#コスプレ
※ちょっと腐つよめ!警報!
いつもの屋上にポツンと独り
黄色の瞳を輝かせた怪盗は
宙に足を投げ出してブラブラする
怪盗R
怪盗R
いつもの怪盗と違って
ふわふわした喋り方をしていて
近くにいた黒猫が尻尾を揺らす
あの名の無かった探偵が
知らぬ間に有名な刑事になって
彼は僕を探すのを辞めていた
怪盗R
ポツリ、と零れたその言葉は
いつも隣にいる黒猫ですら
初めて聞く本心だった
怪盗R
くるりと一回り
踵が宙に浮いてる状態になる
少し高くなった目線から見える
その色は闇一色だった
バサッ
闇の中に身体を投げ出す
昔、こうして逃げたっけ
重力に従った長く重いマントが
彼の華奢な身体を包み込んだ
怪盗は体制を立て直さないまま
速度を上げてコンクリートへ
それは新月の夜だった
1人の美しく可憐な怪盗が
わざとらしく証拠を残して
それから姿を消したという
刑事K
情報屋R
今はレトさんの家に来ている
なんでかって?
怪盗が証拠を残して消えてから
今日でぴったり2週間がたった
証拠はあるのに、潜伏場所不明
流石に行き詰まっていたところ
レトさんが誘ってくれたのだ
刑事K
刑事K
情報屋R
情報屋R
刑事K
刑事K
情報屋R
刑事K
情報屋R
情報屋R
刑事K
刑事K
刑事K
情報屋R
情報屋R
刑事K
刑事K
刑事K
情報屋R
情報屋R
刑事K
刑事K
刑事K
情報屋R
彼にしてはわざとらしく
パッとスマホに目を向け
素っ気ない態度で返してくる
でも、その耳は真っ赤で
刑事K
情報屋R
刑事K
刑事K
情報屋R
情報屋R
情報屋R
パッとスマホを取り上げると
観念したようにこちらを向いた
2人の目が合う
気まずかったのか、すーっと
目を逸らすレトさん
刑事K
情報屋R
情報屋R
刑事K
情報屋R
彼はすぐ俺から離れて
自分のベットに潜り込んだ
刑事K
情報屋R
刑事K
情報屋R
くぐもった声が聞こえる
レトさんと目を合した時
懐かしいような
心が奮い立たされるような
不思議な感覚に陥った
それが、久しぶりに見た
怪盗の面影だったからとは
キヨ自身は気づかなかった
刑事K
情報屋R
レトさんのベットの上に乗って
レトさんを見下ろす
所謂床ドンというやつだ
刑事K
情報屋R
情報屋R
ずっと目を逸らして聞いてくる
刑事K
刑事K
情報屋R
刑事K
眉を下げてお願いしてみたら
案外簡単に折れてくれた
情報屋R
刑事K
情報屋R
情報屋R
情報屋R
刑事K
情報屋R
刑事K
情報屋R
刑事K
刑事K
情報屋R
刑事K
床ドン体制で
レトさんの右手を掴む
情報屋R
刑事K
情報屋R
情報屋R
刑事K
情報屋R
刑事K
情報屋R
流石は情報屋
と思うと同時に、また目が合う
レトさんが煽ってくる時に
逸らしてた目を誤って
俺に向けちゃったんだろう
また、気まずそうに目を逸らす
刑事K
情報屋R
刑事K
刑事K
情報屋R
いつもと違った
少し長めの素直タイムに負け
思わず笑いだしてしまう
刑事K
刑事K
情報屋R
呆れたように言ってくる
情報屋R
情報屋R
またボソッと文句を言われる
ただ、俺は「極悪人」なもんで
刑事K
刑事K
情報屋R
情報屋R
情報屋R
刑事K
レトさんの言葉の暴力が
ずっと俺に降り続く
情報屋R
情報屋R
情報屋R
情報屋R
刑事K
情報屋R
情報屋R
情報屋R
レトさんが胸をポカポカ殴る
正直全く痛くないけど
刑事K
うるさいので顔を近づけてみる
情報屋R
ビクッと身体を震わせてから
顔を逸らす
思惑通り、喋らなくなったので
何もしないで離れてやる
情報屋R
左手で顔を隠しながら話される
刑事K
刑事K
情報屋R
情報屋R
刑事K
刑事K
俺が手を離すと同時に
パッと外に出てってしまう
刑事K
その後は説明したくないケド
俺の荷物全部を押し付けてきて
半強制的に家から出された
結果的に得たものゼロだし…
いやまあ可愛かったけどさ…
ソレは怪盗と関係ないし…
刑事K
真夜中
予告無しに盗みに行った怪盗は
いつもより早く仕事を終え
その綺麗な声で音を奏でた
怪盗R
黄色の瞳を輝かせながら
足を宙にほおりだして
ふわふわと文句を紡ぐ
刑事K
刑事K
闇に響いた低い声
怪盗R
怪盗R
怪盗はその場から動かない
刑事K
怪盗R
怪盗R
足をプラプラさせて
怪盗は刑事をみない
刑事K
怪盗R
柔らかい雰囲気をまとった
彼らしからぬトゲのある声
ふわふわした雰囲気から一転
ぴし、と緊張が張りつめる
怪盗R
怪盗R
怪盗R
怪盗R
宙に投げ出した足をさっと組む
マントの裾に着いた金色の十字
チャリ、と音を立てて擦れる
刑事K
刑事K
刑事K
刑事K
刑事K
刑事K
刑事K
刑事K
刑事K
怪盗R
仮面の奥で目を細めた気がした
言葉を遮ると同時に
ギリギリのところで立ち上がる
怪盗R
怪盗R
パキン
白手袋をしてるにも関わらず
とても綺麗な音を出す
怪盗R
怪盗R
そう言って
怪盗は闇に溶けて消えていった
それから数ヶ月
満月の下
いつもの屋上で空を見る
いつもと違った卑しい美しさ
怪盗の服装も一段と綺麗で
頭のシルクハットから
つま先の革靴まで
中指に着けた銀色の指輪が
地面に当たりカチリと鳴る
満月に照らされたその横顔は
どこか儚げで
トタン…カタン…トン…トン…
屋上に昇ってくる音がする
きっとあの刑事だろう
ここで怪盗と出会ってから
毎晩ここに来て怪盗が来るのを
今か今かと待っているのだ
怪盗R
怪盗R
あの時と同じ体制で
嫌に静かな怪盗は話しかけた
刑事K
怪盗R
怪盗R
くる、と顔だけこちらに向ける
ヒビの入った仮面は
より一層不気味さを醸しだして
ピリ、と空気が凍りついた
刑事K
刑事K
刑事K
刑事は下を向き続ける
刑事K
刑事K
地面にポタ、と水滴がこぼれる
怪盗はすっと立ち上がり
刑事の目元をその手で拭った
怪盗R
怪盗R
その声は、いつもと同じ
『情報屋レトルト』の声で
刑事K
怪盗R
怪盗R
白黒の仮面で顔は見えないが
明らかに驚いてはいないだろう
だって彼は怪盗であり情報屋
知らないことなどない唯一無二
彼の精神状態やら、色々
国を管理しているのはこの人
と言っても過言ではな人物だ
考えてる事全てお見通しなのだ
刑事K
刑事K
怪盗R
怪盗R
刑事K
怪盗R
怪盗R
怪盗R
怪盗R
刑事K
刑事K
満月の下に2人の男性
片方は跪き
片方は仮面を取った
跪いた男が差し出した
銀色の光
元々どちらも幸せになれない
BADENDのはずだった
だから
その日から
有名だった怪盗と刑事は
ぱったりと消えたという
探そうに情報屋も消えたそうで
この失踪事件はあまり広がらず
2人の駆け落ちは幕を閉じた
Halloweenの日に結婚した人は
死んでも尚、寄り添い続ける
彼らも、寄り添い続けている
コメント
12件
すごぉぉぉぉ…!!‼‼‼‼‼だだだだ大好きです…この話…「ええ時計してはりますなぁ」って京都弁のあの皮肉…すごぉ…レトさん京都人だしそこまで再現(?)されてる…2人も寄り添ってるはもう凄すぎて感動しすぎて死ぬ…😭フォロー失礼します…と思ったらもうしてました…!
くのさん、この物語のコメントに関係ない話で申し訳ないのですが、何故か物語が作れなくなってしまって、もう一度アカウントを作るためにTERRORを消して、アカウントを削除します。すぐ戻ると思うので、ご心配なく、
うぉぉおおおおいい話!