は俺が連れてく

だから今世を生きろ、潔世一

抱き締められてないのに 優しく包み込まれた気がした。

前世の俺の想いが、今世の俺にまで影響して

凪の言うように前世の想いに囚われてたのかもしれない

でもその想いも、願いも全部

全部凪が連れてってくれると言った。

嗚呼、言ってもいいんだ

幼い頃の夢

どこか諦めてた、あの夢

思い出した、あの夢を

俺…学校の先生になりたい…

″俺″…昔っから小説が好きで…

現文の先生になりたいんだ…

想いが零れる

そうだ、俺は小説が好きだった

俺は先生に憧れた

人に教えるのが好きだったんだ

その事を口に出すと晴れやかな気分になった

晴れやかな気分のまま涙が零れた

うん、いい夢じゃん

潔ならなれる。

そう言って凪は周りから俺を隠すように抱き締めてくれた。

ありがとな、凪、

ごめんな、二子

赤くなった目元を冷やしながらそう言う

凪の自主練が終わって、途中まで一緒に帰っている最中だ。

二子

いえ、潔くんが自分を見つけれたのなら、僕はそれでいいです

二子

僕も、今世の僕について考えようと思いましたし。

そう言って二子は微笑んでくれた

あ、そーだ、潔、前髪くん、連絡先交換しよ

いいぞ

二子

良いですよ

そう言って連絡先を交換する

別れ道も近い

じゃ、次会うときはライバルじゃなくて

友達としてね、

別れ道に着いてしまった

凪はこっちだからと手を振って別の方に行ってしまおうとする

…凪!!

んぇ?

俺が呼び止めると凪は振り返ってくれた

俺の顔を見るなり凪は驚いた顔をする

……大丈夫、俺は消えてったりしないから

次会う時は俺から連絡する

心を見透かされた返事をされた

いや、顔に出てたのかも

…おうっ、ありがとな、!

うん

安心しきった俺は凪に手を振って別れようとする。

その時凪が、

潔…!

俺、潔のこと好きだ…!

大きめの声でそう言うもんだから

笑ってしまった

今世でも友達でいられる事に心底安心して

俺も!!凪の事好きだぞ!

そう返事して、俺と凪は別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

違う、違うんだ潔

俺に今世なんてない

面倒くさがりじゃなかったのも、 ダイレクトが武器だったのも、

全部お前の為なんだ。

物心ついた時から記憶があった俺は

″今世の俺″がすぐに消えてなくなった

お前は覚えてないだろうな

幼い頃、俺はお前に会ったことある

「サッカー上手だねぇ」

「かっこいいねぇ」

って、そう言って貰えて

ただただ嬉しかった。

それと同時に サッカーをしてない潔が居るって知って

お前の武器を世界一にしたくて、 必死にダイレクト練習したんだ

空間認識能力は流石に無理だったけど。

 

ブルーロックがないから高校から活躍しとかないと行けなくて

わざわざ、強豪の高校に入って

エースになって、部長になって

 

面倒臭いけど、お前を世界一にするために、

お前の武器と俺の武器が世界一になるために

必死に頑張ったんだ

 

全部お前の為なんだ、潔。

 

好きも、そう言う意味じゃない

けど、多分潔は ─── 。

……はぁ

…前世に囚われてるのは、俺じゃん

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