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麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
保育園に通う、一人娘の花蓮。 花蓮は、来年度小学校へ入学する。
母一人子一人の母子家庭で、生活もキツキツ。 正直、食べていくのが精一杯で、ランドセルを買う余裕はなかった。
親も他界していて、頼れる身内もいない。 デパートで売られているランドセルは高過ぎて、私の安月給で買える金額ではない。
お店では、赤色の他に、ピンク、イエロー、ブルー等のカラフルなランドセルが売ってある。 保育園が夏休みの時に、花蓮を連れてデパートに行った時のこと・・・。
ーランドセル売り場ー
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
花蓮は、ランドセルを、背中に背負う。
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
そう言うと、花蓮はランドセルを元の場所に戻した。
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
あの夏の日から、ずっと悩んでいた。 サンタさんに頼むということは、結果的に私が購入しなければならない。
貯金しようか・・・。 でも、その余裕はない。
別れた旦那に、恥を忍んで頼もうか…。 色々と考えていたら、既に季節は師走を迎えていた。 そんな、ある日の事だった。
仕事先から自転車で帰っている時、普段は通らない花房(はなふさ)商店街へ向かった。 この道が、近道だからである。
そして、商店街の外れに質屋があった。 入り口横のショーケースに、ピンクのランドセルが飾ってあった。
ショーケースを見ると、ランドセルには値札が掛けてない。 値札の代わりに、新品という紙が掛けてある。 普段だったら、質屋などには行かないのだが、この日は売られているランドセルが凄く気になった。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
質屋店主
麦野 さとみ
質屋店主
質屋店主
60歳は超えてそうな、店主らしき人が店の奥から出てきた。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
質屋店主
質屋店主
麦野 さとみ
店主は、ショーケースのを開けて、ランドセルをさとみに手渡した。
麦野 さとみ
さとみは手に取り、ランドセルを見た。
でも、新品って変である。 中古品なら分かるのだが、何故新品なのか。
疑問に思って、聞こうと思ったら店主の方から話してくれた。
ある夫婦に、小学校に入学前の娘がいた。 夫婦は百貨店に娘と一緒行き、娘が気に入ったピンクのランドセルを買った。
しかしその後、既にランドセルを購入している事を知らない母親の母親が、孫のためにピンクのランドセルを買って郵送で送ってくれた。 ピンクのランドセルが、二つになってしまった。
しかも、二つのランドセルは偶然にも同じメーカー。 娘には、同じメーカーの同じランドセルだし、おばあちゃんがプレゼントしてくれたランドセルを使う事にして、自分達が買ったランドセルを質屋に持って来た。
というい経緯で、質屋のショーケースで売られる事になった。
質屋店主
質屋店主
質屋店主
麦野 さとみ
金額を聞いて、持っていたランドセルを落としそうになった。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
質屋店主
質屋店主
麦野 さとみ
安値で悩んだが、ランドセルがこの質屋に持ち込まれた理由も聞いたし、これは買うしかないと思った。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
質屋店主
質屋店主
麦野 さとみ
数分後、店主がランドセルの化粧箱を持って来た。 その化粧箱を見て、ランドセルの実際の売値が分かった。
有名百貨店で取り扱う、高級の部類に入るランドセル。 本皮仕様で、売値も50000円は軽く超える。 それが、半額以下で買えるのだから、嬉しい限りだ!
麦野 さとみ
質屋店主
さとみは、店主に頭を下げて、化粧箱を自転車の前カゴに入れて急いで帰宅した。
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店内奥から、店主ではない女性の声が聞こえてきた。
質屋店主
質屋店主
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女の子の遺影を持つ女性。 これに、なんの意味があるのだろうか・・・。
質屋店主
質屋店主
店主は、店のシャッターを閉めた。
さとみは、アパートの駐輪場に着き、自転車を停めてランドセルが入った化粧箱を手に持ち階段を駆け上がった。
麦野 さとみ
そう考えると、花蓮の笑顔が浮かんでくる。
ガチャ・・・
麦野 さとみ
キッチンのテーブルに、化粧箱を置くと・・・。
麦野 花蓮
花蓮が部屋から出てきた。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
化粧箱を、花蓮に渡した。
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
さとみがそう言うと、花蓮は笑みを浮かべて、化粧箱からランドセルを取り出した。
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 花蓮
花蓮は、ランドセルをテーブルに置いて、さとみに飛付いた。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 花蓮
素直な花蓮は、さとみの嘘を信じて、サンタ宛に覚えたての仮名文字で、お礼の手紙を書いている。
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 花蓮
花蓮から受けとった手紙を、鞄の中に入れて夕飯の準備に取り掛かった。
年が明けてから、突然忙しくなった。 花蓮の、入学準備が増えたからだ。
入学する小学校の、入学前保護者会。 保育園では、卒園式に向けての歌の稽古。 2月には、教科書やお道具箱や、体操服等の受け渡し。 制服の準備。
お道具箱の、作り物のお金や数え棒等に、名前を書く事が苦痛だった。
バタバタと、時は過ぎ…。 花蓮は、保育園の卒園式を待つだけとなった。 その後は、小学校の入学式。 すると、花蓮の異変に気が付いた。
ランドセルを買ってから、段々とやつれている。 ふっくらしていたほっぺたも、頬がこけている。 首元も、鎖骨が浮き出ている。 全体的に、痩せたという感じ。
毎日見ていたのに、花蓮の異変に今頃気が付くなんて…。 だけど、花蓮の方は、いたって普通なのだ。 病気をしている感じはしないし、元気な6歳の女の子。
そう見えた・・・。
日に日に、その痩せ方が異様に見えてきた。 極めつけは、髪の毛が抜け始め、所々白髪も目立つようになった。 花蓮は、元気いっぱいなのだが、気になった私は卒園式の前に病院へ行く事にした。
看護師
看護師に呼ばれて、診察室へ。
女医
女医は、花蓮を見た瞬間、顔色が変わった。 そして、椅子から立ち上がり、花蓮の肩を優しく撫でている。
麦野 花蓮
花蓮、いたって普通。 いつもの花蓮なのだ。 声だけは…。 見た目だけが、前より痩せているだけ。
女医
女医
女医
女医
麦野 花蓮
女医は、花蓮を体重計の前に立たせて、花蓮の体重を計る。 花蓮の体重は、12kgだった。
女医
女医
女医
麦野 さとみ
女医
女医
女医
女医
女医
麦野 さとみ
女医
女医
麦野 さとみ
女医
麦野 さとみ
麦野 さとみ
女医
女医
麦野 さとみ
不安な気持ちは拭えず、気落ちしたまま家に戻った。 職場に事情を話し、翌日もお休みをもらい、明日に備えて早めに休む事にした。
次の日、朝早くから紹介状に書かれてある、総合病院へ向かった。 小児科、内科、外科、眼科、歯科、脳神経外科、心療内科と回されたが、病の原因は見付からず、原因不明だった。
原因不明だったため、そのまま帰宅。 取り敢えず、卒園式を済ませて、花蓮の状態に気を付けながらの生活を送り、あとは、小学校の入学式を待つだけとなった。
この頃から、花蓮は身体以外にも異変が見えてきた。 上手く言葉が出ないようになり、視力も弱くなっていた。 再び、総合病院へ診察へ行った。
しかし、最初の診察と変りなく原因不明。 しかも上手く言葉が喋れなくなり、視力も1.5から0.5に落ちていた。
主治医
麦野 さとみ
主治医の言葉に、頷くしかなかった。 体重も減り続けて、13kgだったのが10kgまで減っていた。 このまま体重が減り続けたら、日常生活は困難になる。
背中も、終始猫背の状態になっていて、そんな風に言われたら、入院しかない。 そう思うしかなかった。 花蓮は即入院。
主治医
麦野 さとみ
看護師
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 花蓮
看護師
看護師
看護師
看護師
麦野 花蓮
花蓮は、別の看護師が病室へ連れて行った。
看護師
麦野 さとみ
看護師
看護師
麦野 さとみ
麦野 さとみ
看護師
看護師
麦野 さとみ
看護師
看護師
麦野 さとみ
看護師
看護師
麦野 さとみ
看護師
看護師
看護師
麦野 さとみ
麦野 さとみ
小学校の入学式は間に合いそうに無いため、小学校の方にも連絡を入れた。 仕事に行く前と、仕事帰りに花蓮のお見舞いに行くのが日課となった。
花蓮が居ないアパートは静かで、逆に不気味に感じて仕方なかった。 中古で買った勉強机の上に、花蓮のランドセルが置いてある。
久々に見ると、ピンクだった色が少しだけ色が濃くなっているようにも見える。
部屋の照明が弱いからだと、この日はそう思う事にした。
1ヶ月後
花蓮の体重も16kgまで増え、視力は戻らないものの、会話も普通にできるようになっていて、退院できるまでに回復していた。
いつものように、仕事に行く前、お見舞いに来ていた。
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
花蓮はにそう約束して、さとみは仕事に向かった。
その日の夕方
仕事を終えたさとみは、1度アパートに戻って、ランドセルを花蓮の病室に持って行った。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 さとみ
花蓮の言葉に、悪寒が走った。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 花蓮
麦野 花蓮
麦野 花蓮
花蓮は興奮気味になり、過呼吸になって、そのまま意識を失った。 急いで、ナースコールを押した。
看護師
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
看護師
看護師
数秒後、主治医と看護師が機材と共に病室に入ってきて、さとみは病室の外に出された。
数分後
主治医
主治医
主治医
さとみは、全て話した。 昨年末に、花房商店街の質屋で買ったランドセルのこと。
そのランドセルを手に入れてから、娘の様子が変わったこと。 そして、ランドセルの色が変わってること。
一通り聞いた主治医は、病室に戻りランドセルを手に取った。 そして、ランドセルを開いて、奥を覗いている。
主治医
主治医
主治医
主治医は、病室の外で待つさとみに、ランドセルを渡した。
主治医
主治医
麦野 さとみ
主治医
麦野 さとみ
麦野 さとみ
主治医
主治医
えええええっ!?
麦野 さとみ
さとみは、質屋の店主から聞いた内容を話した。 ランドセルが質屋で売られていた理由を・・・。
主治医
麦野 さとみ
主治医が、話し出した。
金本質屋には、今から3年前。 6歳になる孫娘がいた。
その孫娘は、小学校の入学式の前に、原因不明の病に侵された。 今回の花蓮のように、身体がやせ細り、言葉が喋れなくなり、視力も落ちて原因が分からないまま、最後は呼吸ができなくなって亡くなった。
孫娘が入院していた病室には、淡いブルーのランドセルが置いてあった。 すると、そのランドセルは、孫娘の病状が悪化すると共に、色が少しづつ変わっていった。
淡いブルーから、淡いピンクへと・・・。 その異変に気付いた時は、孫娘は既に手遅れの状態で、ランドセルを家族の者が自宅に持ち帰った翌日に、孫娘は息を引き取った。
ランドセルの色の変化と、孫娘の病状悪化の関連性は定かではないが、現にこのランドセルには、孫娘の魂が宿っているのだと・・・。 それは、ランドセルの中を見れば分かると・・・。
さとみはランドセルの奥を覗いた
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
主治医
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
主治医
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
主治医
主治医
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
主治医
さとみは、その足で花房商店街の金本質屋へ向かった。
金本質屋に着くと、店主がシャッターを閉める直前だった。 さとみは、自転車を放り出して店主に問い詰めた。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
質屋店主
質屋店主
店主は、さとみが何を言いに来たのか分かったかのように、さとみを店内へ招いた。 そして店内奥の、住居スペースへと通された。
質屋店主
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
質屋店主
質屋店主
質屋店主
質屋店主
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
涙が溢れてしまって、もう言葉にならない。
店主の娘
部屋の襖が開き、女性が入ってきた。
質屋店主
店主の娘
店主の娘
店主の娘が、孫娘の話をしだした。
金本質屋の孫娘は、小さな頃から霊体を体内に取り入れてしまう特異体質の持ち主だった。 体内に入り込んだ霊体を、自ら廃除することができず、その都度霊媒師に頼んで浄霊をしてもらっていた。
孫娘が5歳の春咲。 孫娘の体内に、子供の霊体が入り込んだ。
いつものように霊媒師が、浄霊をしたが、直ぐに孫娘の体内に戻ってしまう。 そんなことが5回ほど続いた時、金本質屋に淡いブルーのランドセルが持ち込まれた。
このランドセルは、店主がさとみに説明した通りだった。 孫娘の好きな色が淡いブルーだったから、店頭には出さず孫娘のランドセルになった。
その直後だった。 孫娘の体内に繰り返し憑いていた霊体が、孫娘のランドセルに憑してしまったのだ。
それを知らない家族は、孫娘の異変に気付かず、入院し治療していたが、原因不明で命を落とした。
孫娘が亡くなった後、霊媒師に色が変わったランドセルを見せてみると、ランドセルには最初に憑いていた子供の霊体と、孫娘の霊体が絡み合って憑いていると・・・。
二体の霊体が絡み合って憑いている場合、浄霊は困難になる。 浄霊ではなく、お焚き上げするしか方法がない。
お焚き上げをした場合、どちらかの霊体が地獄へ堕ちるそうだ。
地獄へ堕ちる霊体を霊媒師が選ぶことは不可能で、店主はそのまま淡いピンクへ色付いたランドセルを売り物としてショーケースに置いた。
しかし、ランドセルの中古品なんて、売れる時代ではなく、3年の月日が流れた。 お焚き上げをするしないで悩んでいた時、さとみが来店しそのまま売ったそうだ。
二体の霊体が憑いたランドセルを、さとみは何も知らないまま購入した。
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
麦野 さとみ
さとみは、座っている二人に向けて、ランドセルを投げた。
質屋店主
店主の娘
麦野 さとみ
最後に、申し訳ない感じで、店主の娘が言っていた。
仮に、花蓮が亡くなったとしたら、三体の霊体が絡み合うこととなる。 その後、お焚き上げをした場合、二体目の霊体が天国へ行き、残り二体は地獄に堕とされるそうで、自分の娘さえ天国に行けるなら、残りの霊体が地獄に堕ちても良かったと言っていた。
これを聞いたさとみは、その場でクビを絞めて殺したくなったほどだ。
さとみは金本質屋を飛び出し、花蓮の元へ駆け付けた。
病室に着くと、花蓮はスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。
ナースステーションへ話を聞きに行ったら、さとみが病室を出た後、状態も安定して、そのまま緊急処置を終えたらしい。
主治医にも金本質屋で聞いたことを伝えたら、ランドセルに孫娘とは別に霊体がもう一体憑いていたことに驚いた様子だった。
主治医
主治医
主治医
主治医
主治医
主治医
麦野 さとみ
主治医
主治医
主治医
主治医
麦野 さとみ
今更知ったところで、金本質屋の孫娘は戻ってこない。
ランドセルは、別れた旦那に泣き付いて、同じランドセルを買ってもらうことになった。 最初から恥を忍んで頼んでおけば、こんなに苦しまなくて済んだのに…と、後悔ばかりが残った苦い経験をしました。
仮に、欲しい品物がリサイクル屋に売られていたとしても、その品物には前に使用してい人の念というものが少なからず残っているはずです。
そう思うと、リサイクル屋で品物を購入するより、新品を購入して大切に使う方が幸せに繋がるのだと身をもって実感した次第です。
花蓮はその後、1週間ほどで退院して、現在に至ります。
もちろん、ランドセルの事は秘密ですけどね(*^^*)
後書き
この小説「わたしのだよ」は、怖い話を投稿する怖話という場所で投稿済みの小説になります。
怖話で読んだ方はおられないと思いますが、怖話で書いた内容を少し変えて投稿しております。
「わたしのだよ」を書いた経緯は、リサイクル屋で赤いランドセルを見付けて、誰が買うんだろう。という考えが頭に浮かんで、この作品が出来上がりました。
最後まで読んで下さりありがとうございました m(*_ _)m
駄作しか書けませんが、宜しくお願い致します。
作者:真砂鈴