雫希
雫希
涙希
はい!ということで!
今回は大神優香さんの春コンテストに参加させて頂くことになりました!
他の参加者さんのお話を読ませて頂いたのですが皆さんクオリティ高すぎて…
私のような半端者が参加なんてしても良いのでしょうか…
今回も無事駄作なのですが((
涙希
春と言えば桜,桜と言えば春ということで!
桜を題材とした🐤🍣を書きました🌸
皆さんに楽しんで貰えると幸いです!
雫希
⚠️注意⚠️ ・ご本人様とは一切関係ございません ・R15程度の物騒な描写があります ・🐤🍣の恋愛描写あり 苦手な方はUターンお願いします ・エセ関西弁,日本語がおかしい部分がございます 温かい目で見て頂けると嬉しいです
雫希
行ってらっしゃい
咲き始めた桜の木の下で
りうら
俺の上に飛び乗った桜の亡霊は
ないこ
愛を囁くでもなく,魔法をかけてくれるわけでもなく
ないこ
ただ,この世から消えることを願った
どうやらあれは夢ではなかったらしい
りうら
学校の裏にあるそれは大きな桜の木の下で俺は確か寝てしまった
そうしたら急に上から人が降ってきて
“俺を殺して欲しい”と言ってきた
……うーん,どう考えてもやばい奴だ
ほとけ
ほとけ
りうら
りうら
ほとけ
ほとけ
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
ほとけ
りうら
りうら
ほとけ
ほとけ
りうら
春は眠い
いつでも眠いけど,春の,特に午後はありえないくらい眠い
りうら
こんな先生のつまんない授業うけて結局寝ちゃうくらいなら
開き直ってサボって寝ちゃう方が断然いい
りうら
りうら
ほとけ
そういうほとけっちに手を振って教室をでる
一応先生がいないか気をつけて見ながら無事桜の木にたどり着いた
りうら
めんどくさいことはしない
勉強も運動も平均的ならそれでいい
授業だって単位が取れれば出なくたって別にいいでしょ?
友達も1人か2人いれば十分だ
りうら
そうやってこれからも適当に,そこそこで生きて…
ないこ
りうら
今1番会いたくない人の声が聞こえて思わず顔を顰めてしまう
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
寝ているりうらの隣に座ってにこにこと笑いながら話しかけてくる
……正直言ってめちゃくちゃうざい
りうら
ないこ
ないこ
りうら
この人はないこと言って俺より1つ上の先輩らしい
ただ本当に先輩なのかと疑うほどに騒がしくて子供っぽい
そしてさっきほとけっちに“やばい奴”と言われていた張本人だ
ないこ
先輩が咲き始めたばかりの桜を見上げながらそう呟く
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
そう言って先輩はまたにこにこと笑う
……本当,変な人だ
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
この人は毎日俺のところに来ては“殺してほしい”と言う
面倒事に巻き込まれるのが嫌でりうらは毎回理由も聞かずに断る
お互い干渉せずただ暇つぶしの為だけに俺たちは桜の木の下で言葉を交わす
お互い相手を利用しあっているだけ
……だからりうらが“優しい”なんてことはないんだ
ないこ
りうら
ないこ
ひらひらひらひら
桜が先輩の周りを楽しそうに舞う
ないこ
りうら
ないこ
この先輩と話すのは嫌いじゃない
趣味も合うし,話も面白くて飽きない
でも
りうら
ないこ
先輩のこういうところだけは嫌いだ
そんな俺たちの変でおかしい関係は意外と長く続き
1週間後
ないこ
りうら
なぜか俺は先輩とお花見に来てる
人混みで全然動けないし,桜なんていつも見てるし…
正直言ってものすごくめんどくさい…
りうら
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ないこ
先輩が寂しそうに笑ってそう言う
…最近,先輩はなんだか元気がないように見える
でもだからと言ってりうらに何かができる訳でもないし…めんどくさいし…
だから別に聞いたりはしないけど
でもなぜか,胸の辺りがモヤモヤして落ち着かない
ないこ
ふと,先輩が振り返ってりうらに話しかける
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
…あぁ,いやだ
ないこ
ないこ
あなたのその言葉はいつも俺を狂わせる
りうら
ないこ
りうら
ないこ
あぁ,いつから
いつから俺はこんなにめんどくさい男になってしまったのだろう
ないこ
りうら
いつからこんなに臆病な男になってしまったのだろう
あれからさらに1週間後
お互いどこか気まずいまま,でも桜の木の下で話す関係は変わらなかった
りうら
最近は桜の木の下で寝ることはないからずっと眠い
それもこれも,全部ないくんのせいだ
……めんどくさいことは嫌いだ
なのに,なぜかないくんのことになるとめんどくさくても良いと思ってしまう
りうら
ないくんに死んでほしくない
もっとりうらの隣で生きてほしい
……でもそんなことは言えない
きっと,りうらが何を言っても変わらないから
『この桜が散る前に,俺を殺してくれる?』
りうら
りうら
先生
先生
窓の外を見ると強い風と雨が世界を憎むように降っていた
ほとけ
ほとけ
りうら
ほとけ
ほとけ
りうら
ほとけ
ほとけっちがパンっと両手を合わせて頭を下げる
……まぁ,いつもお世話になってるし
それにないくんのところに行く口実ができるかも…!
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
ほとけっちが弾けるような笑顔を浮かべて傘を受け取る
ほとけ
りうら
ほとけ
ほとけ
りうら
楽しそうだなんて言われたことがなくて驚く
そんなりうらの反応に味をしめたのかほとけっちがニヤニヤして言う
ほとけ
ほとけ
りうら
りうら
りうら
ほとけ
ほとけ
ほとけっちが傘をくるくる振り回して笑う
ほとけ
……多分,今りうらの顔は真っ赤なんだろうな
りうら
ないくんがいるフロアに来たものの
そういえばないくんのクラスを知らないことに気づいて立ち止まる
……思えばりうらはないくんのことを全く知らない
それがなんだか悔しい
りうら
1つ1つクラスを覗いて探してみるも,見当たらない
……仕方ない…誰かに聞くか…
りうら
少し緊張しながらすぐそばで談笑していた先輩に話しかける
先輩A
りうら
先輩A
先輩A
先輩B
先輩C
先輩C
1人の先輩が色んな人に聞いてくれたものの,全員が首を振る
先輩A
りうら
先輩C
りうら
先輩B
りうら
先輩B
りうら
りうら
りうら
先輩B
りうらが特徴をあげ終わると先輩達は驚いたように固まる
なんだろう…なんで先輩たちはこんなに驚いているんだろう…?
先輩A
りうら
なんで…なんでそんなこと聞くんだろう…?
先輩C
先輩B
りうら
そんなやついない?
りうら
だって,いつも桜の木の下で話してたし
お花見にだって一緒に行った!
変だけど,話が面白くて…優しくて
青色の優しい目でりうらを見てくれた
りうら
先輩A
先輩が教室内を指さして言う
先輩A
りうら
りうら
そこには
笑顔でクラスメイトと話すないくんの姿があった
りうら
りうら
りうら
でも,間違いない
まだ出会って2週間だけど,あんなにたくさん一緒にいたんだ
ないくんのこと,間違えるはずがない
りうら
先輩B
先輩B
先輩B
先輩が“If”という人に話しかける
If
先輩B
If
If
青色の瞳にりうらが映る
りうら
……違う
この人はっ…この人はないくんじゃない!!
りうら
りうら
りうら
パズルのピースが,揃ってしまった
知りたくなんか,なかった
りうら
先輩C
先輩A
先輩C
If
りうら
あぁ…そっか…
ないくんは今日,死ぬんだ
大雨が降る中,If先輩は躊躇なく外に出て桜の木の下へ連れてきてくれた
If
If
ほとんど散ってしまった桜を見てIf先輩が言う
りうら
りうら
If
強い風が吹き荒れて桜が勢いよく散る
If
If
If
りうら
りうら
If先輩がゆっくり目を閉じて
会いたくてたまらなかった君が目を開ける
ないこ
ないこ
りうら
涙を流すないくんを全力で抱きしめる
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
ないくんはIf先輩の別人格だった
だから,誰も知らない
誰にも知って貰えない
りうら
りうら
ないこ
りうら
りうら
大粒の涙を零しながらないくんはゆっくり話し出す
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
『この桜が散る前に,俺を殺してくれる?』
あの言葉は…
ないくんからのSOSだったんだ
りうら
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
ないくんが“殺してほしい”って言うときは
いつも寂しくて苦しいときだった
あぁ…なんで…もっと早く…
本当に死にたいわけじゃないって…気づけなかったんだろう
どうして1人で震えてるのに気づけなかったんだろう
ないこ
りうら
りうら
りうら
りうら
りうら
りうら
りうら
ないこ
桜が散る
それを見てもう時間が無いことを知る
りうら
りうら
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
ないくんが夢みたいに美しく,儚い笑顔を浮かべる
そんな君に
俺からの最高級の愛をあげよう
りうら
最期の桜の花弁を,握りしめる
りうら
プツンと小さな音を立てて
桜はりうらの手の中で眠った
ないこ
ないこ
りうらの隣でないくんがゆっくり目を閉じる
ないこ
ないこ
りうら
りうら
りうら
りうら
雨が優しく,桜を包み込んだ
『ね,知ってる?』
『桜の花言葉!』
「え,知らない」
『色々あるんだよ!』
『精神の美とか…純血とか!』
『それとね…もう1つ』
『俺が好きな花言葉は━━━━━』
Nem’oubliez pas
“私を忘れないで”
夢見草の亡霊 ゆめみぐさのぼうれい
Fin
雫希
やっと書きあげられました〜!
涙希
結構細部までこだわって書かせて頂きました…!
では,その細部について少しだけ…
まず1番悩んだのが🍣さんのアイコンですね…!
🐤さんに見えているのは青色の髪の毛と瞳を持つ🤪さんの顔で
でも🍣さん自身は桜色の髪と瞳であることが後ほど分かりますよね
なので青にしようか悩んだのですが…どちらの色でもない白をあえて選びました!
その方が後ほどアイコンが桜色になってからのインパクトが大きくなるかなと思って…!
また,時が経つにつれて🐤さんと🍣さんの仲が深まっていくことが分かるように書きました
例えば敬語からタメ口に口調が変わっていたり
先輩と呼んでいたのがないくんと呼ぶようになったり…
お互いがかけがえのない存在に変わっていくのが伝わりましたでしょうか?
そして今作品は桜をテーマにして書かせて頂いたので
桜の別名だったり,花言葉だったりをお話にたくさん練り込んでいます
私自身,花言葉にはあまり詳しくなかったので勉強になりました…!
雫希
涙希
どうか皆さまの心に響く作品になったことを願って
それではまた,別の作品でお会いしましょう
雫希
涙希