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むかーしむかし
そのまたさらに 昔のお話
争いの絶えぬ乱世の中 憎しみ合う人々の悪心は 増してゆく一方であった
そして ついにある時 悪の染み付いた大地から ある怪物が生まれた
それは万人を踏襲し 文明を蹂躙し
故郷である大地に 大きな傷を残した
その時 ある賢人が怪物に 立ち向かっていった
賢人は命を賭し ついに悪と罪の塊を封印した
して ここからが面白く 胸糞の抉い話である
大地を守り抜いた賢人は 謙虚なことに富も権も 求めなかった
しかし民は 賢人を恐れた
怪物を超える怪物を もはや人として 見るものはおらず
いつしかその恐怖は 軽蔑へと変わり果て
民は賢人を 追いやっていった
憎しみに当てられた賢人は 大地の民から心を閉ざし
封印の地と共に 地平の彼方へ消え去った
さて、諸君。
強大な力は、人を狂わせる。
それを知った人間は、 狂わないためか。 もしくは狂うためか、 力を欲する。
それは才能の対岸に存在し
人間の一番醜い場所に 根ざすもの。
黒い
黒い力の象徴。
…それでは皆様 ご唱和あれ。
"馬と鹿と罪"
ボコッ…!!
「痛ってぇ!!」 「くそが、逃げろ!」
「このバケモノが!!」
ヒソヒソ…
ブツブツ…
ジユ
ジユ
ジユ
ジユ
カイ
カイ
ジユ
カイ
ドカ!
ジユ
カイ
…パタン
カイ
ジユ
カイ
ジユ
ジユ
ジユ
カイ
カイ
カイ
カイ
ジユ
カイ
カイ
カイ
カイ
ジユ
ずいっ
カイ
ジユ
カイ
スクッ_
カイ
ジユ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
バジ
カイ
カイ
ジユ
_ぽん!
バジ
バジ
ガタ、ゴソゴソ
ドン…キィイ_
ぱん、ぱん!
バジ
カイ
バジ
ジユ
バジ
バジ
バジ
カイ
ジユ
ペラ…
カイ
ペラ_
カイ
ジユ
カイ
カイ
カイ
カイ
ジユ
カイ
ぐいっ
ジユ
カイ
ジユ
ジユ
ジユ
カイ
…ぺら
ぺら
ジユ
カイ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
二人並んで 仰向けに寝転ぶ。
なぜか晴れた気持ちだ。
カイ
ジユ
カイ
図鑑に乗っていた青い空。
水色とも言うべきか。
カイ
カイ
カイ
ジユ
カイ
カイ
カイ
カイ
ジユ
カイ
カイ
カイ
カイ
カイ
カイ
ジユ
ジユ
ジユ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
カイ
透明な湖面の中に佇む一本の大木。
ここは油湖。 この湖は水じゃない。 油だ。
岩々の隙間から染み出した 純度の高い油が、湖面に溜まる。
ジユはここで、 その油を汲む仕事をしている筈だ。
カイ
「おい、ジユ!」
カイ
ジユ
リドウ
カイ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
リドウ
リドウ
ジユ
カイ
カイ
ガッ_!!
ジユ
どさ_
リドウ
リドウ
頭に手を当てる。
紅い、真っ赤というより赤黒い。
カイ
ジユ
リドウ
カイ
リドウ
リドウ
スタ、スタ、スタ…
カイ
リドウ
リドウ
カイ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
カイ
リドウ
リドウ
カイ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
リドウ
カイ
みんな、見ている。
大人たちが、子どもたちも。
冷たい目で、怖い顔で。
呼吸が。
できない、苦しい。
カイ
ズサ…
膝をついた。
身体の力を抜いて、 なるべく何も考えないようにした。
リドウ
カイ
腰を落として、手を地面につく。
そして、頭を…
カイ
カイ
カイ
無理だ。
いやだ。
なんだ、 僕も謝れないじゃないか。
ドガっ_!!!
リドウ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
リドウ
ジユ
ドス_
ジユ
リドウ
グイッ
ジユ
カイ
ダダダッ_
カイ
ダダダダダ_
ジユ
ダダ、ダダッ…!!!
ジユ
ズサァッ_!!!!
カイ
ジユ
意外と血は出ていない。
それでも頭部の出血は、 思考に来るものだ。
カイ
ジユ
カイ
カイ
カイ
ジユ
カイ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
カイ
カイ
ジユ
ジユ
ジユ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
カイ
血はいずれ止まった。
代わりに、 涙が止まらなかった。
風呂敷を広げ、荷を乗せる。
修復用の革材や干し肉、 ろ過飯盒などなど。
といっても貧相なので、 それほど物が無い。
さらに必要なものだけ厳選すれば、 片手で持てるくらいの小さな荷袋だ。
ガサ………ギュッ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
カイ
ジユ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
カイ
ジユ
カイ
カイ
カイ
ジユ
ジユ
ぐいっ
カイ
ジユ
半ば乱暴に、 胸ぐらを掴む。
ジユの俯いた顔が 影で見えなくなっていた。
カイ
カイ
ジユ
ジユ
ジユ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
カイ
手の力を緩め、 目を合わせる。
その瞳は真っ直ぐで。
燃えていた。
ジユ
ジユ
カイ
カイ
カイ
ジユ
カイ
「…そこのお二人さん。」
ジユ
カイ
バジ
カイ
ジユ
ジユ
バジ
ジユ
カイ
バジ
バジ
バジが取り出したのは、 金具のついた杖。
バジ
バジ
ジユ
カイ
タッ…
カイ
ジユ
バジ
ジユ
カイ
カイ
カイ
ジユ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
ジユ
カイ
体幹、二日経った。
というより、二回睡眠をとった。
実際はもっと経っているの かもしれない。
今自分たちがどこにいるのか。 あとどのくらいで地上なのか。
分からないことだらけだ。
ジユ
カイ
カイ
カイ
ジユ
ジユ
ザッ……
ジユ
カイ
驚いた。
目の前の岩陰から、 突然 人が現れた。
なんでこんな所に人が? とは思った。
でも納得できないことはない。
地上にも人が居るのだ。
ここに人が居たって何も おかしくない。
というより気づいた。
もう地上が近いのではないか、と。
人がここで暮らすのは難しい。
なら、この人は地上から 来たのではないか?
ジユ
期待と希望が湧き上がってきた。
当然いつかは地上に着くだろうが、 それが目前とあらば心持ちが 段違いだ。
カイ
ジユ
ジユ
しかし、それでは瞬時に 恐怖と不安に変わる。
男は黒いコートに身をつつみ、 革のブーツを履いていた。
そして、色とりどりの宝石の指輪を 手にはめ
…その手には、 酷く鋭利なナイフが握られていた。
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