桃青『呼吸』桃視点&解説

俺は最低だった

君が、

気付いていることだって

いつも食事を吐き戻していることだって

知っていたのに

毎日毎日、この家に君を一人残して

ｶﾞﾁｬｯ

他の子のところへ行く

そんな俺でも、まだ優しくしてくれた、好きでいてくれた君に甘えてたんだ

ある日、俺が家を出るときも、帰ってきた時も

君は

部屋から出てこなかった

風邪でも引いたんだろうか、寝ているのだろうか

そんなことを考えながら、その日も家に背を向けた

でも、君は1週間経っても一度も部屋から出てこない

俺が出かけている間に外に出ているのかもしれないが

キッチンやリビングなど、外に出てきた痕跡は全く無い

流石に心配になって、君の部屋に行ってみた

ｺﾝｺﾝｯ

ｼｰﾝ...

が、冷たく返された

次の日も、その次の日も、毎日青の部屋をノックし続け、

冷たい返事を返され続けた

青の部屋をノックし始めて1週間ほど経った日だった

ｺﾝｺﾝｯ

ｼｰﾝ

ｼｰﾝ...

いつもならここで『いい。』『食べてなくない』『無理』

なんて返事が返ってくるのだが、

今日は何も聞こえない

ｶﾁｬｯ

ｷｨ...

ドアを開けて、真っ先に目に入ってきたのは

血塗られた壁と床

そして家具たち。

少し視線をずらせば、君がいた

真っ赤な自分の腕を、嬉しそうに見つめている

動揺でカラカラになった喉から

やっとのこと声を漏らす

''呼吸"をしてるだけ、だよ

みなさん

私達、"生き物"にとって、呼吸とはどんな存在ですか？

.....生きていくのに必要不可欠な存在。

生きていくための手段。

ですよね