───昔から、歌うことが好きだった。
小さい頃の私が唯一夢中になれるもの、 それが歌だった。
ある日、両親の仕事の都合で転校をした。
転校先で、両親に無茶なお願いをして 合唱団に入ったのは、今となっては いい思い出だった。
そして、私は合唱団でとある子達と出会った。
夏 合唱団練習スペース
先生
それじゃあ、今日の練習は終わり!
先生
みんな帰ってね〜
一同
お疲れ様でした!
志織
(疲れた〜。)
志織
(次のコンクールも近いらしいし、頑張ろう。)
結花
ねぇねぇ、最近合唱団に入って来たの?
志織
…え?あ、うん。
結花
わたしもなんだ!
結花
一緒だね!
志織
そうだね。
志織
(一緒…)
結花
わたし、西依 結花!よろしくね!
志織
あ、私は音川 志織…です。
結花
志織ちゃん!改めてよろしくね!
志織
よ、よろしくね…結花ちゃん。
灰夜
おーい、結花。
灰夜
早くしないと京が飽きて帰る〜
京
あっづい…早く帰りたい…
灰夜
ほら、こう言ってるし!
結花
あ、灰夜くんと京くん。ちょっと待って〜!
志織
結花ちゃんの友達?
結花
うん!お家も近いし学校のクラスも一緒だから!
志織
そうなんだ。
志織
(そういえば今日、お母さんが近所の人と“挨拶”するから早く帰ってきてって言ってたような…)
志織
(宿題早くやらないと。)
結花
あ、志織ちゃん!ばいばい!
志織
う、うん。ばいばい。
志織
ただいま、お母さん。
母親
あら、志織ちゃん。帰ってきてたのね。
志織
お父さんはまだ帰ってきてないの?
母親
ええ。でもその内帰ってくるわ。
父親
ただいま〜って、母さんに志織。二人揃ってどうしたんだ?
母親
だから、お隣さんに挨拶するからって言ってたでしょ〜?
父親
あぁ、ごめんごめん。
父親
それじゃあ、行こうか?
母親
志織ちゃん、大丈夫?挨拶できる?
志織
うん。出来るよ。
父親
はぁ…母さん、志織ももう9歳だぞ。挨拶くらい出来るさ。
母親
確かにそうね〜。それじゃあ行きましょうか。
ピンポーン
近所の人
あ、はーい。
近所の人
こんにちは。どうされましたか?
母親
こんにちは〜。近所に住み初めた音川と申します。
母親
これからよろしくお願いします〜。
志織
こんにちは、音川 志織です。
近所の人
わぁ、とても可愛い子ですね!
近所の人
うちの娘と同い年くらいかな…
志織
9歳です。
近所の人
あ、もしかしたら知ってるかも…
近所の人
おーい!お隣さん来たよ〜!おいで〜!
結花
どうしたの、お母さん…
結花
って、あ!
結花
志織ちゃん!
志織
結花ちゃん…?
近所の人
やっぱり知り合いだったんだ。
近所の人
それじゃあ小学校も一緒になりますかね。
母親
そしたらお願いします〜。
結花
お母さん、お母さん!
結花
さっき言ってた合唱団の子!
近所の人
あぁ、やっぱり合唱団のお友達?
近所の人
そうだ。結乃も呼んできてくれない?
結花
はーい!
志織
(結花ちゃん、お姉さんを呼びに行ったらしいけど…)
結乃
はーい、母さん。どうしたの?
近所の人
最近引っ越してきた近所の人がいるの。
近所の人
結花の知り合いらしいから、挨拶しといて。
結乃
西依 結乃です。14です。
結乃
宮益坂女子学園に通ってます。
結乃
よろしくお願いします。
母親
礼儀のいい子ね〜。
結乃
ありがとうございます…?
志織
よろしくお願いします。音川 志織です。
志織
年齢は…結花ちゃんと同い年です。
母親
それじゃあ、そろそろ帰りましょうか。
父親
あ、あぁ。そうだな。
父親
(会話に入れなかった…)
結花
そうだ、志織ちゃん。
志織
どうしたの?
結花
後で…まぁ、今度でもいいけど…
結花
一緒に遊ぼう!いい所教えてあげるよ!
志織
うん、わかった。
志織
あ、お母さん。
母親
どうしたの?志織ちゃん。
志織
結花ちゃんに誘われて、今日遊びに行っても良い?
母親
良いわよ〜。でも遅くなりすぎないでね?
志織
うん。17時までには帰ってくる。
父親
気を付けて行くんだぞ。
父親
最近暑いし熱中症にも注意してな。
ピンポーン
志織
結花ちゃーん、居る?
結花
あ、はい!志織ちゃん、どうしたの?
志織
…あ、結花ちゃんが一緒に遊ぼうって言ってたから…
結花
そうだ!ごめんね。
志織
いや、大丈夫だよ。
結花
それじゃあ行こう!
結花
2人も誘って!