私は幼い頃に事故で耳が聞こえなくなった。
最後に聞こえた音は 車の高いブレーキ音 街の人々の悲鳴
そして
大好きで綺麗な 貴方の声
○○
『あの子耳が聞こえないらしいよ』
『ちょっとあの子暗くない?』
『目の前から消えてよ』
全部
例え悪口だとしても私には聞こえない
私には貴方達の声は届いてない
何故なら
私は無音の世界に包まれているから
これでもそんな私を気にかける人は居るもので
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わざわざ私の為に手話を身に付けたのだろう…
そう思いつつも私は彼に頷く
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何やら嬉しそうに微笑む
私の大切な幼馴染だ
そんな幸せな日々はずっとは続かない
必ずどこかで途絶える物だ
それは私と彼の日々も例外ではない
私の誕生日 それは突然の出来事だった
今日は私の誕生日 幼馴染のロボロと遊ぶ約束をしてる
大好きな彼の姿は既にあった
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手話を使わずとも分かる こちらを向き 笑顔で手を振っている彼に私も手を振りながら向かう
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○○
彼は軽く頷き 『ほな、行こか…』 と顔を少し赤くしながら私に手を差し伸べる
○○
その手を私は黙ってその手を握った
すると彼は嬉しそうに微笑む
そこは見た事のある交差点だった
私が事故にあった場所
彼は気まずそうにするが
実際私は気にしていない
何故なら 何年前の出来事か ずっと気にしていたら生きれないだろう
そう思ったからだ
信号が赤になるのを待っていた時
急に車の通行量が多くなった
人も多くなった
気のせいか少し寒気もする
信号が青になり横断歩道を渡る時
それは一瞬の出来事だった
急に視界が悪くなる
人や物がゆっくり動く
あの時の似た感覚だった
横を見ると
猛スピードで走ってくる 大型トラック
その後ろにはパトカーが何台か
私はその瞬間
死を悟った
鈍い音と同時に悲鳴が響き渡る
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震え混じりのあの声
そう
私の大好きだった声
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最期だけでも
貴方の声が聴けたら…
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視界が歪んだ瞬間
やっと
貴方の声が聴けた
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その言葉は 凄く甘くて 凄く暖かく そして 儚かった
その言葉に私は微笑んで返す
_ありがとう_
ℯ𝓃𝒹
コメント
14件
何故……貴方は……そんなに……語彙力が……あるの……??(エコー)
ふわぁ…相変わらず文才やねぇ…絵も上手いし文も上手いって最高やん←どっちもないな