TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
砂糖中毒

一覧ページ

「砂糖中毒」のメインビジュアル

砂糖中毒

1 - なぐかぶ 南雲がヤンデレ。センシティブにしてる『狂愛』軸の南雲、南雲視点。

♥

222

2023年02月02日

シェアするシェアする
報告する

華太の髪を乾かしながら、テレビから流れてくるニュースに耳を傾ける。 拉致監禁をしていたストーカー男が逮捕されたらしい。

小峠華太

最近、ストーカー事件増えましたね

南雲梗平

拉致監禁なんてよくするよな。直ぐに足がつくのにな

小峠華太

本当、こんな事で人生を棒に振るなんて馬鹿ですよね

南雲梗平

馬鹿だよな。暴力で支配するなんてな

別に暴力を振るわなくても監禁なんかしなくても、相手を支配する方法なんて幾らでもあるのにな、と

南雲は、心の中で、犯人を瀬世ら笑う。

相手に狂気を向ければ警戒される。 しつこく、つきまとえば周囲にも周知される確率があがる。 暴力で支配するのは簡単だが、行き過ぎれば殺してしまうし、怯えた表情以外しなくなる。 ただ単に支配したいだけなら、それでもいいのかもしれないが

本当の意味で、相手を手に入れる事は出来ない。 自分の望みを、自らの手で潰してしまうなんて、本末転倒も良いところだ。

南雲梗平

(安直に暴力で支配とか、頭が足りてないブ男)

だから、俺は相手が自分に依存するように仕向ける。

やる事は一つだけ。 ぐずぐずに甘やかすだけ。

まるで、甘ったるい砂糖菓子のように、デロデロに甘やかす。 やがて、それは遅効性の毒のように、じわじわと内側から、相手を浸食していく。

砂糖には中毒性がある。食べれば、もっと欲しくなる。それは、砂糖を摂取すると、脳がヘロインなどの麻薬を摂取した時と同じ反応を示すからだ。

だから、俺は甘やかす。 ただそれだけで、相手は俺から離れていこうなんて考えもしなくなるのだから。

現に俺が何も行動しなくとも、華太の方からやってくるのが、いい証拠。

当然とばかりに華太は、お風呂からあがれば、俺の側にきて、背を向け、乾かして貰うのを待つ。 髪を乾かして終わると、俺の首に腕を回し、ベッドまで運ぶようにねだる。

華太の髪を洗うのも、華太の髪を乾かすのも、華太の髪をセットするのも、華太の歯磨きをするのも、華太をベッドまでお姫様抱っこで運ぶのも、全て俺の役目。

きっと華太は、もう俺なしでは生きて行けないだろ。俺によって、生活の大半が成り立っているのだから。

 なんで、こんなに簡単なことすら、あいつらには出来ないのか、理解に苦しむ。

本当の狂気は見せびらかせるのではなく、誰にも気取らせずに、己の腹の中にひっそりと孕ましておくものだ。

おわり

loading

この作品はいかがでしたか?

222

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚