この話には暴力的表現を含みます。 苦手な方は閲覧をおやめください。
中島敦
太宰治
中島敦
太陽のような笑顔を太宰に向ける敦は、今日初めて会ったとは思えないほど心から楽しんでいた。
太宰治
中島敦
太宰治
いつもカップラーメンやらのインスタントに頼っている太宰の食生活では、
何が安いのか高いのか、まったく見当もつかない。
太宰治
ふと、思ったことが口からこぼれた。
中島敦
太宰治
太宰治
太宰治
太宰は空を見上げた。
太宰の両親はすでに亡くなっている。
今、太宰は19と成人済みなのであるが、
太宰が15の時、四年前に両親が亡くなったがために、15の時から織田にお世話になっていたのだ。
そして高校を卒業し、成人にもなり、新しい生活を始まるから一人暮らしをしようと思いたった。
ということを、思い出して空を見上げていた。
中島敦
敦の問いに太宰は目を丸くする。
中島敦
中島敦
太宰治
太宰治
太宰は笑う。
七つも離れている少年にそんなことを言われるとは夢にも思わなかった。
太宰治
中島敦
太宰治
家へ戻ると、敦はマイバッグを大切そうに抱き抱えて、台所へと走っていく。
太宰治
そう思う太宰だが、太宰は母親の愛を受けたことがないに等しかった。
父親の愛なんて、一度も受けていない。
ただ生まれたから育ててやった。そんな態度の両親だった。
太宰はそんな両親が嫌いだった。
そもそも……
両親が死んだのは
太宰が15の時
自らの手で両親を殺したからだ。
それでも太宰は罪には問われなかった。
“正当防衛”という形で認められたのだ。
太宰が両親を殺害していたある日、
強盗が家に侵入してきた。
手袋もして、凶器である包丁をわざわざ調達して、指紋がつかないようにしたのに、
強盗が来て、計画が崩れた。
人殺しと怯える強盗の背中を包丁で突き刺し、
絶命した後、強盗の指紋を包丁の柄の部分、切れない銀色の部分にもつけ、
太宰は家にあった家族の指紋がついた包丁を
もう一度強盗に突き刺した。
そうして警察に泣き叫びながら通報すれば、
誰も太宰を疑わない。
そんな太宰だから、母親の愛なんて知らない。
己が憎くて殺した相手に何の愛情を抱かなかった。
そもそも、両親も太宰への愛情はなかった。
太宰治
たった一人の大切な友人が軽蔑したような目をする姿を思い浮かべて、
胸がきゅうっと痛くなる。
目の前で活発に動く敦を見ながら、そう思った。
コメント
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続き待ってまあああああす!