?
何してるのぉ?
翔
(え?…)
謎の男
ちっ、邪魔が入ったか……
声の方へ視線を向けるとそこには、 ふんわりとしたショートカットの、 女の子が首を傾げていた。
翔
(綺麗な子だな…)
その子は白黒のリボンや、フリルが付いた、ゴシックワンピースを着ていて、まるで人形のようだった。
?
きゃ……
彼女が僕の姿を見ると、悲鳴を上げた。
謎の男
ちっ、まぁいい…
そう、男は呟き僕に背を向けて言う。
翔
(コイツ…まさか!)
謎の男
バレたからには、生きて返せないね!
男は叫びながらナイフを振り上げる。
翔
(ダメだ…動けない…)
?
ふーん…そう…
彼女は急に低い声で言う。
その時、彼女は地面を蹴り、 男のナイフを奪い取る。
謎の男
なっ!?…
翔
(な、何が起きたんだ!?)
?
それでは、さようなら。
?
永遠に。
グサッ…
彼女は奪い取ったナイフを、 男の喉元に刺し、引き裂く。
謎の男
う、うあああああぁぁぁ!?
男は断末魔を上げて、崩れ落ちる。
男の首元は赤々とした血が、 噴き出していた。
パサッ…
?
あー汚らわしい。
彼女はそう呟き、 日傘をさす。
翔
(彼女は、一体何者なんだ?)
翔
(ダメだ…意識が…)
?
君!大丈夫!?
翔
う…あ…
?
あ!目、覚めた!
?
よかったぁ…
謎の少年
うるさいよ、ゴシックバカ。
?
もう、リョウくんたっら!心配しない訳ないでしょう!
謎の少年
どーでもいい。別にボクには関係無いし。
?
もう…それより、具合いはどう?
翔
こ、ここは?
リョウ
廃校の保健室。
?
君、2日も眠ってたんだよ!
翔
え…えぇ!?
リョウ
事情は幸に聞いた。
幸
勝手に連れて来てごめんね。
翔
い、いえ…ありがとうございます…
幸
いいのいいの!助け合うのは、当たり前でしょ!
幸
ねぇーリョウくん!
リョウ
はぁーウザ……
リョウと呼ばれる少年は、 紅い瞳を細める。
リョウ
おい、ゴシックバカ。
幸
ゴシックバカじゃ、ないんですけどー
幸
まぁいいや。なぁに?
リョウ
この、バカに事情は説明したの?
幸
あ!まだだった!
リョウ
はぁ…ホント、バカ。
幸
えっと、えっと、
幸
初めまして!幸です。
幸
能力は「人の心や記憶を読む能力」です!
幸
よろしくね!
リョウ
リョウ。能力は「コピー」
リョウ
相手の能力の他、見たものや聞いたものも、コピーできる。
リョウ
コイツと同じ暗殺者だが、ボクはハッキング専門だから。
リョウ
ボクはコイツらバカと違って、
「頭脳明晰」なんで。
「頭脳明晰」なんで。
リョウ
そこんとこ、よろしく。
翔
(やっぱ、さっきの男と同じ、暗殺者なんだ…)
幸
暗殺者って聞いて怖いかもしれないけど…
幸
大丈夫!ぼく達は君を殺さないから。
幸
安心して!
リョウ
バカ?信じられるわけないだろ。
リョウ
さっき、暗殺者に殺されかけてたってのに…
幸
あははー……
翔
ははっ。
幸
!!
翔
ん?
幸
笑ってくれた!
翔
え…あ…
バンッ!
翔
!?
謎の少年
おいリョウ!
リョウ
はぁ…ウザ…
謎の少年
おれっちのプリン食べたのお前か!