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杏堂〇〇

あーあ…

太宰治

〇〜〇〜!!

太宰治

来てくれると信じていたよ〜!!

中原中也

〇〇……

首領から探偵社のQ奪還作戦に太宰が来ること、

そこに中也を行かせて 一夜だけの双黒復活を仕向けることを聞いた。

それを態々私に話して来たと云うことは、 私にも手伝いに行けと云いたいのだろう。

組合相手ならいくら二人でも"あれ"を使い兼ねない。

そうなれば中也は帰る足を失い、太宰はそれを無視するだろう。

そう思って終わる頃を見計らって来てみれば案の定……。

杏堂〇〇

太宰、アンタ中也置いて帰ろうとしてたでしょ…

太宰治

え〜、仕方無いじゃないか

太宰治

こんなに重いのを、しかも敵拠点まで運べないよ

私を後ろから抱き締めて顎を頭の上に置く太宰。 重い。

それをフル無視して中也の横にしゃがみ、 怪我の応急処置を始める。

杏堂〇〇

中也さん大丈夫ですか〜?

杏堂〇〇

起きてますか〜?

中原中也

あんまデケェ声出すな…

地面に仰向けで倒れる中也は 頭が痛いのか額を片手で抑える。

矢張り"あれ"を。"汚濁"を使ったのだろう。 汚濁は中也の最終兵器。

異能を解き放ち、周囲の重力子を操るチート。 その代わりに自我を失い、死ぬまで暴れ続ける。

太宰も体中擦り傷だらけでそれなりにボロボロだけど 中也は頭からも口からも出血多量。

杏堂〇〇

もしかして直ぐに解いてあげなかった?

太宰治

……バレた?

中原中也

バレバレだろこの糞青鯖ァ……

太宰治

もう少し早く止められたけど

太宰治

面白くて見てた

杏堂〇〇

いやいや面白いとか云う次元じゃないから

止血を終えて包帯を巻きながら呆れ顔で太宰を見る。 中也はと云うと今にも寝そうな程ウトウトしている。

杏堂〇〇

待って中也寝ないで

杏堂〇〇

寝てる人間を運ぶのがどれだけ大変か…

中原中也

🐑💤

杏堂〇〇

あ、ダメだこりゃ

太宰治

〇〇〜、中也にばっかり構ってないで

太宰治

私の怪我の処置もしてくれよ

太宰治

ほらここ、血出てるここ、痛いなぁ〜

杏堂〇〇

先刻からうっさいわね…

しゃがんで血が出ている額を指差し、嘘泣きをする太宰。 仕方なくガーゼで血を拭き取ってやる。

杏堂〇〇

そっちの女医さんにやって貰いなさいよ

杏堂〇〇

あの鉈振り回してる…

太宰治

あぁ、与謝野女医ね

太宰治

折角〇〇が救急箱持って目の前に居るのに

太宰治

やって貰う以外選択肢はないだろう?

杏堂〇〇

いや知らんけど

前髪を掻き上げて絆創膏を貼っている間も 私の髪を指で弄ぶ。

くるくる指に絡めたり、撫でたり。 右手で掬ってキスしたり……、

ん?キス?

杏堂〇〇

おわー!?

杏堂〇〇

え、ちょ、何してるの!

驚いて思わず後ろへ距離をとる。 顔がどんどん熱くなる。

手からピンセットやガーゼが落ちてしまったが、 今はそんなの如何でもいい。

太宰治

何が?

杏堂〇〇

否、髪にキ…キスとか……

最後の方に恥ずかしさで口篭る。 太宰が口元に手を添えてクスクス笑った。

その所作はまるで何処かのお姫様のよう。

太宰治

ふふ、〇〇は初心だねぇ

太宰治

髪にキスしただけなのに

太宰治

まあ、

「そんなところも可愛いけどね」。耳元で囁かれる。 その声は耳が溶けそうなほど甘ったるかった。

双 黒 に 狙 わ れ て ま す

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