澪
肉を手に入れた後どうすればいいのか分からないけれど、この老婆はきっと知っているはずだ。
そう信じて、彼は再び旅立った。
「……ところでさっきから気になってたんだが、なんでお前まで付いてきてんだ?」
グライアイと共にいるはずの外僕は、何故か今もエンデの隣にいた。
「お供しますぜ。旦那」
「何言ってんの!? ダメだよそんなの!!」
慌てて止めようとするセレスだったが、エンデはそれを制した。
「まあ待て。俺一人じゃ危ないかもしれないけど、こいつがいれば大丈夫だろう」
「おいおい、俺は戦闘要員じゃないんですよ?」
「だったらもっとしっかりしろよ。それに、お前だって一人でいるより誰かと一緒にいた方が楽しいだろ?」
「そりゃあそうだが、あんたらの旅路は過酷ですよ? 覚悟は出来てるんですかい?」
「ああ。問題無い」
「うーむ、分かりました。そこまで言うならやってみましょう」
「じゃあ決まりだねぇ。まずは一番近い主から行こうかねぇ」
グライアイが指差す先を見る。そこには大きな建物があった。
あれが目的地だろう。
三人はそこへ向かうことにした。
道中は何も起こらなかった。拍子抜けするほどあっさりと辿り着く。
どうせ罠があるんだろうと思ったけど何もない。ただの廃墟だった。
だが次の瞬間、壁が崩れ落ち中から人影が現れる。
黒いローブを着た男。顔色が悪く病的な印象を受ける。
「我が名はラ・フォーゼ。
